「働き方」を選べる組織が「生き方」を変える。ガイアックス事業本部長の管大輔が語る働き方の多様性

ガイアックスの事業本部長という責任ある立場でありながら、多拠点生活という自由な働き方を実践する管さん。なぜ働き方の多様性が重要なのか、それが実現することによってどんな社会が実現するのか、多拠点生活をする中で見えた仕事の本質について存分に語ってくれました。

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リモートワークは働き方だけでなく、生き方を変える

ガイアックスではどのようなお仕事をされているのでしょうか?

ガイアックス管さん(以下、管さん):SNSマーケティングと採用支援の2つの軸でサービスを提供している部署で、マネジメントをしています。SNSマーケティングは、企業の公式アカウントの運用や、どうすればユーザーの口コミが増えて売上に寄与するのか、現場の商品に対してどのようなフィードバックがされているのかを分析して、商品の改善に活かすといった業務です。

採用支援に関しては、地方や海外に住んでいる学生が、東京の企業とつながることのできるオンライン採用イベントの運営などをしています。地理的に不利な状況の学生が、気軽に企業の話を聞けるようになることを目指しています。

なるほど。地方の学生には嬉しいイベントですね。管さんはそもそもどんな想いでガイアックスにジョインされたんですか?

管さん:新卒でガイアックスに入社したんですが、20代のうちは東京でバリバリ仕事してやる! と思っていました。「幸せ」って言葉は「きれい事じゃん」と思っていて、大嫌いでしたね。

夢は「年収5,000万円です」と答えていたし、タワーマンションに住みたいし……という若手社員でした。

そんなギラギラした管さんが変わったきっかけってなんですか?

管さん:2015年に事業部長になって、会社の組織作りやメンバーのマネジメントに携わったことが大きなきっかけになりました。

小さなお子さんがいる女性メンバーが、以前働いていた環境ではお子さんと一緒に過ごす時間が少なかったようで、お子さんが熱を出してしまうと「私は仕事があるのになんで……」と、お子さんを鬱陶しく思ってしまうようなこともあったそうです。

それがうちの組織に来てからリモートワークが可能になると、時間の融通が利くようになって、保育園の送り迎えに行きやすくなったり、一緒にご飯を食べることも増えたりして、結果的に「子どものことがより好きになった」と言ってもらいました。その時に「働き方というのは人の生き方を変えるんだ」と思ったんです。

今、多拠点生活でリモートワークをされてますが、多様な働き方に注目したのもその頃ですか?

管さん:リモートワーク自体、導入当時はあくまで数字を上げるための施策であって、メンバーに良い状態になってもらうための働き方ではなかったんです。

でも、リモートワークによって充実した働き方ができるようになった人たちを目の当たりにして、仕事のパフォーマンスだけでなく私生活の満足度を上げることができることにも気づきました。その頃から、業績だけでなく、メンバーの生き方を尊重する組織にしていきたいと思うようになりましたね。

マネジメントは難しい。でも、本音を言い合える環境が作れれば対処法もわかる

リモートでメンバーをマネジメントすることに関してどう感じていますか?

管さん:マネジメントは難しいと思いますが「リモートだから」ということはありません。リモートによって難しいと言うのは簡単ですが、それは言い訳にも聞こえます。マネジメントにおいて重要なのは信頼関係の構築であり、リアルかリモートかは手法論に過ぎません。

信頼関係を構築するには、本音を言い合える環境が大事だと思っています。丸一日時間を使ってオフサイトミーティングを行い、お互いの過去や未来への思いなど、メンバーそれぞれの人となりや価値観を知るような取り組みもしています。

これは社員だけでなく、業務委託であるパートナーのカメラマンやライターの方なども参加してもらっているのですが、メンバー間の共通理解が深まるのでチームとしての推進力が上がります。

パートナーも長時間の社内ミーティングに参加するというのは熱量を感じますね。

管さん:参加する義務のない社内のミーティングに、自ら望んで参加してもらえたのはとても嬉しかったですね。社内外問わず、同じ目標に向かって進んでいける仲間はみんなチームメンバーとして認識しています。お互いにどんなことを大事にしていて、将来どんなことがしたいのかということを共有することで、普段の仕事の進み方が一気に加速しますし、個々人のキャリアプランに沿った役割を設定することも可能になります。

また、組織としての価値観や方向性についてもよく議論しています。自分たちは何のために存在していて、社会に対してどのような価値を提供したいのか。そのために、今の事業をどのように進めるべきで、その中で自分はどのような役割を担うのか。任された仕事を淡々とやるのではなく、自分たちで考えて決断し、自らの意志の元に仕事に取り組むチームを作りたいと思っています。

本音を言ってもらうために何か具体的にしていることはありますか?

管さん:「感情の共有」です。コミュニケーションツールはチャットワークを使っているんですが、その中で自分の感情を書き出せるチャンネルを作っています。嬉しかったことや、イライラしたこと、自分がいま何を感じているのかをメンバー間で共有しています。私も結構書き込みます。

リモートワークの欠点は、メンバーの調子が悪かったり、ストレスを感じている様子が見えにくいというところですが、感情の共有をすることでかなりの部分をカバーできるのではないかと感じています。

仕事でうまくいかないことがあったとして、うまくいかないこと自体を咎めるのは簡単ですが、打ち手としては最適ではありません。根本の原因がわかっていないと、無駄な対処をしてしまうこともあります。ありのままの感情を出して良い環境を作ることができれば、メンバーは本音を言いやすくなる。それによって実はプライベートで大きな問題を抱えていたとか、体調が悪くて病院に通い続けているなど、仕事以外に根本的な原因があることに気付けたりします。

複業が本業のマネジメントに貢献している

複業についてお聞かせください。現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか。

管さん:コーチング事業を展開する会社を創業しました。メンバーのマネジメントをする立場になり、自分の思いを言語化して伝えるためにはコーチングが有効だと思って自分自身もコーチングを学び始めたところです。

組織としての存在意義と組織の中の自分の存在意義、社会における自分の存在意義について、リーダーとして常に自分なりの解を持っていたいと思っています。そのために、なぜその仕事をやるのか、どんな未来を実現したいのかなど、コーチに問いを投げかけてもらうことで内省を深めています。

また、メンバーにも彼らが本当にやりたいことを問い続けたいですね。すぐには見つからないかもしれませんが、限りある人生の貴重な時間を何に費やしたいのか。それがうちの会社で実現できるなら嬉しいですが、他の環境の方が適切なのであればそちらを選んでくれて良い。そのためにも、自分自身がコーチングを学び、メンバーのやりたいことを引き出せるマネージャーになりたいと思っています。

ガイアックスで経験されたことが、複業に活かされてシナジーが生まれているって素晴らしいですね。ご自身が実践されている多様な働き方を通して、どのような社会にしていきたいですか?

管さん:多様な働き方が広まり、充実した毎日を過ごしている「かっこいい大人」であふれる社会を作りたいと思っています。子供が大人になることを楽しみに思える世界が良い。

そのためにも、多様な生き方を尊重する組織で業績を伸ばす、ということを実現したいんです。単に自由な働き方をしているだけで、それで業績が伸びなかったら「仲良くやってるぬるい組織だね」で終わってしまう。

我々のような働き方をしている組織であっても急成長できる、社会に大きなインパクトを与える事業を行っているという事例を作りたい。しっかり業績を伸ばすことができれば、この資本主義社会の中でも「その働き方、いいね」と思ってもらえる。その状態を実現することは私のミッションですし、とてもやりがいを感じています。

最後に、管さんのミッションの部分を詳しく聞かせてください。

管さん:繰り返しになりますが、かっこいい大人であふれる社会を作ることです。幸運にも自分の周りにはかっこいい大人がたくさんいます。自分の生き方にこだわり、周囲へ貢献することに喜びを感じる人たちは本当に魅力的です。彼らのおかげで救われたことが何度もあるし、自分の理想像を引き上げてもらうことも多い。

私自身、本業を辞めずに自分の会社を創業することができましたし、プライベートでは海外移住も実現できました。その人にとっての最適な時間の使い方は、人生のフェーズによって大きく変わると思います。特にこれからの時代はその変化のスピードが上がるはずです。

だからこそ、生き方に合わせた働き方を選べる組織が増えることで、充実した毎日を送れる人が良いなと思っています。まずは自身でその価値を体現できるように、頑張っていきたいです。

ーーありがとうございました。とても共感するお話でした。これからの管さんのご活躍楽しみにしてます。

インタビュー:今井慧
執筆:熨斗秀信
編集:今井慧/新留一輝
撮影:齋藤暁経

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