事業会社のVPoPが、あえて副業でクライアントワークに取り組む理由

「本業で自社サービスの事業開発をしながら、副業でクライアントワークをすることは結構メリットがあるんですよね。」

そう語るのはクラウドファンディングサービス CAMPFIREで自社サービスに携わりながら、GoodpatchのフルリモートチームGoodpatch AnywhereでクライアントワークやサービスデザインのR&Dをしている大橋 桃太郎さん(@momotarabitch) 。

事業会社とクライアントワークを同時並行で行うことで実現している成長について、大橋さんに解説いただきました。

まずは経歴について

皆さん、はじめまして。大橋です。

経歴としては、F1層向けのマーケティング支援を経て、2017年にCAMPFIREに入社し、2019年に事業責任者を務めた新規事業から、webサービスの企画に関わりはじめました。

プロダクトマネジメントやサービスデザイン、IAにUXリサーチが主な領域です。

CAMPFIREでは執行役員VPoPとして、経営やプロダクトマネジメントを担っています。プロダクトマネジメントでは、組織系の仕事(無限)に加え、プロダクトビジョンや、ユーザー体験における目標の策定、イシュー発見〜ロードマップ策定〜要件定義など、仮説構築から仮説検証のマネジメントを担っています。

Goodpatch Anywhereでは、クライアントの事業成長を、良いユーザー体験の実現によって成すべく、サービスデザインに取り組んでいます。

なぜクライアントワークをはじめたのか

Goodpatch Anywhereでクライアントワークをはじめたのは、2020年の秋からです。当時(今でもですが..)、CAMPFIREで果たすべき役割に対して経験が浅く、あらゆる点で自分の能力に不足を感じていました

自分の仕事は、CAMPFIREを利用することで事業を起こせたり、拡大や持続が可能になるユーザーさんへの影響が特に広い仕事であることから、自分の能力不足と成長速度の遅さが、ユーザーさんへの価値提供や、自社メンバーの活躍、事業の成長に悪影響であると感じ、どのようにして成長速度を速めるかを考えていました。

そこで、クライアントワークに従事し、様々な "課題解決" に携わる事で、経験の量を増やすことが出来るのではないかと仮説を立て、実行の仕方を探していた頃にGoodpatch Anywhereに出会いました。

参考:自分で爆速成長する

※自社内で様々な打席をつくることも検討しましたが、仕事をチームで遂行することも多い中、自分でタスクを持ちすぎるとボトルネックになってしまい、結果として悪影響を及ぼしてしまう可能性が高いことや、後述するメリットを検討した上で、選択肢からは外しました。

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なぜGoodpatch Anywhereを選んだのか

Goodpatch Anywhereをどこからか見つけ、面談を経てジョインしたのは2020年の8月でした。

課題解決の数を増やして成長速度を最大化することが目的であったため、可能な限り目的以外に時間を割かないことと、コミット時間や稼働する時間の柔軟さを要件に、様々な選択肢を検討していました。

その中で、案件獲得・管理に注意を払わなくて良いこと、目的から離れたタスクがほとんど無いこと、Goodpatchの仕事であることから求められるクオリティやクライアントの抱える課題の質が高いこと、Goodpatch Anywhereに所属するメンバーが各領域で活躍するプロフェッショナルであり共に課題解決に携われること、などに価値を感じてジョインしました。

今振り返っても、自分の目的にとっては良い選択だったと思います。

クライアントワークで得られる学び

これまでクライアントワークに関わってきてから感じている学びは大きく分けて5つあります。

1. プロジェクトのグランドデザイン

クライアントワークには契約期間があり期限が厳格に定まっています。期限内に求められる(以上の)成果を残すべく、プロジェクトの全体設計を行うことで、様々な課題のケースに対して「どう取り組んでいくか」を速く正確に設計することができるようになりました。(もっとなる)

2. 人間関係のないチームでの推進

クライアント組織内のチームに入ることがほとんどですが、Goodpatch Anywhereのメンバーはクライアントメンバーと関係をもっておらず、プロジェクトチームの人間関係はほぼゼロの状態から始まります。そうした環境下でも目的達成に向けて推進するためにどうするべきかを学ぶことができています。

3. 納得感を醸成するための構造化力

2とも関連性がありますが、一体感が醸成しきれていないチームでの推進や、クライアントワークとしての説明責任を果たすためには、課題へのアプローチについて背景から明確に伝える必要性が生じます。この必要性によって、物事を正しく表現できるように執着し、抽象的なものを構造化する機会を得ています。

4. 知らないチームの文化を知ることができる

クライアントのチームが作り上げてきた文化や価値観を、プロジェクトを通じて知ることができ、新たな視点を得ることができています。

5. 未知の課題への対処経験

事業と組織が違えば、課題も千差万別になります。様々なケースにアプローチすることで、鮮明な具体に触れることができ、ある程度の種別における抽象的な対処法(およびさらに抽象的な課題解決の本質)を自分の中にもつことができます

クライアントワークでの学びをどう自社サービスの運営に活かしているのか

上述した学びは以下の4つに活かされています。

1. 組織の推進力強化

厳格な期限があり人間関係のないところから始まるクライアントワークのプロジェクトで、推進力をもつために必要な様々なマネジメントを、人間関係やコンテクストの共有がとれている自社チームに用いることで、一層の推進力をもたらすことができています。

2. 今と少し先の組織にあった方が良い文化・仕組みの輸入

クライアントワークによって、様々な違いのある素敵なチームと共に仕事をすることで、自分の組織でも活かすことができそうな文化や仕組みの存在に気づきやすく、積極的な導入やトライを進めています。

3. 課題への対処の速度と正確性が高まる

自社では初めて接する課題であっても、自分が同種の課題への対処を掴んでいるため、全体感の設計がスムーズに進み、より良い解決に繋がりやすくなっています。

4. 時間あたりの価値への意識

稼働時間が決まっているクライアントワークでは、その中で求められた以上の価値を残すために、「この一時間」に集中してアウトプットする必要があります。

一方で、事業会社では時間の融通がクライアントワークに比べると効きやすく、状況に合わせた展開を行い、機動力を活かすこともできますが、ともするとそれは甘えにもなります。クライアントワークでの意識との組み合わせにより、高い機動力のなかで時間あたりの価値を意識した動きをすることに繋がってくると感じています。

同時並行だからこそクライアントワークで出せる価値

クライアントワークで学びを得るだけでなく、事業会社で仕事に取り組んでいるからこそ、クライアントワークで提供できている価値もあると考えています。以下、大きく3点。

1. プロジェクトが終了した後も残る価値

事業会社に所属していて組織や事業の動きを掴めているからこそ、そのプロジェクトが終了した後の活用性や拡張性を意識してクライアントワークに取り組むことができているのではないかと思います。

2. 意思決定を行う責任者と、タスクを実行するメンバーの接続

事業運営の意思決定を行う責任者と、日々プロダクトづくり(他業務でも)を行うメンバーとでは、主に横と時間軸の視野の違いから思考のズレが発生してしまっていることが往々にしてありますが、自組織では意思決定を担う立場であるため、ズレた思考を繋ぐお手伝いができているのではと思います。

3. 背景事情を考慮した推進

外から見たら単純な課題でも、その組織の中では複雑な課題であることを理解し、それを考慮しながら課題解決へ向けてプロジェクトとその先を設計することがしやすいのではないかと思います。

成長に対して、同時並行していることの価値

成長機会を最大化することを目的としてクライアントワークを行なっていますが、同時並行だからこその価値があります。それは、鮮度の良い学びとトライの速さです。

事業会社での業務と、クライアントワークを並行して行なっているため、常にフレッシュな学習をすることができています。事業会社での出来事とクライアントワークでの出来事を繋げて考え、すぐに適切と思われるシーンで打ち手を試し、改善を図ることができています。

同時並行アンチパターン

自分の目的から逸脱してしまっていれば、それは不幸を招きかねません。分かりやすく言えば、疲弊しパフォーマンスが落ちてしまうなど。しかし、責任をもって仕事をしているためそう簡単に状況を変えることもできません。

状況の見極めと慎重な意思決定が必要であることを意識するべきです。

まとめ

自社サービスとクライアント事業とGoodpatch Anywhereという様々なものを背負って、全力で真剣なケーススタディに取り組んでいる感覚をもっています。そして、それらの結果が全て自分に蓄積され、自分が対象に価値として提供していくような感覚です。howはなんでもいいのですが、どういった状況でもインパクトのある価値をだせる自分でいれたらなあと思います。

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