ポートフォリオサイトを作ろう
ポートフォリオサイトは、イラストレーターやWebデザイナーにとっての作品集であり、自分の才能やスキル、個性を見せるために重要なものです。ただ作品を並べるだけでなく、伝えたいことがきちんと伝達できる企画と構成が必要とされます。
ポートフォリオサイトの必要性
昨今のクリエイティブ業界では、履歴書や実際の実技試験よりもポートフォリオサイトに重きを置いていると言っても過言ではありません。
アピール効果が大きいポートフォリオサイトを作るためには、過去の作品を集めるだけでなく、カテゴリー分けして見せ方を考え、自分のスキルや才能の幅、得意分野をアピールしましょう。そうすることで、作品だけでなく、企画力やプレゼンテーション能力も伝えることができます。
客観的に自分の作品を見ることができるかどうかが、良いポートフォリオサイトを作る上で大切になってきます。
ポートフォリオに記載する主な項目
ポートフォリオは、自分の作品の紹介に終わらず、意図や工夫した点などその作品の制作プロセスなどを分かりやすく紹介しなければなりません。
記載したい主な項目は以下のとおりです。
- メインビジュアル(構成やテイストが分かりやすいもの)
- 作品名(プロジェクト名)
- 制作意図
- アピールポイント
各作品には、上記のような項目を記載しますが、ポートフォリオサイトには自分の連絡先やコンタクトを取る方法を記載するのも忘れないようにしてください。
主な職種の作成やデザインのポイントと例
ポートフォリオサイトが必要な主な職種別に、デザインのポイントと実際の例をご紹介します。参考にしながら作り方を練ってみてください。
イラストレーター
ポートフォリオサイトを作る必要がある職種としては、作品を視覚的にアピールする必要のあるイラストレーターがあげられます。ただし、同じようなテイストの作品ばかりにならないよう、載せる作品をじっくり選ぶことが大切です。
ポートフォリオを見る採用側は、一日にたくさんのものを見ることになります。その中で目を引くためには、1ページ目のメインになるものに力を入れましょう。第一印象で採用担当者の印象に残るレイアウトづくりが大切です。
ニューヨーク在住のイラストレーター『Robby Leonardi』のポートフォリオサイトは、はっきりした色使いや、ポップなイラストなどで、見る人を楽しませようという意図が感じられ、大変参考になります。スクロールすると、画面のさまざまな部分が動くといった細かい仕掛けが施され、発見する楽しみもあります。
Webデザイナー
デザイナーの中でも、特にWebデザイナーにとってポートフォリオは必須と言えます。デジタルコンテンツを作っている以上、実績をアピールするにはポートフォリオサイトの提出がほぼ確実に求められるからです。
できるだけバラエティ豊かに、コンテンツの内容も業種や業態の違うものを選ぶようにしましょう。コンテンツを見せるだけでなく、見せ方もデザイナーとしての腕の見せどころですので、プレゼンテーションの才能をアピールするにもよい機会です。
Webデザイナーの『フクシマナオキ』氏のポートフォリオサイトは、スッキリとした1ページ目で作品を並べ、それぞれのコンテンツもセンスの良い整然とした見せ方をしています。余白をうまく使うことで、長い文章を読ませる工夫やそれぞれのコンテンツにスムーズに誘導できるようになっています。
ポートフォリオサイトの作り方例
作品選びと、企画・コンセプトがしっかり決まりさえすれば、ポートフォリオサイトを作るのはそこまで難しいことではありません。作り方の例を紹介します。
作成の手順
まずは作品収集と選択です。点数は多くとも20点程度で、過去2年以内のものにします。その中でメインになるものを決め、できるだけバラエティ豊かになるよう揃えましょう。
客観的に作品群を眺め、ポートフォリオのテーマを設定します。ここがしっかり決まっていないと、主張のないただの作品集になってしまい、担当者の目にとまることができません。時間をかけてじっくり取り組みましょう。
全体の構成を決めたら、どのように見せたら簡潔で分かりやすいか、伝わるかを考えます。追加したい作品がないか再度確認し、実際にポートフォリオを作成していきましょう。
HTMLテンプレートの利用
さまざまなHTMLテンプレートが配布されているので、それらを利用することで、簡単にポートフォリオサイトを作れます。HTMLをコーディングする知識がない場合でもサイトの作成が可能です。
テンプレートをダウンロードして作品をはめ込み、コメント欄に記載すべき項目を書くことで、誰でも簡単にポートフォリオサイトを作ることができます。ただし他の製作者との差別化を図るために、見せ方の工夫が必要です。
WordPressでの作成
ブログ作成でも人気があるWordPressでも簡単にポートフォリオを作れます。WordPressで作る魅力は、自由にカスタマイズできるところです。オリジナリティを出したいのであれば、WordPressがおすすめです。
ブログや問合せページも追加することができるため、ポートフォリオとしての役割だけでなくコンタクトフォームとして、仕事の問合せなどを受け付けるサイトが作れます。WordPressで作成するには、『レンタルサーバー』『ドメイン』『テンプレート(テーマ)』が必要です。
Tumblrでの作成
アメリカのYahoo!が運営している完全無料のWebサービスです。直感的な操作で、初めてでも2〜3時間でポートフォリオサイトが作れます。画像や文章だけでなく、動画や音声も投稿できるので、さまざまな企画が可能になります。
特徴としては、『投稿』という機能があり、ブログやSNSのように使うことができる点です。作ったマイページはTumblr利用者でなくても見ることができるため、コミュニケーションツールにもなります。
まとめ
ポートフォリオサイトは、クリエイターにとってなくてはならない自分の営業ツールです。作品を見てもらうだけでなく、企画やプレゼンテーション能力もアピールすることができるので、力を入れて作りましょう。
自分の魅力をアピールするために、作成自体より、企画や作品選びに時間をかけることをおすすめします。
良いポートフォリオサイトは、クリエイターにとって履歴書よりも大切な自分自身を表すものです。慎重に、より効果の高いポートフォリオサイトを作ってください。