デザイナーの転職の志望動機は、これまでのデザインの経験を、志望先のプロダクトや事業でどう使いたいかを1本の筋で説明する文章です。「デザインが好き」「貴社の世界観に惹かれた」だけでは、どの会社にも出せる文章になり、採用担当者はあなたを選ぶ理由を読み取れません。

何から書けばよいのか、どこまで具体的に書けばよいのかで手が止まる人は少なくありません。志望動機の構成、書く前の準備、職種と転職の方向ごとの例文、面接での話し方、避けたい書き方を、厚生労働省の最新の転職者調査と、Offers に掲載されたデザイナー職の求人の集計をもとにまとめました。

デザイナーの志望動機は経験と会社を選ぶ理由をつなぐ文章

デザイナーの志望動機は、自分のデザインの経験が志望先のどの課題に役立つかと、数ある会社の中でなぜその会社を選ぶのかを、ひとつながりの理由として説明する文章です。採用する側は経験が仕事にどうつながるかを見ており、転職する側は自分の力を活かせる仕事かどうかを見ています。志望動機は、その2つが重なる場所を言葉にする役割を持ちます。

厚生労働省が2026年9月25日に公表した「令和7年転職者実態調査の概況」では、デザイナーを含む「専門的・技術的な仕事」で転職者を採用した事業所の採用理由(3つまでの複数回答)は、「経験を活かし即戦力になるから」が64.1%、「専門知識・能力があるから」が51.2%でした(厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」・2025年10月1日時点)。調査の選択肢に熱意・意欲は無いものの、デザイナーを含む専門職の中途採用では、採用理由の上位を経験と専門知識が占めています。

転職した人の側では、同じ調査の個人調査で、全職種の転職者が現在の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)の上位が「仕事の内容・職種に満足がいくから」40.2%、「自分の技能・能力が活かせるから」38.4%でした(厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」・2025年10月1日時点)。企業が見る「経験を活かせるか」と、転職者が重視する「技能・能力を活かせるか」は同じ点です。Offers Magazine 編集部は、志望動機の中心に経験の活かし方を置くことを勧めます。

志望動機と転職理由・自己PRは答える問いと時間軸が違う

志望動機は「なぜこの会社で働きたいか」、転職理由は「なぜ今の会社を離れるのか」、自己PRは「自分に何ができるか」に答えるもので、答える問いと時間軸が違います。面接では3つを別々に聞かれることが多いものの、内容がつながっていないと、話の一貫性を疑われかねません。

項目

答える問い

時間軸

デザイナーの書き方の例

志望動機

なぜこの会社か

これから

業務SaaSの入力画面を、リサーチから改善まで担いたい

転職理由

なぜ今の会社を離れるか

これまでから今

受託の案件では公開後の改善に関われなかった

自己PR

何ができるか

これまで

ユーザビリティテストをもとに入力フォームを作り直した

転職理由で挙げたきっかけを、志望動機で「それが実現できる環境を選んだ」と受け止める形にすると、3つが1本の話になります。転職理由の伝え方は「デザイナーの転職理由の例文と面接での答え方」にまとめました。

志望動機を書く場面は求人の選考ステップで決まる

志望動機を応募書類に書くのか、面接で話すのかは、求人の選考ステップで決まります。最初に書類選考がある求人では応募書類に志望動機を書きますが、カジュアル面談から始まる求人では、面談で会社の話を聞いた後に、選考の場で志望動機を伝える流れです。

Offers に掲載されたデザイナー職の正社員求人のうち、選考ステップを記載した122件では、カジュアル面談を最初のステップに置く求人が83件(68.0%)、書類選考を最初に置く求人が29件(23.8%)でした(Offers(株式会社overflow)調べ・n=122・2026年10月集計)。書類選考をステップのどこかに含む求人は、122件のうち60件(49.2%)です。

Offers が採用企業向けに公開しているヘルプ記事「カジュアル面談を行う 〜1. 概要編〜」(2023年9月更新)は、カジュアル面談で志望動機を聞くことを、候補者がまだ志望していない段階だとして一般的に避けるべきこととしています。カジュアル面談から始まる求人では、面談で聞いた事業やチームの話を材料にして、その後の書類選考や面接に向けて志望動機を固める順番になります。面談の前に準備しておくことは「カジュアル面談の準備と当日の流れ」にまとめました。

志望動機の構成は結論・経験・企業との接点・展望の4要素

デザイナーの志望動機は、結論、根拠になる経験、志望先との接点、入社後にやりたいことの4つを、この順に並べると読み手が迷いません。書類の欄の大きさや面接の時間に合わせて、4つの要素それぞれに1〜2文を割り当てると、長さを調整しやすくなります。

順番

要素

書くこと

避けたい書き方

1

結論

その会社で何をしたいか

「貴社に魅力を感じ」で始まり、中身が後回しになる

2

経験

担当範囲・進め方・結果

担当が分からない「〜に携わった」

3

企業との接点

求人やプロダクトのどこに経験が重なるか

企業理念を言い換えるだけ

4

入社後の展望

最初の1〜2年で担いたい仕事

「学びたい」「成長したい」で終わる

結論は1文目で何をしたいかを言い切る

志望動機の1文目に置くのは、志望先で何をしたいかを具体的な仕事の言葉で表した文です。「貴社のデザインに惹かれて」よりも「経理担当者が毎日使う業務画面を、作業時間が減る形に作り直したい」のように、扱いたいプロダクトや課題を名指しすると、続く経験の段落がその根拠として読まれます。

1文目が抽象的なまま経験の話に入ると、読み手はどの経験が志望先の仕事につながるのかを自分で探さなければなりません。書類選考では1件あたりにかけられる時間が限られるため、何をしたい人なのかを最初の1文で伝えます。

経験は担当範囲・進め方・結果の3点で書く

経験の段落では、どの範囲を担当し、どう進め、何が変わったかの3点を書きます。デザイナーの仕事はチームの成果になることが多く、「ECサイトのリニューアルに携わった」だけでは自分の担当が読み取れません。「購入画面の設計を担当し、ユーザーテストの結果をもとに入力項目を減らした結果、カートからの離脱が減った」のように、担当・進め方・結果を分けて書きます。

自分のデザインの強みは、見た目の好みよりも、どんな課題をどう解く人なのかで表すのが基本です。「シンプルで洗練されたデザインが得意」は書類の上で確かめようがありませんが、「情報量の多い管理画面を、使う頻度の高い操作から並べ直すのが得意」なら、ポートフォリオの作品で確かめてもらえます。成果の数字は、守秘義務に触れない範囲で、比率や「約」を使って書きます。

企業との接点は求人票の必須条件・歓迎条件から拾う

志望先との接点は、企業理念よりも、求人票の必須条件・歓迎条件と業務内容から拾うのが確実です。求人票には、その会社がデザイナーに任せたい仕事と、そのために求める経験が書かれており、自分の経験と重なる箇所が志望動機の中心になります。

Offers に掲載されたデザイナー職の正社員求人131件の必須条件・歓迎条件では、Figma に触れる求人が45.8%、ユーザーリサーチに触れる求人が25.2%、デザインシステムに触れる求人が21.4%でした(Offers(株式会社overflow)調べ・n=131・2026年10月集計)。

必須条件・歓迎条件に出る語

件数

割合

Figma

60件

45.8%

ユーザーリサーチ(ユーザーインタビュー・ユーザビリティテストなどを含む)

33件

25.2%

デザインシステム

28件

21.4%

ポートフォリオ

26件

19.8%

出所: Offers(株式会社overflow)調べ・デザイナー職の正社員求人 n=131・2026年10月集計。

131件のうち92件は、タイトルに「UI(ユーザーインターフェース)」「UX(ユーザー体験)」「プロダクトデザイナー」などを含む求人です。

条件の欄には、ツールや手法の名前と並んで、PdMやエンジニアと協力してプロジェクトを進めた経験や、他職種と仕様を議論して合意をつくる経験を挙げる求人も多く見られました。求人票にユーザーリサーチやデザインシステムが書かれていれば、自分の経験のうちその部分を志望動機の経験と接点に選ぶ、というように、求人票の言葉に合わせて手持ちの経験から選び直します。

志望動機の材料を集めるには、気になる会社の求人票を何件か並べて、必須条件・歓迎条件に繰り返し出てくる語を拾うのが近道です。Offers Jobs では、IT・Web 企業のデザイナーの求人を会員登録なしで検索し、業務内容や必須条件・歓迎条件を確かめられます。

入社後の展望は求人の業務内容に重ねて書く

入社後の展望には、求人票の業務内容のうち、最初の1〜2年で自分が担いたい仕事を書きます。「将来はアートディレクターになりたい」のように志望先と関係の薄い目標や、「貴社で学びたい」「成長したい」で終わる書き方では、会社にとっての利点が見えません。

「まずは既存画面の改善でプロダクトと業務を理解し、その後はデザインシステムの整備を主導したい」のように、業務内容に沿って段階を分けて書くと、入社後の働き方を相手が具体的に想像できます。長い目で見たキャリアの目標を書くなら、志望先の事業が進む方向と重なるものに絞るのが無難です。

書く前の準備は自己分析・企業研究・経験の棚卸しの3段階

志望動機は、自己分析で仕事選びの軸を決め、企業研究で志望先の課題をつかみ、経験の棚卸しで両者をつなぐ材料を選ぶ、という3段階の準備で中身が決まります。準備をせずに書き始めると、どの会社にも当てはまる言葉が並びがちです。

段階

やること

出てくるもの

自己分析

仕事で大事にしたいこと、得意な課題、避けたい環境を書き出す

会社選びの軸(公開後の改善まで関われる、ユーザーに直接会える など)

企業研究

求人票、プロダクト、採用ページ、社員の登壇資料やブログ、デザインチームの発信を読む

志望先の課題と、デザイナーに任せたい仕事

経験の棚卸し

過去の案件を担当範囲・進め方・結果で書き出す

志望先の課題に重なる経験1〜2件

デザイナーの企業研究で他の職種と違うのは、志望先のプロダクトを自分で使い、気づいた点を言葉にできることです。使ってみて気になった点は、面接で話す材料にもなります。ただし改善点を話すときは、自分が見た範囲と前提を添えて、相手の事情を知らないうえでの仮説だと伝えると、一方的な批評に聞こえません。

経験の棚卸しでは、案件ごとに担当範囲・進め方・結果を書き出しておくと、応募先ごとに志望動機を書き分けるときに、求人票に合う経験をすぐに選べます。職務経歴書やポートフォリオの説明文も、書き出した内容から作れるので手間がかかりません。

デザイナーの志望動機の例文は職種と転職の方向で書き分ける

志望動機の例文は、今の職種と、転職で仕事の範囲をどう変えるかによって、強調する経験が変わります。4つの例文はいずれも構成の4要素(結論・経験・企業との接点・入社後の展望)に沿って書いており、〇〇の部分を自分の経験と志望先の求人の言葉に置き換えて使える形にしました。例文の数字は架空の例です。

UI/UXデザイナーが事業会社のプロダクトデザイナーへ転職する例文

UI/UXデザイナーの志望動機では、ユーザーリサーチから画面設計、公開後の改善までのどこを担ってきたかと、志望先のプロダクトのどの課題に経験を当てたいかを結びます。

貴社の〇〇(業務管理のSaaS)で、現場の担当者が毎日使う入力画面を、
リサーチから改善まで一貫して担いたいと考え、志望しました。
現職では受託のUIデザイナーとして4年間、業務システムの画面設計を担当しています。
直近の案件では、利用者10名へのインタビューとユーザビリティテストをもとに
入力フォームを作り直し、1件あたりの入力時間を約3割短くしました。
一方で受託では公開後の改善まで関われないことが多く、
使われ続けるプロダクトを自分の手で育てたいと考えるようになりました。
貴社の求人にユーザーインタビューの経験とデザインシステムの運用が
挙げられており、これまでの経験をそのまま活かせると感じています。
入社後はまず既存画面の改善でプロダクトと業務を理解し、
その後はデザインシステムの整備を通じて、開発チームが
同じ品質の画面を速く作れる状態を作ることが目標です。

冒頭で扱いたい画面と課題を名指しし、経験の段落で担当・進め方・結果を分けています。転職理由(受託では公開後の改善に関われない)は不満としてではなく、志望先を選んだ理由として1文だけ添えました。

Webデザイナーが制作会社から事業会社のインハウスへ移る例文

制作会社から事業会社へ移るWebデザイナーは、多くの案件を期限内に仕上げてきた経験と、A/Bテスト(2つの案を出し分けて比べる検証)などで1つのサービスを数字を見ながら育てたいという志向を、志望先の事業に結びます。

会員制のECサービスである〇〇の、集客から購入までのWeb体験を
数字を見ながら改善し続けたいと思い、貴社を志望しました。
現職のWeb制作会社では5年間で約40件のサイト制作を担当し、
うち3件では公開後の運用も受託して、アクセス解析をもとに
ランディングページのA/Bテストを月2回のペースで回しています。
改善を重ねるほど成果が積み上がる経験から、1つのサービスに
腰を据えて向き合える事業会社で働きたいと考えるようになりました。
貴社の求人にあるA/Bテストの設計と検証は、現職で最も時間を使ってきた仕事です。
入社後はランディングページと購入導線の改善から始め、
将来的には会員向けの画面全体の体験設計に関わるつもりです。

制作件数とテストの頻度で経験の量を示し、なぜ事業会社なのかを、自分の経験から出てきた理由として書きました。

グラフィックデザイナーがUIデザインへ仕事の範囲を広げる例文

グラフィックや広告のデザイナーがUIデザインへ範囲を広げるときは、UIの経験が少ないことを隠さず、ビジュアル設計やブランドの経験がプロダクトのどこに活かせるかと、すでに始めている実務の範囲を示します。

個人向けアプリ〇〇で、ブランドの世界観と画面の体験をそろえる仕事に
携わりたく、貴社を志望しました。
現職の広告制作会社では6年間、飲料や化粧品のキャンペーンで
キービジュアルとWeb広告のデザインを担当してきました。
ブランドのトーン&マナーをガイドラインにまとめ、
社内外の制作者と共有する役割も担っています。
ここ1年は社内のアプリ案件でFigmaを使ったUIデザインにも関わり、
コンポーネントの作成と画面の改修を担当しています。
カジュアル面談で、貴社がブランドの刷新にあわせてアプリの
デザインシステムを整えている段階だと伺い、ガイドラインづくりの
経験を活かせると考えました。入社後はビジュアル面の整備から関わり、
UIの設計手法をチームで学びながら担当範囲を広げていきます。

UIの実務経験が少ないことを前提に、ブランドのガイドラインづくりという重なる経験を接点に選んだ例です。カジュアル面談や企業の発信で得た情報を根拠に書くと、企業研究の深さも伝わります。

デザインリードやマネージャーを目指す例文

リードやマネージャーのポジションに応募するときは、自分のデザインの成果に加えて、チームの仕事の進め方をどう変えたかを書きます。採用する側が見るのは、個人の制作力に加えて、他のデザイナーや他職種と成果を出す仕組みを作れるかどうかです。

〇〇事業のデザインチームをまとめ、事業の成長に合わせて
デザインの進め方を整える立場で貢献したく、志望しました。
現職ではSaaSのプロダクトデザイナーとして3年間働き、
直近の1年半はデザイナー4名のリードとして、デザインレビューの
仕組みとデザインシステムの運用ルールを作りました。
その結果、エンジニアからの仕様の問い合わせが減り、
新しい機能の画面設計にかかる期間も短くなっています。
貴社の求人にある、PdMやエンジニアと仕様を議論して
合意をつくる役割は、現職で最も力を入れてきた仕事です。
入社後は既存のデザインの進め方を理解したうえで、
採用や育成も含めて、チームが自分たちで判断して動ける体制を作ります。

個人の成果に加えて、仕組みを作った結果としてチームの何が変わったかを書いた例です。

面接では志望動機の1分の要約と深掘りへの答えを用意する

面接で志望動機を聞かれたら、書類の文章を読み上げるのではなく、結論・経験・接点を1分前後にまとめて話し、深掘りの質問に答えられる具体例を手元に用意しておきます。面接官は書類を読んだうえで、書いてある経験が本当に本人のものか、志望先の仕事を理解しているかを、質問で確かめます。

デザイナーの面接で志望動機に続いて聞かれやすいのは、次のような質問です。

  • その案件で、あなたが担当した範囲はどこまでですか
  • エンジニアやPdMと意見が分かれたとき、どう合意しましたか
  • 当社のプロダクトを使ってみて、気になった点はありますか
  • 他の会社ではなく当社を選ぶ理由は何ですか

答えは、担当範囲を自分の言葉で説明できる案件を1〜2件決めておき、そこから話すと一貫します。デザイナーの面接全体の準備は「デザイナーの転職面接のポイント」も参考にしてください。

ポートフォリオの作品と志望動機の経験をそろえる

志望動機で挙げた経験は、ポートフォリオの作品と同じ案件を選び、作品の説明に担当範囲と進め方を書いておくと、面接で話がつながります。面接官はポートフォリオを見ながら質問することが多く、志望動機で触れた案件が作品として見られると、経験の具体性が伝わります。

ポートフォリオの中身と、求人がどこを見るかは「ポートフォリオとは|IT職の転職で求人が見る中身」にまとめました。Offers にプロフィールと経歴を登録しておくと、エンジニア・デザイナー・PdM を募集する企業からスカウトが届き、カジュアル面談で志望先の話を聞くところから転職を進められます。

志望動機で避けたい書き方は6つある

志望動機で避けたいのは、どの会社にも出せる抽象的な言葉、前職への不満、条件だけの理由、「学びたい」で終わる受け身の姿勢、デザインの好みの押し付け、求人と関係の薄い経験の羅列の6つです。いずれも、採用担当者があなたを選ぶ理由を読み取れなくなる点で共通しています。

避けたい書き方

例

直し方

抽象的な言葉

貴社の洗練されたデザインに惹かれました

どのプロダクトのどの画面や体験に、なぜ惹かれたかを書く

前職への不満

今の会社は評価の基準があいまいで

不満を「〜できる環境を選びたい」に言い換え、1文に収める

条件だけの理由

リモートワークができるため

条件は面談や面接の条件確認で聞き、志望動機は仕事の中身で書く

学びたいで終わる

貴社で多くを学びたい

学んだ先で何を担いたいかまで書く

デザインの好みの押し付け

自分の作風を活かしたい

強みを、解ける課題の言葉で書く

求人と関係の薄い経験の羅列

経験した案件を全部並べる

求人の条件に重なる1〜2件に絞る

どの会社にも出せる文章かどうかは、社名とプロダクト名を別の会社のものに入れ替えても文章が成り立つかで確かめられます。入れ替えても成り立つなら、志望先との接点がまだ書けていません。

転職理由が不満でも志望動機は次にしたいことの形で書ける

転職を考えたきっかけが前職への不満でも、志望動機は「その不満が解消できる仕事を選んだ」という、次にしたいことの形で書けます。不満を持って転職すること自体は珍しくなく、問われるのは言い換え方です。

厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」(2025年10月1日時点)の個人調査では、自己都合で前の勤め先を辞めた理由(3つまでの複数回答)の上位は、「賃金が低かったから」25.5%、「会社の将来に不安を感じたから」25.2%、「満足のいく仕事内容でなかったから」24.7%でした。どの理由も、裏返せば次の会社に求めるものを表したものです。

「満足のいく仕事内容でなかった」なら「公開後の改善まで担える仕事を選びたい」、「会社の将来に不安を感じた」なら「事業の成長に合わせてデザインの役割を広げられる会社で働きたい」のように、次の会社で何をしたいかに置き換えます。年収を上げたい気持ちがあっても志望動機の中心には置かず、条件は面談や面接の条件確認の場で確かめます。

デザイナーの志望動機の要点

デザイナーの志望動機は、自分の経験が志望先のどの課題に役立つかを、結論・経験・企業との接点・入社後の展望の順に書く文章です。デザイナーを含む専門職の中途採用では採用理由の上位が経験と専門知識で占められるため、経験の活かし方と、その会社を選ぶ理由のつながりを中心に書きます。

  • 専門的・技術的な仕事で転職者を採用した事業所の採用理由は「経験を活かし即戦力になるから」が64.1%で最も多い(厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」・2025年10月1日時点)。志望動機の中心は経験の活かし方に置く
  • Offers のデザイナー職の求人では、選考ステップを記載した122件の68.0%がカジュアル面談を最初に置く(Offers(株式会社overflow)調べ・n=122・2026年10月集計)。面談で聞いた話を材料に、選考に向けて志望動機を固める
  • 志望先との接点は求人票の必須条件・歓迎条件から拾い、経験は担当範囲・進め方・結果の3点で書く
  • 例文の〇〇は自分の経験と志望先の求人の言葉に置き換え、前職への不満は次の会社でしたいことに言い換える