プラグインとは
パソコンを利用しインターネットを閲覧していると、時々『プラグイン』という言葉を目にすることがあります。プラグインとは、ソフトウェアに機能を追加し拡張するためのプログラムのことです。
プラグインは、主にインターネットブラウザやCMSなどで利用されます。ここでは、プラグインの意味やその使い方、実際プラグインを利用する際の動作イメージなど、プラグインに関する知識を詳しく解説します。
プラグインの意味
プラグインは元来、プラグを差し込む差込口の意味を有します。プラグインをソフトウェアに追加することで、新たなプログラムを『差込み』、いっそう便利になるような新たな機能を追加するのです。
プラグインは、もともとあった機能にさらに別の機能を加えて、元の性能をより良くするという意味があります。
プラグインの使い方
プラグインは単体で働くことができません。特定のソフトウェアに追加することで、追加先のソフトウェアと共に動くプログラムです。
プラグインは、特定の機能を加えることで従来ソフトウェアが持っている機能をさらに広げて、全体の作業効率を上げるために使うことが多いです。『拡張機能』と呼ばれることも多く、元々の機能を拡張するためにプラグインが使われます。
プラグインの動作イメージ
多くのプログラムには、メインのルーチンプログラムと、状況に応じて呼び出す複数のサブルーチンプログラムがあります。
プラグインの動作のイメージもこれと同じで、メインのソフトウェアの状況に応じて各種プラグインが呼び出され、その役割を果たすのです。
プラグインの主な種類
プラグインには様々な種類があり、それらのプラグインを作動させるメインのソフトウェアによっていくつかのカテゴリーに分けられています。プラグインと一言で言っても、その具体的な内容は多岐に渡るのです。
ここでは『ブラウザ』と『CMS』の2つのソフトウェアに焦点を絞り、利用されるプラグインの主な役割について紹介します。
ブラウザのプラグイン
我々が普段パソコンを使う際、頻繁に利用するアプリケーションであるブラウザにも豊富なプラグインが用意されています。
ブラウザには『Internet Explorer』や『Google Chrome』『Firefox』などがありますが、いずれのブラウザもプラグインを用意しており、使う側の用途に応じて簡単に追加や削除ができるのです。
インターネットをどのように活用するのか、そのやり方は人それぞれです。それぞれの方法にあった最適なブラウザの利用環境を整える手段として、プラグインが用意されています。
CMSのプラグイン
CMSとは、『コンテンツマネジメントシステム』の略です。通常Webサイトを作成する際に必要とされるHTMLやCSSといった専門的な知識を必要とせずに。簡単にサイト構築をすることができる便利なプログラムです。
CMSの代表的なものとして『WordPress』(ワードプレス)があります。WordPressにも多くの便利なプラグインが用意されており、そのほとんどが無料で利用可能です。
Webページのプラグイン
インターネットブラウザで閲覧することができるWebページにも、プラグインを追加することが可能です。Webサイトを閲覧している際、プラグインの追加の案内がポップアップ表示されるのを見たことがあるかと思います。
一例として、Webページ上で音楽や動画を閲覧することができるプラグインや、ゲームを楽しむことができるプラグイン、様々な資料をPDF形式で開くことができるプラグインがあります。
ここでは具体的なWebページのプラグインを3つ紹介します。
Windows Media Player
Windows Media Playerは、マイクロソフト社が提供しているプラグインです。『アドオン』とも呼ばれ、音楽や動画をWEBページ上に表示するために使用されています。
Adobe Flash Player
Adobe社が提供するプラグインの代表的なものとして、Adobe Flash Playerがあげられます。Adobe Flash Playerは、動画や音声を組み込んだ表現力豊かなWebサイトを作成する機能を持っています。
残念ながらAdobe社は、このAdobe Flash Playerのサポートを2020年で終了すると発表しています。近年は他に有能なサービスがいくつもリリースされていることから、Adobe Flash Playerの利用価値が以前より低くなっているのです。
Adobe Acrobat Reader
Adobe Acrobat Readerも、Adobe社が提供しているプラグインです。PDFはソフトウェアやハードウェア、OSに関係なく文章を閲覧することができますが、その機能を最大限活用できる便利なプラグインが、Adobe Acrobat Readerなのです。
プラグインのメリット
ここまで、ブラウザやCMS、Webページにおけるプラグインについてお伝えしてきました。ソフトウェアの機能を高める拡張機能としての役割を持つプラグインですが、利用することで多くのメリットがあります。
ここではプラグインの具体的な2つのメリットについて紹介していきます。
簡単に利用できる
ブラウザやCMSにおいて、利用できるプラグインは無数に存在します。その多くが無料であることから、誰でも簡単にプラグインを利用できるというメリットがあるのです。
無料で利用できるからといって性能が低いということはありません。機能性が高くて使いやすいプラグインがたくさんあります。評価が高いプラグインはインターネット上ですぐに口コミが広がるので、もしプラグインを利用する際は、インターネット上のおすすめ記事などを参考にして選んでみるとよいでしょう。
第三者が作成できる
プラグインの多くは、プラグインを入れるソフトウェアの開発者以外の第三者が開発したものです。
たとえばブラウザのGoogle Chromeについては、Googleそのものが開発したプラグインもありますが、それよりも、第三者が開発したものが多いです。
CMSのWordPressについても、利用できるプラグインのほとんどは、WordPressの開発者ではなく、第三者が開発したものです。
それらは第三者が勝手に開発したというわけではなく、申請を通って正式に登録されたプラグインですから、安心して利用できます。
このように第三者が開発できる体制が整っていることで、世界中の多くの優秀なプログラマーたちが、便利なプラグインを次々に開発できます。
プラグインは、ソフトウェアの機能を高めるために、大勢の力を借りられるというメリットがあるのです。
プラグインのデメリット
プラグインは様々な機能を持つ便利なソフトウェアですが、メリットだけでなくデメリットも有しています。簡単に利用できるからこそ、事前にデメリットも心得た上で利用するべきなのです。
ここでは、プラグインの持つデメリットについて具体的に解説します。
動作が重くなる場合も
プラグインは、その動作のためにメモリを消費することなどから、ソフトウェアの動作が重くなる場合があります。特にWordPressのプラグインは、その種類によっては動作が重くなるだけでなく、Webページの表示が遅くなることもあるのです。
便利な機能を追加できるというメリットだけでなく、動作の重さについても考慮したうえでプラグインを使うかどうかを判断する必要があります。
SEOへの影響
前述のとおり、プラグインを導入することでWebサイトの表示速度が遅くなることが考えられます。サイトの動きが遅くなると、離脱する人が増える可能性があるので注意が必要です。
検索エンジン運営するGoogleも、Webサイトの表示速度が、そのサイトのSEOに影響することを指摘しています。表示速度への影響に注意しながらプラグインを選択しましょう。
Chromeのおすすめプラグイン
Google Chromeにはたくさんのプラグインが用意されており、ChromeのWebストアから簡単に追加することができます。
Chromeの拡張機能を用途に応じて追加することで、仕事の作業効率を大幅にあげることが可能です。おすすめのプラグインはいくつもありますが、今回はその中でも4つのプラグインに絞って紹介します。
日程調整やメールチェックに便利なNotia
NotiaはGoogleカレンダーとGmailを連携し、メール上での日程調整を簡単にしてくれるプラグインです。
通常、メールの中で日程を書き込む作業は、面倒であり負担が伴うものです。Notiaを活用することで簡単に日程の候補をメールに自動生成してくれることから、作業効率をあげることができるのです。
分析に役立つDatanyze
Datanyzeは、Webサイトの中に埋め込まれているタグを読み込む機能があるプラグインです。タグを読み込むことで、そのWebサイト内に導入されているツールを知ることができるのです。
Webサイト内にどのようなツールが導入されているのかを知ることで、そのサイトの目的を把握することができます。
自社のサイトであればサイト運営の参考にすることができますし、競合サイトであればそのサイトを分析して今後の対応策を練ることができるのです。
EvernoteユーザーにおすすめのEvernote Web Clipper
Webクリッパーを使うことにより、Webページの情報をそのままEvernoteに保存することができます。
一度保存された情報はインターネットがつながっていないオフラインの状態でも閲覧することができます。さらにEvernoteにアクセスすれば、どんな端末でもWebクリッパーにアクセスすることが可能となるのです。
Webページをどんどん保存することで、作業時間が短縮し、スピーディーに業務を進めることができます。
SEOの把握ならMozBar
Mozbarは、アメリカの有名なSEO会社であるMoz社が開発したプラグインです。このプラグインを導入することで、指定したWebサイトのページの権威性やドメインの権威性を判定することができます。
ページやドメインの権威性をチェックすることで、自社のWebサイトの課題を浮き彫りにすることができます。また、ライバル会社のWebサイトの動向を把握できることから、競合対策にも役立つ有能なプラグインなのです
WordPressのおすすめプラグイン
WordPressにも、無料で活用できる便利なプラグインがいくつも用意されています。
オープンプラットフォームであることから常にプラグインの改善がなされており、今やWebサイトの運営にとって欠かせないツールとなっています。
便利なプラグインは無数にありますが、ここでは、多くのWebサイト運営者が導入している、利便性の高いプラグインを4つ紹介します。
サイトマップ自動生成のGoogle XML Sitemaps
Google XML Sitemaps は、インストールすれば自動的にXMLサイトマップの作成や更新、検索エンジンへの通知をしてくれる便利なプラグインです。
Webサイトの中のURLを記述するxml形式のファイルは、Googleなどの検索エンジンがサイト内のURLを集める手掛かりとなります。つまりXMLサイトマップの設置は、クローラビリティの改善につながるのです。
クローラビリティを改善することは、必要なコンテンツを正しく検索エンジンが発見できるようになることに直結します。Google XML Sitemapsを設置することは、WebサイトのSEOに有効なのです。
画像圧縮ならEWWW Image Optimizer
サイトの表示速度を決める一つの要因として、画像ファイルのサイズの大きさがあります。画像ファイルが大きければサイトの表示は遅くなりますし、画像ファイルが小さければサイトの表示は速くなるのです。
通常画像ファイルを小さくすると画質が劣化して使えなくなる場合が多いのですが、EWWW Image Optimizerを活用すれば、画像のファイルサイズを小さくしても画質を劣化させることなくファイルのサイズを圧縮できるので、とても便利です。
多くの画像を埋め込んでいるWebサイトを運営するのであれば、EWWW Image Optimizerは必須のプラグインと言えるでしょう。
人気記事表示が簡単なWordPress Popular Posts
WordPress Popular Postsというプラグインは、Webサイト内にある記事の中で多く読まれている記事を、ランキング形式で一覧表示できる機能を持っています。
人気のある記事をWebサイトの中に順番に表示することで、サイト利用者の利便性を高める効果があります。使い勝手のよいサイトであれば、ユーザーはそこにとどまる時間が長くなり、定期的に訪れてくれるようになるのです。
問い合わせフォーム設置ならContact Form 7
Contact Form 7は、ブログやホームページに問い合わせフォームを簡単に設置できWordPressのプラグインです。
ブログやホームページをビジネスでとして運用しているのであれば、見込み顧客とつながることができる問い合わせフォームをサイト内に設置することは必須と言えます。
Contact Form 7を活用すれば素早く簡単に導入できるので、WordPressでWebサイトを作成しているのであれば、ぜひこのプラグインを導入して顧客の満足度を高めることをおすすめします。
まとめ
インターネット関連ソフトウェアの開発現場では、日々新しいサービスが生まれています。不要なものは淘汰されながらも、すでにあるサービスは常に改良が繰り返されており、利便性は向上し続けています。
プラグインの開発も同様に改良や改善が繰り返され、その機能は進歩しています。それらの機能を上手に活用することで、業務を効率的に進めることが可能になるのです。
メリットもデメリットもあるプラグインですが、使い方次第では作業過程や業務効率を理想的な方向に導くことも可能です。プラグイン特徴を十分把握して、業務や作業の場面にあった活用をすることをおすすめします。