ブロックチェーンエンジニアの年収を調べると、幅の広い相場や海外の給与の話がいくつも見つかります。ただ、公的統計の職種区分にブロックチェーンエンジニアという名前は無く、自分の仕事にどの区分を当てるかで、比べる相手が変わります。

厚生労働省の最新の賃金構造基本統計調査から、ブロックチェーン開発の仕事が重なる2つの職種区分を読み、年齢と企業規模でどう変わるかを確かめました。

あわせて、Offers に掲載されたブロックチェーン・Web3 関連の正社員求人が提示する年収の下限と上限を数えました。今の年収が相場のどこにあるかを確かめる材料にしてください。

近い2つの職種区分の年収換算は578万〜889万円

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」で、ブロックチェーン開発の仕事が重なる2つの職種区分の年収換算は、ソフトウェア作成者が約578.5万円、システムコンサルタント・設計者が約889.0万円です(企業規模10人以上・男女計を Offers Magazine 編集部が年収換算)。

スマートコントラクトやウォレット、ノードまわりの実装が中心の人はソフトウェア作成者の水準に、チェーンの選定やシステム全体の構成を企画する立場の人はシステムコンサルタント・設計者が、比べる相手の目安です。

職種区分

平均年齢

毎月の給与

年間賞与など

年収換算

ソフトウェア作成者

37.1歳

39.08万円

109.51万円

578.5万円

システムコンサルタント・設計者

38.3歳

54.21万円

238.52万円

889.0万円

出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第1表」(企業規模計・男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。

年収換算は、毎月の給与(きまって支給する現金給与額)の12か月分に年間賞与などを足した概算です。

2つの区分の差は310.5万円ありました。平均年齢の差は1.2歳なので、差の多くは年齢より、担う仕事の範囲の違いを映した数字です。

ブロックチェーン開発の仕事が重なる2つの職種区分

厚生労働省「賃金構造基本統計調査 職種一覧と解説」でブロックチェーン開発に近い区分は、ソフトウェアの仕様決定・設計・プログラミングを担うソフトウェア作成者と、システムコンサルタントやシステムアナリストを含むシステムコンサルタント・設計者の2つです。

ソフトウェア作成者の解説は、主としてシステム全体の構成を企画する仕事をシステムコンサルタント・設計者の側に分けています。

職種区分

含まれる職種の例

ブロックチェーン開発で近い仕事

ソフトウェア作成者

テクニカルスペシャリスト、プログラマー、社内システムエンジニア

スマートコントラクト・ウォレット・バックエンドの設計と実装

システムコンサルタント・設計者

システムコンサルタント、システムアナリスト、情報処理プロジェクトマネージャ

チェーンの選定、既存システムとの連携を含む全体構成の企画

実際のブロックチェーンエンジニアは、コントラクトを書きながら、どのチェーンにどう載せるかの設計にも関わることが多い職種です。自分の仕事が実装寄りか、全体構成の企画寄りかで当てはまる統計の水準を選ぶと、相場を読み違えにくくなります。

企業規模で見る2つの区分の年収換算

同じ統計を企業規模別に年収換算すると、1,000人以上の企業ではソフトウェア作成者が約640.9万円、システムコンサルタント・設計者が約1,010.4万円で、どちらの区分も企業規模が大きいほど高い結果でした。

企業規模

ソフトウェア作成者

システムコンサルタント・設計者

1,000人以上

640.9万円

1,010.4万円

100〜999人

555.0万円

854.3万円

10〜99人

518.2万円

585.1万円

出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第1表」(男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。

システムコンサルタント・設計者では、10〜99人の企業と1,000人以上の企業で年収換算が400万円以上離れています。勤め先の規模でこれだけ動くため、転職先を比べるときは職種名より先に企業規模と賞与の扱いを確かめるのが、提示年収の差の理由を読み取る近道です。

年齢で見る2区分の年収換算

令和7年賃金構造基本統計調査の年齢階級別の値を編集部が年収換算すると、35〜39歳ではソフトウェア作成者が約636.0万円、システムコンサルタント・設計者が約968.1万円で、40代になると後者は1,000万円を超える水準でした。

年齢

ソフトウェア作成者

システムコンサルタント・設計者

25〜29歳

484.7万円

641.6万円

30〜34歳

559.5万円

866.1万円

35〜39歳

636.0万円

968.1万円

40〜44歳

686.3万円

1,189.0万円

45〜49歳

729.2万円

1,226.3万円

出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第5表」(企業規模計・男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。

ソフトウェア作成者は年齢とともに緩やかに上がり、45〜49歳でも700万円台にとどまります。

一方、システムコンサルタント・設計者は30代前半で800万円台に入り、年齢による伸び幅も大きい区分です。実装の経験を積んだあと、システム全体の構成を決める役割へ広げられるかが、年収の伸び方を分けると考えられます。

ブロックチェーン求人の年収帯は中央値480万〜1,000万円

Offers に掲載された、題名にブロックチェーン・Web3・NFT(非代替性トークン)の語を掲げる正社員求人26件の提示年収は、下限の中央値が480万円、上限の中央値が1,000万円でした(Offers(株式会社overflow)調べ・題名にブロックチェーン・Web3・NFTの語を掲げ年収の下限と上限を記載した正社員求人 n=26・2023年12月〜2026年3月公開)。

上限が800万円以上の求人は26件中23件、1,000万円以上の求人は16件です。

ブロックチェーンエンジニアの正社員求人は、Offers Jobs のブロックチェーンの求人一覧で探せます。求人一覧のカードには各求人の年収・雇用形態・勤務地が出るので、会員登録なしで年収帯を見比べられます。リンク先の一覧は、本文で集計した26件とは対象の異なる求人の並びです。

年収の階級

下限がこの階級の求人

上限がこの階級の求人

400万円未満

2件

0件

400万〜599万円

20件

0件

600万〜799万円

2件

3件

800万〜999万円

2件

7件

1,000万〜1,199万円

0件

14件

1,200万円以上

0件

2件

下限は400万〜599万円の階級に集まり、上限は1,000万〜1,199万円の階級が最も多い形です。求人の下限の中央値480万円は、統計のソフトウェア作成者の年収換算578.5万円を下回ります。

一方で上限の中央値1,000万円は、統計のシステムコンサルタント・設計者の年収換算889.0万円も上回る水準です。下限から上限までの幅が広く、経験の深さや担う範囲に応じて上限側まで提示できるように組まれた求人が多いと読めます。

比較として、Offers の正社員求人全体で年収を記載した3,289件では、下限の中央値が540万円、上限の中央値が970万円でした。今回集計した26件は、3,289件と比べて下限と上限の中央値の開きが大きい結果でした。

ブロックチェーンエンジニアの年収に差が出る2つの条件

統計の数字から読める年収の差の出どころは、担う仕事の範囲と勤め先の企業規模の2つです。

担う仕事の範囲では、統計のソフトウェア作成者とシステムコンサルタント・設計者で年収換算が310.5万円離れていました。企業規模では、どちらの区分も1,000人以上の企業が最も高い結果でした。

2つのうち、転職で自分から動かしやすいのは企業規模です。担う仕事の範囲は、今の経験の延長で決まる部分が大きいためです。

Rust の求人の年収相場は「Rustエンジニアの年収」で、Rust を使う求人で求められるスキルは「Rustエンジニアの転職」で、年収1,000万円の求人に届く条件は「エンジニアの年収1000万円」で扱っています。

自分の年収を相場と比べる手順

自分の年収を相場と比べるときは、今の年収を毎月の給与の12か月分と賞与の合計に直し、仕事の範囲と年齢の近い統計の値と、求人の年収の下限・上限の両方に当てると位置が分かります。

  1. 源泉徴収票の支払金額か、毎月の給与の12か月分に賞与を足した額を出す
  2. 上の年齢別の表で、実装寄りならソフトウェア作成者、全体構成の企画寄りならシステムコンサルタント・設計者の値と比べる
  3. 求人の年収帯の表で、下限と上限のどの階級に自分の年収が入るかを見る

統計の値より高く、求人の下限の中央値480万円も上回っているなら、今の経験は求人の上限側の提示を狙える位置にあります。統計の値を下回るなら、同じ経験でも企業規模を変えることで提示額が変わる余地があります。

比べた結果を実際の求人で確かめたいときは、Offers Jobs のブロックチェーンの求人一覧で、自分の経験に近い求人の年収帯を見比べてください。