Datadogは、求人票の「開発環境」の欄でよく見かける監視ツールです。ただ、Datadogを使う会社の求人の多くは、Datadogを使った経験そのものを応募の条件にしてはいません。編集部の見立てでは、求人がDatadogを並べて書くのは、その会社がどんな環境でサービスを動かしているかを伝えるためで、選考で問われやすいのはその環境で何を監視し、障害にどう向き合ってきたかです。

Datadogの経験を持つ人が求人を比べるときに見るべきなのは、Datadogの名前の有無より、一緒に書かれている技術と任される範囲です。そこを読み分けると、今の経験がどの求人につながるかが見えてきます。

「Datadog 求人」で探せる2種類の求人

「Datadog 求人」で探せる求人は、Datadogを監視に使う事業会社やSaaS企業のエンジニア求人と、Datadogを提供するDatadog Japan合同会社自身の求人の2種類です。前者はバックエンド・SRE(Site Reliability Engineering)・インフラ・データ基盤の職種が中心で、後者は営業・技術支援・カスタマーサクセスなどの職種です。

Datadog Japan合同会社の募集の勤務地は東京が中心で、大阪勤務の営業職・セールスエンジニアの募集もあります(Datadog「Careers」・2026年10月1日閲覧)。

2026年9月30日に「Datadog 求人」で取得した上位のうち本文を読めた5ページでは、2ページがDatadogを使う会社の求人の一覧、1ページがDatadog Japan合同会社の社員の口コミでした(Offers Magazine 編集部調べ)。前半ではDatadogを使う会社の求人を集計で確かめ、後半でDatadog Japan合同会社の職種を扱います。

Datadogの概要とエンジニアが担う仕事

Datadogは、サーバーやコンテナなどの基盤、アプリケーション、ログ、セキュリティの情報を1か所に集めて監視するSaaSで、同社は自らをオブザーバビリティ(可観測性)とセキュリティのプラットフォームと説明しています(Datadog「About」・2026年9月30日閲覧)。Datadogを使う職場のエンジニアは、次のような仕事でDatadogに触れます。

仕事

中身

使う主な機能

指標の収集と可視化

サーバー・コンテナ・データベースの指標を集め、ダッシュボードにまとめる

Infrastructure Monitoring・Dashboards

アラートの設計

どの値がどこを超えたら誰に知らせるかを決め、誤報を減らす

Monitors

性能の調査

リクエストがどのサービスのどこで遅くなっているかを追う

APM・分散トレーシング

ログの調査

障害の前後のログを検索して原因を絞り込む

Log Management

信頼性の目標管理

サービスの目標値(SLO)を置き、達成の度合いを追う

Service Level Objectives

求人の職種名は「バックエンドエンジニア」「SRE」「プラットフォームエンジニア」などに分かれ、「Datadogエンジニア」という名前で募集されることはまれです。監視の設計や障害対応を中心に担う職種の年収は「SREの年収とキャリアパス」でも扱っています。

Offersの正社員求人でDatadogが出てくる割合

Offers に2022年3月〜2026年9月に掲載された正社員求人のうち、本文にDatadogが出てくる求人は5.4%(178件)で、監視ツールの中で最も多く、Sentryの4.6%、Amazon CloudWatchの1.9%、New Relicの1.5%を上回りました(Offers(株式会社overflow)調べ・正社員求人 n=3,308・2022年3月〜2026年9月公開)。2026年10月2日時点で公開中の940件に限ると、Datadogが出てくる求人は56件で6.0%でした。

監視ツール

本文に出てくる求人の割合

Datadog

5.4%

Sentry

4.6%

Amazon CloudWatch

1.9%

New Relic

1.5%

Mackerel

0.5%

Prometheus

0.4%

Grafana

0.3%

出所: Offers(株式会社overflow)調べ・正社員求人の本文に各ツール名を含む割合・n=3,308・2026年10月集計。

公開年ごとに見ると、Datadogが出てくる求人の割合は2023年の公開分が6.8%、2024年が2.7%、2025年が7.4%、2026年(9月30日まで)が7.1%でした(同調査)。2024年だけが低いのは、その年の公開分の半数以上を人材紹介会社のアカウントがまとめて載せた複数企業の求人が占め、そこにDatadogがほとんど出てこないためです。

このアカウントの掲載を除くと各年は5.8〜7.5%に収まり、年ごとにはっきりした増減は見られません。求人の本文に名前が出るかを数えたもので、各社が実際に使う監視ツールの割合を示すものではありません。

必須要件にDatadogを書く求人の割合

Datadogが本文に出てくる正社員求人178件のうち、必須要件の欄にDatadogの名前を書く求人は5件(2.8%)で、歓迎要件にだけ書く求人が15件(8.4%)、残りの158件(88.8%)は仕事内容や開発環境の欄にだけ書いていました(Offers(株式会社overflow)調べ・Datadogを含む正社員求人 n=178・2026年10月集計)。

Datadogの経験は、応募の条件というより「入社後に使う道具」として書かれているのが実態です。Datadogを触ったことが無くても、別の監視ツールで指標やアラートを設計した経験があれば、同じ求人の要件に届く余地があります。反対に、Datadogを使った経験だけを書いても求人の要件と結びつきにくく、何のために何を監視し、その結果何が変わったかまで伝える必要があります。

Datadogを含む求人の年収帯と職種の構成

Datadogが本文に出てくる正社員求人は、提示年収の下限の中央値が600万円、上限の中央値が1,080万円で、上限が1,000万円以上の求人が73.9%を占めました(Offers(株式会社overflow)調べ・年収記載のある正社員求人 n=3,257のうちDatadogを含む176件・2026年10月集計)。Datadogに触れない求人は下限の中央値が530万円、上限の中央値が960万円で、上限1,000万円以上は46.1%です。

区分

年収記載のある求人

下限の中央値

上限の中央値

上限が1,000万円以上

Datadogを含む

176件

600万円

1,080万円

73.9%

Datadogを含まない

3,081件

530万円

960万円

46.1%

全体

3,257件

540万円

970万円

47.6%

出所: Offers(株式会社overflow)調べ・年収の下限と上限を記載した正社員求人・n=3,257・2026年10月集計。

Datadogは利用量に応じて費用がかかる有料のSaaSで、導入している会社は監視に予算を割ける規模や段階にあることが多いと編集部は見ています。この差はDatadogの経験そのものへの評価というより、Datadogを使う会社の求人の年収帯が高めに置かれていることを示す値で、職種や経験年数の違いを除いた比較ではありません。

Datadogが出てくる求人178件を題名に書かれた職種名で分けると、バックエンド・フロントエンド・アプリなどの開発が74件(41.6%)で最も多く、プロダクトマネージャー(PM)・エンジニアリングマネージャー(EM)・テックリードなどのPM・EM・リード系が45件(25.3%)、インフラ・SRE系が34件(19.1%)と続き、データ・AI系は12件(6.7%)でした。Datadogはインフラ専任の職種に限らず、アプリケーションを作るエンジニアの求人にも多く書かれています。

職種の区分

題名で照合した職種名

件数

割合

開発

バックエンド・フロントエンド・アプリ・フルスタック・Webなどのエンジニア(下の4区分の職種名が題名に無い求人すべて)

74件

41.6%

PM・EM・リード系

プロダクトマネージャー・プロジェクトマネージャー(PM・PdM)、エンジニアリングマネージャー(EM)、テックリード・リードエンジニアなどリードが付く職種名、VPoE・CTO・開発責任者・マネージャー候補

45件

25.3%

インフラ・SRE系

SRE・インフラエンジニア・クラウドエンジニア・セキュリティエンジニア・プラットフォームエンジニア・DevOps

34件

19.1%

QA(品質保証)・デザイナー・サポートほか

QAエンジニア・デザイナー・テクニカルサポート・ヘルプデスク・CRE(顧客の技術的な問題を解決する職種)

13件

7.3%

データ・AI系

データエンジニア・データアナリスト・データサイエンティスト・機械学習エンジニア・MLエンジニア・MLOpsエンジニア・Analytics Engineer・AIエンジニア・LLMエンジニア

12件

6.7%

出所: Offers(株式会社overflow)調べ・Datadogを含む正社員求人 n=178・2026年10月集計。

職種と経験年数で絞り込んだ求人の年収帯は、Offers Jobsで確かめられます。

Datadogを含む求人に一緒に書かれる技術

Datadogが本文に出てくる正社員求人では、AWS(Amazon Web Services)が90.4%、TypeScriptが68.5%、CI(Continuous Integration・継続的インテグレーション)とCD(Continuous Delivery・継続的デリバリー)を指すCI/CDの語か、GitHub Actions・CircleCIの名前が68.0%、Dockerなどのコンテナ技術が59.6%、Terraformが52.2%の割合で一緒に書かれていました(Offers(株式会社overflow)調べ・Datadogを含む正社員求人 n=178・2026年10月集計)。

Datadogを書く求人のほとんど(97.8%)はAWSかGoogle Cloudの名前を挙げ、そのうえコンテナとTerraformまで並べる求人も76件(42.7%)と4割を超えます。

一緒に書かれる技術・条件

Datadogを含む求人に占める割合

AWS

90.4%

TypeScript

68.5%

CI/CD(GitHub Actions・CircleCI を含む)

68.0%

コンテナ(Docker・Amazon ECS など)

59.6%

Terraform

52.2%

Google Cloud(GCP)

50.6%

Python

44.4%

Sentry

38.2%

SRE という語

23.6%

生成AI(LLM など)

19.1%

Kubernetes

16.3%

オンコール・障害対応

14.6%

SLO・SLI

7.3%

出所: Offers(株式会社overflow)調べ・Datadogを含む正社員求人の本文に各語を含む割合・n=178・2026年10月集計。

AWSが9割を超える求人に並ぶことから、Datadogの経験を生かせる求人を探すときは、クラウドの経験と組み合わせて伝えるのが近道です。AWSの経験が求人でどう書かれ、どの年収帯につながるかは「AWS転職の求人と年収」にまとめています。Sentryが38.2%で並ぶのは、基盤の監視をDatadogで、アプリケーションのエラー通知をSentryで分けて使う職場があるためだと編集部は見ています。

Datadogの公式認定資格(2026年9月時点)

Datadogの公式の認定資格は、2026年9月30日時点で Datadog Fundamentals、Log Management Fundamentals、APM and Distributed Tracing Fundamentals(APM は Application Performance Monitoring の略)、Datadog Cloud SIEM for AWS Fundamentals(SIEM は Security Information and Event Management の略)、Datadog Database Monitoring Fundamentals の5つの試験があります(Datadog「Datadog Certification」・2026年9月30日閲覧)。

どの試験も90問の多肢選択式で、受験料は1回100米ドル、認定の有効期間は3年です。

試験

問う範囲

日本語での受験

Datadog Fundamentals

エージェントの設定・データの収集・基本的な障害の調査

できる

Log Management Fundamentals

ログの収集・解析・検索と、ログを使った調査

できない(英語のみ)

APM and Distributed Tracing Fundamentals

アプリケーションへの計測の組み込みとAPMでの調査

できる

Datadog Cloud SIEM for AWS Fundamentals

AWS環境でのセキュリティ情報の監視の設定と運用

公式ページに記載なし

Datadog Database Monitoring Fundamentals

データベース監視の設定と性能指標の分析

公式ページに記載なし

出所: Datadog「Datadog Certification」(2026年9月30日閲覧)。

Offers の正社員求人でDatadogの認定資格に触れる求人は、Datadogを含む178件のうち0件でした(Offers(株式会社overflow)調べ・2026年10月集計)。資格は応募の条件として求められるものではなく、Datadogの機能を体系立てて学ぶ道筋として使うのが現実的です。業務でDatadogに触れる範囲が狭い人は、日本語で受けられる Datadog Fundamentals で全体像を押さえ、担当に近いAPMやログの試験へ進む順番が考えられます。

Datadog Japan合同会社の職種と年収

Datadog Japan合同会社の東京オフィスは東京駅を望むオフィスビルにあり、営業、テクニカルサポートとソリューション、カスタマーサクセス、マーケティング、人事など、製品を市場に届ける機能を担うと同社の採用ページは説明しています(Datadog Careers「Tokyo」・2026年9月30日閲覧)。東京の募集は製品開発より、顧客への導入と活用を支える職種が中心です。

同社の年収について、社員の口コミサイト OpenWork では正社員13人の回答の平均年収が1,452万円、回答の幅は660万円〜2,400万円でした(OpenWork「Datadog Japan合同会社の社員クチコミ」・2026年9月30日閲覧)。回答は13人と少なく、表示された回答者は営業職が多いため、エンジニアの職種の年収をそのまま示す値ではありません。

Datadogを使う側で監視の設計や導入を担ってきたエンジニアは、顧客の環境にDatadogを導入して使いこなしてもらう技術支援の職種で経験を生かしやすいと編集部は見ています。

Datadog Careers に載る日本勤務の求人42件(英語版と日本語版の重複を含む)のうち、英語力を要件に明記していたのは8件で、カスタマーサクセス、テクニカルサポート、Field CTO(顧客向けの技術責任者)の職種でした(Datadog「Careers」・2026年10月1日閲覧)。語学の条件は職種ごとに違うため、応募の前に各求人の要件で確かめてください。

Datadogの経験を転職で伝える方法

Datadogの経験を転職で伝えるときは、Datadogを使ったという事実より、何を監視の対象に選び、アラートをどう設計し、その結果として障害の検知や復旧がどう変わったかを具体的に書くことが要になります。先に見たとおり、Datadogを必須要件に書く求人は2.8%にとどまり、多くの求人はDatadogを開発環境の一部として書いています(Offers(株式会社overflow)調べ・Datadogを含む正社員求人 n=178・2026年10月集計)。

伝える内容

書き方の例

監視の対象と規模

監視したサービスの数・ホストやコンテナの数・1日のリクエスト数

アラートの設計

何を基準に閾値を決め、誤報や見逃しをどれだけ減らしたか

障害対応の変化

検知から復旧までの時間がどう変わったか・オンコールの体制づくり

信頼性の目標

SLOを置いたサービスと、その値を開発の優先順位にどう使ったか

費用の管理

取り込むログや指標を絞り、監視の費用をどう抑えたか

職務経歴書の書き方は「エンジニアの職務経歴書の書き方」、提示された年収の詰め方は「転職時の給与交渉のタイミングとプロセス」にまとめています。監視の仕組みを自分で設計してきた経験は、Datadog以外のツールを使う職場でもそのまま評価の材料になるため、ツール名に絞らず求人を比べてください。