Angular エンジニアの年収は、Angular だけを集計した公的統計が無いため、近い職種の平均年収と、実際の正社員求人が示す年収の幅を組み合わせて見るのが確実です。Offers に掲載された正社員求人のうち、スキル情報に Angular を挙げる求人の年収帯を、求人全体や React・Vue.js を挙げる求人と並べて確かめました。

あわせて、Angular を挙げる求人がほかにどんな技術を求めているか、Angular 公式のリリースとサポートの方針が転職市場で何を意味するかも、求人データと公式の文書をもとに整理しています。TypeScript と Angular で積んだフロントエンド開発の経験を、転職でどう年収につなげるかを考える材料にしてください。

Angular求人の年収上限は中央値で900万円

Offers に2026年9月までに公開された正社員求人のうち、スキル情報に「Angular」がある求人の提示年収は、下限の中央値が540万円、上限の中央値が900万円でした(Offers(株式会社overflow)調べ・n=146・2026年10月集計)。上限を低い順に並べると、4分の1の位置が705万円、4分の3の位置が1,000万円でした。

Angular エンジニアだけを分けた公的統計は無く、最も近い職種「ソフトウェア作成者」の平均年収は、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査を編集部が年収換算すると約578.5万円です。Angular を挙げる求人は、下限の中央値がこの平均をやや下回り、上限の中央値は平均を321.5万円上回ります。

求人の上限は企業が示す提示額の最高額で、統計の平均は実際に支払われた賃金で、両者は値の種類が違う点に注意が必要です。同じ求人の中でも経験や担う範囲で提示額が変わる幅が大きく、どの水準で採用されるかは職務経歴の示し方にも左右されます。

公的統計で近い「ソフトウェア作成者」の平均年収は578.5万円

TypeScript と Angular で Web アプリケーションを開発する職種に最も近い公的統計の区分は「ソフトウェア作成者」で、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」での平均年収は約578.5万円です。毎月の給与(きまって支給する現金給与額)39.08万円の12か月分に、年間賞与など109.51万円を足した編集部の概算で、平均年齢は37.1歳でした(企業規模10人以上・男女計)。

企業規模

毎月の給与

年間賞与など

年収換算

企業規模計(10人以上)

39.08万円

109.51万円

578.5万円

1,000人以上

41.86万円

138.59万円

640.9万円

100〜999人

38.33万円

95.03万円

555.0万円

10〜99人

36.06万円

85.51万円

518.2万円

出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第1表」(2026年3月公表・職種「ソフトウェア作成者」・男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。

同じ職種でも、1,000人以上の企業は10〜99人の企業より年収換算で122.7万円高く、勤め先の規模で差が出ます。ただしソフトウェア作成者は、使う言語やフレームワークを問わず開発者をまとめた区分です。Angular エンジニアの年収そのものではないため、転職で狙える年収の目安には、後の節で見る求人の提示年収を合わせて使ってください。

ソフトウェア作成者の年収換算は40代後半で729.2万円

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第5表」(企業規模計・男女計)を編集部が年収換算すると、ソフトウェア作成者の年収は25〜29歳の484.7万円から年齢とともに上がり、45〜49歳では729.2万円でした。旧版の記事は経験年数別の年収レンジを載せていましたが、出典の無い数字だったため、公的統計の年齢階級別の値に置き換えています。

年齢

毎月の給与

年間賞与など

年収換算

25〜29歳

33.21万円

86.19万円

484.7万円

30〜34歳

38.45万円

98.12万円

559.5万円

35〜39歳

42.85万円

121.79万円

636.0万円

40〜44歳

45.03万円

145.93万円

686.3万円

45〜49歳

47.36万円

160.89万円

729.2万円

出所: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第5表」(2026年3月公表・職種「ソフトウェア作成者」・企業規模計・男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。

Angular を挙げる求人の上限の中央値(900万円)は、表のどの年齢階級の平均よりも高い水準です(求人の上限は提示額、表は実際に支払われた賃金の平均で、値の種類は異なります)。下限の中央値(540万円)は25〜29歳と30〜34歳の平均の間にあり、Angular を挙げる求人の提示年収は、20代後半の平均に近い水準から40代後半の平均を大きく上回る水準までにまたがっています。

Angularを挙げる求人は上限1,000万円以上が40.4%

年収の下限と上限を記載した正社員求人(2026年9月までに公開)のうち、スキル情報に「Angular」がある求人は、上限が1,000万円以上の求人が40.4%で、スキル情報を持つ求人全体の47.4%を7.0ポイント下回りました。上限の中央値は Angular を挙げる求人が900万円、全体が970万円で、差は70万円です。

Angular の挙げ方で分けると、必須・歓迎・技術スタックとして挙げる求人は上限の中央値900万円・1,000万円以上33.3%(n=93)、求人本文から抽出されただけの求人は1,000万円・52.8%(n=53)で、40.4%は抽出だけの求人に押し上げられた値です。

指標

Angular を挙げる求人(n=146)

React を挙げる求人(n=936)

Vue.js を挙げる求人(n=566)

スキル情報を持つ求人全体(n=2,912)

上限が800万円未満

28.8%

20.7%

28.1%

23.0%

上限が800〜999万円

30.8%

26.6%

31.4%

29.5%

上限が1,000〜1,199万円

23.3%

23.4%

20.5%

20.4%

上限が1,200万円以上

17.1%

29.3%

20.0%

27.1%

上限の中央値

900万円

1,000万円

900万円

970万円

下限の中央値

540万円

580万円

530万円

540万円

出所: Offers(株式会社overflow)調べ・正社員求人のうち年収の下限と上限を記載した求人・2026年10月集計。

フロントエンドのフレームワーク同士で比べると、Angular を挙げる求人の年収帯は Vue.js を挙げる求人とほぼ同じ形で、React を挙げる求人は上限1,200万円以上の帯が厚く、上限の中央値も100万円高い水準でした。

自分の経験で届く上限の求人を確かめるには、実際の求人の下限と上限を見比べるのが早道です。Offers Jobs では、会員登録なしで Angular や TypeScript を使う企業の正社員求人を探し、提示年収を確かめられます。

Angular求人の多くはReactとVue.jsも挙げる

Offers の正社員求人(2026年9月までに公開)でスキル情報に「Angular」がある152件は、React を93.4%、TypeScript を85.5%、Vue.js を82.2%の割合で同時に挙げていました(Offers(株式会社overflow)調べ・n=152・2026年10月集計)。Angular を挙げる求人は、スキル情報を持つ正社員求人2,959件の5.1%で、React を挙げる求人(952件)の6分の1ほどの件数です。

同時に挙げる技術

Angular を挙げる求人(n=152)

スキル情報を持つ求人全体(n=2,959)

React

93.4%

32.2%

TypeScript

85.5%

36.6%

Vue.js

82.2%

19.6%

JavaScript

77.0%

23.9%

Python

66.4%

30.8%

AWS

60.5%

54.3%

Java

56.6%

24.0%

出所: Offers(株式会社overflow)調べ・正社員求人のスキル情報に各技術がある求人の割合・2026年10月集計。

1件の求人が挙げる技術の数は、Angular を挙げる求人の中央値が17で、全体の9の約2倍でした。求人の本文には「React、Vue、Angular などのフロントエンドフレームワークを利用した開発経験」のように、Angular を主要なフレームワークの1つとして並べる書き方が多く見られます。どの割合も「その技術がスキル情報にある求人の割合」で、React と Vue.js と Angular のすべてを1人に求めているわけではありません。

Angularを必須にする求人は152件中27件

スキル情報に Angular を挙げる正社員求人152件のうち、Angular を必須条件に含む求人は27件で、71件は歓迎条件か技術スタックとして挙げ、54件は求人本文(開発環境や応募条件の文面など)から自動で抽出された技術として挙がっていました。本文から抽出された54件を読むと、多くは React や Vue.js と Angular を並べ、いずれかのフレームワークの経験を求める書き方です。

Angular の経験は、応募の足切りに使われるよりも、フロントエンドのフレームワークで実務を担ってきた人かを見る材料として扱われることが多いといえます。Angular の経験年数そのものより、コンポーネントの設計、RxJS を使った非同期処理や状態の管理、テストの整備など、フレームワークの上で何を設計して運用まで担ったかを職務経歴書で示せるかが、応募の幅を決める分かれ目です。

Angular 経験者が求人を探すときの進め方や、職務経歴書で示す経験の選び方は「Angularエンジニアの転職事情」でも扱っています。

Angularのリリースは年1回でサポートは24か月

Angular は v22 からメジャーバージョンを12か月ごとに出す周期に変わり、各メジャーバージョンは通常24か月(通常の更新12か月と、重大な修正とセキュリティ修正だけの長期サポート12か月)サポートされます(Angular 公式ドキュメント「Versioning and releases」)。v22 より前は6か月ごとのメジャーリリースでした。2026年10月時点でサポートされているのは v22・v21・v20 の3つで、v2〜v19 はサポートを終えています。

バージョン

2026年10月時点の状態

長期サポートの終了

v22(2026年6月3日リリース)

通常の更新を提供中(2027年6月まで)

2028年6月

v21(2025年11月19日リリース)

長期サポート(重大な修正とセキュリティ修正だけ)

2027年6月

v20(2025年5月28日リリース)

長期サポート(重大な修正とセキュリティ修正だけ)

2026年11月28日

出所: Angular「Versioning and releases」Support policy and schedule(2026年10月5日確認)。

次のメジャーバージョン v23 は2027年6月ごろの予定です。v20 で動くサービスは2026年11月28日に長期サポートが終わるため、v21 以降への更新が必要になります。なお AngularJS は Angular の v1.x 系の名前で、v2 以降の Angular とは別の世代です。

開発者の利用率はReactが46.9%でAngularが19.8%

Stack Overflow の「2025 Developer Survey」で、仕事として開発する回答者が過去1年に本格的に使った Web フレームワークは、React が46.9%、Angular が19.8%、Vue.js が18.4%でした(Stack Overflow「2025 Developer Survey」・回答19,460人)。

世界の開発者の数字で日本の求人数とは一致しませんが、フロントエンドのフレームワークの中では React(46.9%)が大きく先行し、Angular(19.8%)は Vue.js(18.4%)と同じくらいの規模で使われています。

Offers の正社員求人でも、Angular を挙げる求人(152件)は React を挙げる求人(952件)より少なく、Vue.js を挙げる求人(579件)よりも少ない件数でした。Angular の経験を土台に React や Vue.js にも経験を広げておくと、応募できる求人の数が大きく変わります。React の求人の年収は「Reactエンジニアの年収」で扱っています。

Angularエンジニアが転職で年収を上げる方法

Angular の経験を転職で年収につなげるには、React と TypeScript も扱える経験を示す、テックリードや PM(プロジェクトやプロダクトのマネージャー)などの役割を担う、バージョンアップと移行の経験を成果として示す、の3つが現実的です。

Angular を挙げる求人の9割超が React も挙げており、Angular の経験だけで上限が決まる構造ではありません。3つの方向は、React を挙げる求人と Angular を挙げる求人の上限の比較、Angular を挙げる求人の中でタイトルの役割語の有無による上限の差、サポート期限に伴う需要から整理しました。

ReactとTypeScriptも扱える経験を職務経歴書で示す

React を挙げる正社員求人は、上限の中央値が1,000万円で、Angular を挙げる求人の900万円より100万円高い水準でした(Offers(株式会社overflow)調べ・React n=936・Angular n=146・2026年10月集計)。React を挙げる求人は952件で、Angular を挙げる求人(152件)の6倍ほどあるため、Angular だけで応募先を絞ると、React を中心にする上限の高い求人群まで届きにくくなります。

Angular は TypeScript を前提にしたフレームワークなので、型の設計やコンポーネントの分割の経験は React の開発にもそのまま活かせる経験です。職務経歴書では、Angular で作った画面の数より、どんな設計の判断をしたか、TypeScript の型でどんな不具合を防いだかを書くと、フレームワークを問わない経験として読まれます。React や TypeScript を身につければ提示年収が上がるとまでは言えませんが、応募できる求人の上限の幅は広がります。

テックリードやPMなどの役割を担い上限の高い求人を狙う

Angular を挙げる正社員求人のうち、タイトルに PM・テックリード・マネージャー・リーダー・リードなどの役割語を含む求人の提示年収は、中央値で下限630万円・上限1,000万円でした。役割語を含まない求人の下限500万円・上限850万円より、上限で150万円高い水準です(Offers(株式会社overflow)調べ・役割あり n=43・役割なし n=103・2026年10月集計)。

Angular を挙げて役割語を含む求人には、「大手証券会社での」と銘打った内製開発やシステム開発のリードの求人や、SaaS のエンジニアリングマネージャーの募集が並んでいました。チームの人数、担当したサービスの規模と期間、決めた設計の方針とその理由を具体的に書けると、役割を担う求人で評価の材料になります。

バージョンアップと移行の経験を成果として示す

サポート期限に伴う需要から見て、Angular の経験の中でも評価の材料にしやすいのは、古いバージョンから新しいバージョンへ移した経験です。求人の提示年収の差で裏付けた方向ではありませんが、v2〜v19 はすでにサポートを終え、v20 の長期サポートも2026年11月28日に終わるため、Angular で動くサービスを抱える企業が公式のサポートを受け続けるには、更新が必要です。

AngularJS から Angular への置き換え、メジャーバージョンの更新、スタンドアロンコンポーネントや Signals など新しい書き方への移行など、何を何へ移したかを具体的に書けるかが評価の分かれ目になります。

移行の前後で何が変わったかは、ビルドの時間、画面の表示速度、テストの自動化の範囲、保守にかかる工数などの数字で示すと伝わります。Angular の今後の見通しは「Angularの将来性」も参考にしてください。Offers Jobs では、Angular や TypeScript をキーワードに正社員求人を探し、必須条件と歓迎条件、提示年収をまとめて見比べられます。

Angularエンジニアの年収と求人データの要点

Angular エンジニアの年収は、公的統計で近い職種「ソフトウェア作成者」の平均が年収換算で約578.5万円(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」を編集部が換算)でした。Offers の正社員求人(2026年9月までに公開)でスキル情報に Angular がある求人の提示年収は、下限の中央値が540万円、上限の中央値が900万円です(Offers(株式会社overflow)調べ・n=146・2026年10月集計)。

上限1,000万円以上の求人の割合は、Angular を挙げる求人が40.4%で、求人全体の47.4%を下回り、Vue.js を挙げる求人とほぼ同じ水準でした(Offers(株式会社overflow)調べ・Angular n=146・全体 n=2,912)。Angular を必須にする求人は152件中27件にとどまり、多くの求人は React や Vue.js とあわせて Angular を挙げています。

Angular は v22 から年1回のメジャーリリースと24か月のサポートに切り替わり、既存のサービスを支える更新の需要は続きます。Angular の開発経験を土台に、React と TypeScript、テックリードや PM などの役割、バージョンアップと移行の実績へ経験を広げることが、上限の高い求人に届く近道になりやすいでしょう。