調査の概要と AI ツールの利用状況
Stack Overflow の「2026 Developer Survey」は、2026年6月23日〜8月5日に回答を集め、169か国の有効回答30,903件をまとめた開発者調査です(Methodology)。仕事で使っている AI ツールを尋ねた設問では、コーディングアシスタント・コーディングエージェントが65.9%、汎用のチャットツールが62.5%で、AI ツールを使っていないという回答は17.2%でした。
仕事で使っている AI ツール | 割合 |
|---|
コーディングアシスタント・コーディングエージェント | 65.9% |
汎用の AI チャットツール | 62.5% |
AI エージェント・自動化されたワークフロー | 26.2% |
自社で作った AI ツール | 17.8% |
AI ツールを使っていない | 17.2% |
出典:Stack Overflow「2026 Developer Survey」AI data(2026年10月6日公表・n=17,464・複数選択)
使う頻度も高く、AI を毎日使う回答者のうち30.9%は1日4時間以上使っています(AI data・n=10,926)。
コーディングアシスタントがチャットツールを上回ったことについて、Stack Overflow は AI が補助役から、開発者がすでに使っている道具に組み込まれた基盤へ移ったと説明しています。
AI の出力を信頼する条件は検証できるかどうか
AI ツールの出力をどこまで信頼するかを尋ねた設問で最も多かったのは「出力を簡単に検証できるときに信頼する」の48.0%で、重要な判断を含めて多くの作業で信頼するという回答は6.6%でした。開発者は AI を広く使いながら、任せる範囲を確かめられる作業に絞っています。
AI の出力への信頼 | 割合 |
|---|
出力を簡単に検証できるときに信頼する | 48.0% |
多くの作業で信頼するが、重要な判断は任せない | 16.3% |
リスクの低い作業だけ信頼する | 16.3% |
多くの作業で信頼しない | 12.3% |
重要な判断を含め、多くの作業で信頼する | 6.6% |
出典:Stack Overflow「2026 Developer Survey」AI data(2026年10月6日公表・n=14,304)
確かめ方も具体的です。開発の作業で AI の回答を受け取ったあと、使う前に何をするかを尋ねた設問(n=13,162・複数選択)では、手元で動かすが76.5%、コードベースの文脈と照らし合わせるが63.9%、テストやセキュリティへの影響を確かめるが53.0%でした。そのまま使うという回答は9.6%にとどまります。
AI が書いたコードを動かし、既存のコードと突き合わせ、テストで裏を取る作業では、レビューやテスト設計の経験がそのまま生きます。
よく使われるコーディングエージェントと任されている作業
過去1年に使ったコーディングエージェント・アシスタントを尋ねた設問では、Claude Code が65.5%、GitHub Copilot が58.7%で、OpenAI Codex の29.5%、Cursor の25.5%が続きました。上位2つが他を大きく引き離しています。
過去1年に使ったコーディングエージェント・アシスタント | 割合 |
|---|
Claude Code | 65.5% |
GitHub Copilot | 58.7% |
OpenAI Codex | 29.5% |
Cursor | 25.5% |
出典:Stack Overflow「2026 Developer Survey」AI data(2026年10月6日公表・n=12,255)
任されている作業は、答えを確かめやすい技術的な作業に集まっています。仕事で AI に任せている作業の上位は、慣れた領域のコード生成が69.3%、デバッグ・トラブルシュート・リファクタリングが63.8%、単純な技術的な質問への回答が59.4%、テストの作成と改善が58.1%でした(AI・n=12,547)。
一方で、メールなどのコミュニケーションや設計のように、人の意図をくみ取る作業では、役に立つとする回答が技術的な作業より少なくなっています。AI を避ける理由として最も多く挙がったのも、仕事のスキルを失うことや AI に置き換えられることへの懸念で、17.1%でした(同・n=13,857)。
Offers の求人に表れた AI コーディングツール
Offers に掲載された正社員求人のうち、求人の本文に Claude Code・Cursor・GitHub Copilot・Codex・Devin などの AI コーディングツールを開発で使うツールとして挙げる求人は、2025年公開の8.4%から、2026年公開(10月22日まで)の21.2%に増えました。
公開年 | AI コーディングツールの名前を挙げる求人の割合 |
|---|
2025年 | 8.4% |
2026年(10月22日まで) | 21.2% |
出典:Offers(株式会社overflow)調べ・正社員求人 n=1,224・2025年1月〜2026年10月22日公開
2026年公開の求人をツールごとに見ると、GitHub Copilot・Cursor・Claude Code の3つが12〜14%で並び、Codex と Devin が続く結果でした。
ツール(2026年公開の求人) | 名前が出る求人の割合 |
|---|
GitHub Copilot | 13.6% |
Cursor | 12.9% |
Claude Code | 12.0% |
Codex | 9.2% |
Devin | 7.4% |
出典:Offers(株式会社overflow)調べ・正社員求人 n=566・2026年1月〜10月22日公開
Stack Overflow の調査では Claude Code と GitHub Copilot が抜けていましたが、求人では上位3つの差が小さくなっています。求人では開発環境の一覧に複数のツールを並べて書く例が多く、ツールごとの差が出にくいためと考えられます。
名前が出る欄の多くは、開発環境・利用ツールの一覧や業務内容でした。会社が用意しているツールとして書く求人が中心で、必須条件や歓迎条件に AI コーディングツールの名前を挙げる求人は、2026年公開の5.5%です(Offers(株式会社overflow)調べ・正社員求人 n=566・2026年1月〜10月22日公開)。
必須条件に、AI エージェントを日常的に使ったうえで成果物を自ら検証できることを挙げる求人もあります。調査で見えた検証の重みと同じ方向を向いた書き方です。
Offers では、エンジニア・AI人材・PdM の正社員求人を探せます。開発で使う AI ツールや開発の進め方を、求人ごとに確かめてみてください。
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職場での AI の扱いは会社によって差がある
勤め先で AI ツールがどう扱われているかを尋ねた設問(n=13,167)では、「おおむね個人の任意」が29.7%で最も多く、「承認された AI ツールと使い方の指針を会社が用意している」は24.0%でした。個人やチームの評価で AI の使い方を測っているという回答は10.2%です(AI data)。
同じ AI ツールを使っていても、会社がツールを用意して使い方の指針まで決めている職場と、個人の判断に任せている職場では、働き方が変わります。転職先を選ぶときは、使えるツールだけでなく、会社として AI をどう扱っているかも確かめておきたい点です。
言語とデータベースの上位は大きく変わらない
使われている言語の上位は、JavaScript が12年続けて首位の62%で、データベースの問い合わせ言語の SQL(Structured Query Language)が58.4%、Web ページの記述に使う HTML(HyperText Markup Language)と CSS(Cascading Style Sheets)が58.3%、Python が58.1%と続きました。データベースは PostgreSQL が58%で首位を保ち、SQLite が42%、MySQL が35%です(プレスリリース)。
公式ブログによると、上位10の顔ぶれはほぼ前年と同じで、SQL が HTML・CSS を抜いて2番目に上がり、Rust は使われる言語の12番目に順位を上げました。Rust の求人や年収は「Rustエンジニアの年収|求人で見る相場とスキル・将来性」で扱っています。
AI ツールが広がっても、土台になる言語やデータベースの選ばれ方はすぐには入れ替わっていません。AI の出力を検証するときに頼りになるのも、こうした基礎の技術の理解です。
転職で AI の使い方を伝えるときに整理したいこと
調査と求人の両方から言えるのは、AI ツールの名前を並べるよりも、どの作業を任せ、出力をどう確かめたかを具体的に話せるようにしておくことが、職務経歴と面接の準備になるという点です。整理しておきたい点を3つ挙げます。
- 任せた作業の範囲: 実装・テスト・リファクタリング・調査のうち、どこを AI に任せ、どこを自分で書いたか。調査で多かった作業(コード生成・デバッグ・テスト)に沿って書くと伝わりやすくなります
- 検証の方法: 手元で動かす、既存のコードと突き合わせる、テストやセキュリティへの影響を見るといった確かめ方を、どの場面で使ったか。レビューで見つけた誤りと直し方の例があると、説明に具体性が出ます
- 職場の AI の扱いの確かめ方: 面接では、会社が承認しているツールと使い方の指針の有無、ツールの費用の扱い、AI の使い方を評価に含めるかを聞いておくと、入社後の働き方を想像しやすくなります
AI 時代のソフトウェアエンジニアの需要と年収は「ソフトウェアエンジニアの将来性|AI時代の需要と年収」で、AI を作る側の職種の年収は「AIエンジニアの年収|統計と求人で見る相場」でまとめました。