「現場の課題をテクノロジーで解決したい。」バックオフィス業務の効率化と、教育業界の改革を目指すケーイーシーの挑戦
(CTO)松永裕氏
「エドテック×エデュテイメント」で、世界一の教育企業を目指す
ーー:まずは御社の事業内容についてご説明いただけますでしょうか。また、今回Offersで採用されたエンジニアの方々が事業にどう関わっているのかも併せて教えてください。
松永氏:弊社は、教育×テクノロジー×エンターテイメント、いわゆるエドテックとエデュテイメントを掛け合わせて、世界一の教育企業になることをビジョンに掲げています。
中でも、特にエドテック領域を強化すべく、 プログラミング教育事業部やシステム開発部を立ち上げたため、IT領域における教育業界をリードしていただけるような人材が必要となり、Offersを導入しました。
ーー:今回採用された方々は、バックエンドが1名とフロントエンドが3名とのことですが、具体的にどういったサービスに携わられているのでしょうか。
松永氏:自社の学習管理システムを中心とした、自社プロダクトの開発に従事していただくポジションです。
そのシステムにはいろんな機能がありまして、成績管理、生徒管理、保護者管理など多岐に及びますが、「プロダクトのこの部分に限定してお願いする」とかではなくて、全体の設計に関わっていただくようにしています。
ーー:自社のサービスやシステムに関われるのは、エンジニアにとって非常にやりがいがあることですね。
松永氏:現在の採用募集のポジションは、全て自社サービスに関わる領域ですね。
まだ始まったばかりの事業ではありますが、今後はシステムの設計や仕様について、エンジニアサイドから「こういう機能を追加すべき」など、踏み込んで提案していただくような関わり方が理想です。
基本的には業務委託契約からスタートしますが、やがては正社員など職責を担うポジションについてもらえると嬉しいと考えています。
採用条件を「関西圏×出社」から「関東圏×フルリモート」に!
ーー:今回の採用にかかった期間は1カ月と、かなり採用までのスピードが速かったですね。
松永氏:年内にはシステムをリリースする予定であったため、早急に人材を確保する必要がありました。計画では、早い段階で10人くらいのチームを作る想定だったのですが、当初はなかなか採用活動が上手くいかない状況が続いていました。
そんな中、採用課題を解決してくれたのがOffersでした。
Offersは、こちらから欲しい人材の条件をピンポイントで検索して探しにいくことができます。また、副業など業務委託からスタートを希望する方も多く、採用要件にマッチした人材をスピード感を持って採用できたのだと考えています。
ーー:当初は関西在住で出社必須、かつフルコミットできる人材を探されていたようですが、徐々に条件を切り替えられたそうですね。
松永氏:当時は会社の制度上、出社が必須でしたので、対象者も関西在住に限定していましたが、現在では優秀な方であればリモート勤務でも、業務委託契約でもOKとしています。
日本だけでなく、海外のエンジニアも視野にいれていますね。
初めからフルコミットではなく、少しずつ弊社で結果を出していただきながら、将来的に社員として従事することも検討いただく、そういう考えに切り替えました。
ーー:実際に方針を切り替えられて、気づきや発見はありましたか。
松永氏:関西圏だけでは、こちらの求めるレベルを満たしているエンジニアを見つけるのに苦労したのですが、関東圏まで広げると、フリーランスや副業として別会社でSaaSをやっているエンジニアさんが多く、こちらの条件とマッチする方を探しやすくなりました。
ーー:具体的にはどのような違いがありますか。
松永氏:こちらの要望や用語が通じるかどうかで、かなり差がある感じがしますね。
関西圏の求職者だと、こちらの求めているスキルについて、「経験は無いので、これからキャッチアップします」と返答される方が多かったですが、関東圏の求職者だと「すでに経験がある」という方が多かったです。
ーー:Offersを使用してみて「すごく使いやすかった」という感想も頂戴していましたが、具体的にどのような点に魅力を感じていただけたのでしょうか。
松永氏:そうですね。一番は欲しい人材を検索できることです。誰かに募集要件を伝えて人材を探すことが、いま思えば非効率だったように思えます。
技術的な専門用語は何となく伝わるのですが、細かいバージョンの違いなどは、エージェント経由だとすごく難しいんだと思うんです。
また、IT業界は人材の流動性が高く取り合いになるので、すぐにパッと探してすぐに面接できるのが良かったです。
私は、求職者の方々の仕事が終わって登録されたぐらいの時間帯を狙って、あえて夜中にOffersを開いて検索をかけるなどの工夫をしていました。
ーー:採用面接ではスキル面において、どのような点を重視しているのですか。
松永氏:書類上のスキルを確認して、その上で口頭でも確認します。どのくらいの知識を持っていて、どのような回答をしてくれているのかなというのを見させていただいています。
SaaS系の会社に従事されている方であれば、こちらの要望が通じるかどうかも確認しますね。
ーー:人柄面ではどういったところを重視していますか?
自分自身の考えを述べてくれる方かどうかを見ますね。
例えば、その方が経験していない内容について質問をしたときに、どういう回答をしてくれるか、知らないことを聞いたときにどう反応するのかを中心に見ています。
教育現場の負担を減らしたい。事務作業の効率化で、もっと生徒と向き合える時間を。
ーー: 教育業界ではフルリモートという働き方がまだまだ浸透していないようですが、御社はその辺りは柔軟に対応されているようにお見受けしました。
松永氏:私自身の考えとしては、働き方についてはもっと柔軟に考えて良いと思っています。
働き方にこだわるよりも、開発のペースを上げていくのが重要だと考えています。
例えば、海外在住のエンジニアに協力いただいて、日本時間での深夜帯の間に時差のある海外の昼間で作業を進めてもらい、日本時間での朝になったらテストを終えている、そんなサイクルが理想ですね。
ーー:冒頭でお話いただいた御社のビジョンでも、エデュテイメントというキーワードが出てきたとおり、教育をもっと楽しいものにアップデートしようとされている印象を受けました。この辺りの想いについても伺いたく。
松永氏:教育業界ってICTが遅れていて、他業界では当たり前のようにデジタル化されていることができておらず、現場は未だにアナログで頑張っていることが多いです。
まず私が変えようとしているのはバックオフィス系です。いまは講師たちの工数が必要以上にかかっています。
例えば、あるシステムで生徒の情報を1回入力したら、他のシステムにも自動で反映されるべきです。現状は各システムで都度生徒の情報を入力しているなんてこともあるんです。
非効率だと自覚しつつも、「手間を惜しまず、頑張ることで生徒のためになればOK」ということになってしまっている。
また、効率的に進められるマニュアルのようなものがあるかどうかも怪しく、ただの事務作業なのに、それぞれが自分で考えながら業務をしています。
本当は考えなくてもやれるところまで全部考えてやっているという感じなので、生徒と向き合う時間が少なくなってしまうという状況になっているのかなと思います。
ーー:現状、余計なところにリソースがかかってしまっているので、できるところはシステム化して行くべきということなんですね。
松永氏:そうですね。バックオフィス業務に属人化は不要だと考えています。本来、属人性を発揮すべきなのは、“教育業務そのもの”のはずです。
教育はケースバイケースの状況になりやすく、生徒の個性や状況に応じて、講師が属人性を発揮して判断していくことが重要です。そこにリソースを費やして欲しいです。
教育業界が抱える慢性的な人材不足は、バックオフィスが非効率なのも原因の1つだと考えています。まずはバックオフィスの仕組みをちゃんと整えて、その上で講師たちが本分である教育に対してパワーをかけられる状況を作る。
「生徒のためになる教育」や「本当に楽しい教育」というのは、バックオフィス改善の次の段階で考えるべきことだと捉えています。
ーー:今後欲しい人材というのは、教育業界を野心的にアップデートしてくれる方々ということなのでしょうか。
松永氏:そうですね。今後はシステムのユーザーである現場の方々と直接話しをして、課題を発見してくれるようなフロントエンジニアの採用を強化していく必要があると考えています。
教育とテクノロジーの組み合わせで事業をされている会社さんの多くは、教育コンテンツの部分にITを取り入れていて、それ自体をプロダクトとしていますが、私たちはそもそものその裏側で動いている人たちの業務効率をテクノロジーで解決するのが狙いです。
ーー:バックオフィスの業務を軽くすることで、より生徒に目が向けられるような体制を作るということですね。確かに教育のDXとなると、授業をオンラインにするであったり、教育カリキュラムの内容にテクノロジーを取り入れがちですが、裏側も大切なんだと。
松永氏:もちろん教育コンテンツにテクノロジーを取り入れるのも大切です。コンテンツ側も進めたうえで、外側と内側の両方の開発が並行して進められることで、初めて“DX化”と言えるのではないでしょうか。
ーー:ありがとうございました。
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