インフラとフロントエンドの3名を採用! Hotspringが考える採用方針と旅行サービスの未来とは
エンジニア 阿久津 智大氏
Offersには、モダンな技術と親和性があるエンジニアが多い印象
ーー:御社のこれまでの採用手法や、今回Offersを導入した背景を教えてください。
これまで弊社では、あまり積極的な「採用活動」ができていませんでした。リファラルや、TwitterなどのSNSを通じた縁で、偶然仲間を増やせた、というのが実情です。ですが、今後のプロダクトの未来図を考えると、このタイミングで一気に仲間集めを加速する必要があり、まずは副業人材の採用に動き出しました。
採用開始にあたり、優秀なエンジニアに出会えそうな媒体を検討した上で、Offersが我々にピッタリだと思って導入を決めました。
ーー:Offersのどの辺を見てそのように思われたのでしょうか?
導入前にOffersのデモ画面を見せていただいたのですが、Offersは登録者のプロフィール内容が豊富で、これまでの経験スキルやSNSアカウント、希望する労働時間や時給など、弊社が事前に欲しい情報を入力してくれている人が多い印象を受けました。それによって検索がしやすくなりますし、弊社とマッチする候補者に出会える確度も高まりそうだと感じました。
ーー:求めるスキルにマッチしたエンジニアに出会えるイメージが持てたと?
はい、実際に検索してみてもWebサービス開発経験が長い方や、自社サービスの運営に長く携わっている方など、シニアから若手の方までたくさんのエンジニアが登録していることも分かりました。弊社ではマイクロサービスを導入していたり、GraphQLやKubernetesなどの技術を使っているので、登録者との親和性も高そうに感じました。
ーー:ちなみに御社ではいきなり正社員採用ではなく、副業スタートが基本なのでしょうか?
原則、正社員での採用を想定していても、副業スタートをお願いしています。主な理由としては、「お互いの納得感」です。
これは私たちの力不足に起因するのですが、限られた時間の中でのいわゆる「面接」では、十分に弊社のことをご説明できず、また、候補者の方を理解することも難しい、と考えています。ですので、面接のみでいきなり正社員として入社いただくと、「思っていたものと違った......」となってしまう可能性がある。これではお互いにとって不幸ですし、なんとか避けたい問題です。
その点、副業(業務委託)として一定期間関わっていただければ、お互いの仕事に対する価値観や考え方が分かり合えることができます。その期間を通じて本当に一緒にやっていけるかを確認できることが、副業スタートをお願いする理由です。
ーー:御社と候補者の双方にメリットがありますね!
そうですね!技術力ももちろん大事ですが、弊社としては考え方の親和性やお互いの納得感を重視したい。だからこそ中長期的な関わりを前提として、このように考えています。
一人ひとりの候補者に向けたスカウト文面で、マッチ度を高める
ーー:Offers導入後、スカウト返信率などの手応えはいかがでしたか?
弊社からのスカウトに対し、ほぼ全ての候補者からご返信をいただけました! Offersに登録している候補者の熱量の高さも感じることができましたね。
ーー:それは凄い!返信率が高かった要因は何だったのでしょうか?
弊社では候補者一人ひとりのプロフィールをしっかりと拝見させていただき、その上でメッセージを作成しています。弊社が伝えたい一方的な情報だけなく、技術スタックや働き方、時給など、候補者が知りたいであろう内容も記載しているので、それが候補者の方にとっても良かったのではないでしょうか。
ーー:テンプレートではなく、一人ひとりに時間をかけて作成しているのですね!
たとえばAさんにスカウトしようと思ったときに、事前に僕はTwitterなども含め、連携されているサービスの内容を全て見るようにしています。そうすると、Aさんの趣向性などパーソナルな部分が見えてきます。
GitHubのソースコードとかも事前に読ませていただくことで「この候補者の方は、こんな技術に関心があって、こんなメッセージだと興味を持っていただけるのでは?」と想定できます。これをスカウトメッセージに落とし込んでいきます。
Offersでは多くの候補者のプロフィールがSNSやGitHubとも連携されているので、そのあたりの情報が取りやすいのは良いですね!
ーー:一通のスカウト配信に、時間がかかりすぎてしまうのではないでしょうか?
Offersの場合、返信率がとても高いので配信数自体は少なくても良い、というのがポイントです。
面談数自体を増やすことにも意味はあるのですが、大事なのは候補者とのマッチ度ですので、事前のスカウト文面に時間をかけるのはむしろ効率的になる、と思っています。面談では1時間、長いと2時間ぐらい話をさせていただくこともありますし。
ーー:2時間もどんな話を?
考え方・価値観に関しての話が多いです。2時間はあくまで盛り上がった場合で、候補者の方も時間があれば、ですけどね(笑)。
会社の事業や今後の展望、技術スタック、正社員化を将来的には検討してほしいといった情報はスカウト文面に記載させていただいているので、面談では基本的には希望する働き方や趣味の話など、双方の自己紹介の延長みたいな話をしています。
ーー:一般的な「選考」のイメージより、だいぶカジュアルな雰囲気ですね。
そうかもしれませんね。業務内容とご本人の希望にズレがないことに加え、気持ちよく一緒に働けるだろうというのが分かれば、オファーは出させていただきます。
実際に一緒に働きながら技術的な部分やコミュニケーションスタイルなど、お互いに感触を確かめ合っていけたら良いかなと思っています。
メガベンチャー等に在籍中のエンジニア3名を採用
ーー:今回採用したエンジニアについて教えてください。
インフラエンジニア1名と、フロントエンドエンジニア2名を採用できました。3名ともメガベンチャー等で就業しており、豊富な経験の持ち主です。特にインフラについては、弊社内にはまだ専門性がないので、すごく頼りにしています。
3名ともスピード感を持って対応いただき、初回面談から稼働初日まで最速で1週間、平均しても2週間以内です。
ーー:面談から稼働まで1週間は早いですね!
僕らの方でお願いしたいことは考えているので、ご本人の希望が合うようでしたら、あとはアカウントと契約の準備だけです。せっかくのスピード感を僕らで落とすことの無いよう、社内でも事前準備をしっかりしています。
ーー:副業の方に依頼するお仕事は会社によってまちまちかと思いますが、御社ではいかがでしょう?
先程も少し触れましたが、まず面談のタイミングで「どういった仕事の進め方が良いか?」という確認をさせていただいています。あまり稼働時間が取れないから具体的なタスクを渡してほしい、課題だけ渡してもらってHowから考えたいなどのご希望を伺った上で、一人ひとりに合わせたお仕事をお任せするようにしています。
ーー:つまり個別にヒアリングして決めていくと?
はい、月の稼働目安だけすり合わせて、あとは具体的に稼働いただくタイミングはそれぞれに一任しています。
納期を定めたり、画一的な稼働方法を導入した方が管理する側は楽だとは思うのですが、それでは副業の方がやりづらいと思います。ですので、「重要だけど緊急性が低い」という範囲の中で依頼することで、やり易さとのバランスを取るようにしています。
ーー:先程の質問と重複してしまいますが、副業エンジニアを迎え入れるにあたって、事前にどのような準備をされているのでしょうか?
まずはプロダクトロードマップにあわせて、今の自社体制だとどこに不足感が出そうか洗い出しを行います。ただ、副業としてジョインいただく方の希望にも沿いたいので、そこで具体的な依頼タスクな決めないようにしています。
ーー:あくまでも、人にあわせて依頼内容を決めていくんですね!
いろいろな領域で困っていたりするので、今はこのやり方です(笑)。もちろんオンボーディング時の資料や、業務開始前のissue化など、お互いが業務を進める上で困らないように準備はしっかりと行っています。
長い目線で、旅行サービスに勝機を見出していく
ーー:御社では正社員採用も視野に入れていますが、今後は拡大フェーズに入っていくのでしょうか?
はい。弊社は旅行サービスを4年前から運営しており、昨年あたりから海外旅行に注力しようと思ってプロダクト開発を進めていました。しかしコロナの影響によって、海外旅行ニーズは殆どなくなってしまったため、急遽国内旅行を中心としたサービスにシフトしています。
コロナを経て、旅行スタイルは従来のままではいられないと考えています。旅行業界全体をみた時も、駅前にあるような代理店店舗の閉鎖が決まっていたりと、大きな変化を余儀なくされています。
このような状況は、私たちのように機動力高く、マーケットニーズに合わせた動きを取れる会社にとってはむしろ追い風。この先を見据えて今しっかりと仕込みをしているところです。
ーー:高く跳ぶために、今は「しゃがんでいる状態」だと?
まさにその通りです。今からしっかりと多くの仲間を集めて、プロダクトに注力していきたいと考えています。
直近では国内旅行を中心としていますが、僕らはもともと海外旅行をやりたかった会社です。今年中には少しずつニーズが戻ってくると予想しているので、そのタイミングに合わせながら、向こう3年でしっかりシェアを取れるように準備しています。
ーー:ロングスパンですね!
はい、一般のベンチャーやWEBサービスと比べると足の長い事業だと思ってます。だからこそ、腰を据えて長く一緒に働ける仲間を探したいと思っており、弊社の採用では価値観とか考え方のマッチをすごく大事にしてます。
この考え方が、先程お話した面談のスタイルにも繋がっているんです。
副業のメリット・デメリット
ーー:副業は、採用側と候補者側でそれぞれ良さがあると思いますが、阿久津さんはどう思われますか?
まず働く側としては、同じ言語や技術であっても、作るプロダクトが違うと解決すべき課題が変わっていくので、同じアプローチがいつも転用できるわけではありません。そういう意味で、すでに自分が持っている技術を深めることは大事ですし、副業を通じてさまざまな経験値を積めることは大きなメリットだと思います。
ーー:逆に採用担当の立場からだといかがでしょうか?
経験豊富なエンジニアの力を借りて、自社のサービスをグロースできる点と、しっかり相互理解ができた上で正社員になってもらえる可能性がある点は、特に知名度のないスタートアップにとって魅力的だと思います。
あと僕らは目の前の開発スピードを優先しなければならない場面が多々あって、どうしても視野が狭くなってしまうことがあります。その時はそれで良いかもしれませんが、後々になって負債として積み重なり、不具合を引き起こしたり開発速度の低下に繋がりかねないと考えています。
その点、弊社より遥かにたくさんのユーザーが訪れるサービスを運営している会社ですと、高トラフィックを支えるインフラ技術とか、アプリケーションの不具合を感知して対応する仕組みなど丁寧に構築されているので、そういった知見をいただけるのはプラスですね。
ーー:単なる労働力の確保ではなく、知見を得るための副業採用だと?
はい、新システムの導入を一緒に考えてもらったり、技術顧問のように関わっていただく形態もありだと思っており、それを受けてもらえる方がOffersにたくさんいらっしゃると思います。
教えてもらうために副業人材を採用することもスタートアップの経営では大事だと思いますし、各スタートアップが初期から仲間を副業で集めていくっていうのは理にかなっていると思います。弊社としてもそのように利用していきたいですし、そういう人に来ていただけると嬉しいですね。
ーー:ありがとうございました。