医療・介護系SaaSの開発組織をOffersで構築へ!エピグノが実践する業務委託の採用手法とは?
CTO Malik Olivier Boussejra(ブセジュラ マリク オリヴィエ)氏
組織拡大にあたり、各ポジションでハイスキル人材が必要だった
ーー:2021年11月からOffersを導入いただいております。まずはOffers導入の背景や決め手などお聞かせください。
代表の乾がOffersのサービス紹介を受けていたのですが、そのときは採用拡大フェーズではなかったので見送っておりました。しかし、その後、弊社が事業拡大フェーズに入り、再度お話を聞きたいとこちらからご連絡したのが導入のきっかけです。他のスタートアップからもサービスの評判がよかったことが導入の決め手にもなりました。
ーー:Offers導入前はどのような採用方法を?
リファラルで採用を進めてきました。ただリファラルでは時間もかかりますし、一気に人を集めることもできません。今回はデザインや開発、インフラまわりなど複数ポジションの採用が急務でしたので、媒体を活用することは必須でした。
Offers導入前の組織イメージ。各ポジションでの採用が急務だった。
ーー:一気に採用を進めていくための打ち手がOffersだと。雇用形態にこだわりは特になかったのでしょうか?
はい、全くありません。雇用形態はみんな自由に選択すれば良いと思っています。ただはじめは業務委託でのスタートとなりますが、いずれ正社員になる前提での採用を考えています。
ーー:スポットでのリソース補充ではなく、中長期を見据えた採用ということですね!
私達のプロダクトの特性上、難しいのは技術ではなく「仕様の把握」だと思ってます。そのため、スカウト配信ではまず業務委託でスタートして、ゆくゆくは正社員化を検討して欲しいというメッセージを送っていました。
ーー:「仕様の把握」とは医療や介護の知識、ということでしょうか?
はい、いわゆるドメイン知識ですね。短期間ではドメイン知識は身につくものではありませんし、ドメイン知識を得て契約終了するのは会社にとって残念なことです。だからこそ長く働いてもらい、ゆくゆくは正社員化を検討してもらえることが私達の願いでもあります。
Offersは登録者のスキルセットが高く、短期間で9名の採用に成功
ーー:Offersを使ってみた感想をお聞かせください。
私が今まで利用してきた人材サービスよりも登録者のレベルが高いと感じました。それにお会いした候補者の皆様はとても意欲的で、短期間で複数の方を採用することができました。私は今まで何年間もスタートアップの採用をしてきましたが、ここまで順調に採用できたサービスはなかったと思います。
PdMやUI/UX、フルスタック、バックエンド、SREの採用に成功
短期間で一気に採用できたことで、以前よりプロジェクトがよく回るようになりました。実はこれまでPjM/PdM専任がおらず、私がそれらの役割を担っていました。今回PdMが入ってくれたことで、全てがきちんとドキュメント化されて、ナレッジも蓄積できるようになりました。
開発も、これまで私一人でゼロから手掛けてきたのでかなり属人化されてきました。こちらも今回採用したエンジニアがどんどん仕様を把握してくれるので、私の業務負担を減らすこともできています。
さらに今までSRE周りも全部私がやってました。サーバー管理やリリースの手順など、こちらも私にしかできない属人化された状態だったのですが、これも新しく採用したSREエンジニアが業務を拾ってくれているので、すごく助かっています。
ーー:お任せできるメンバーが増えたことで、「CTOとしてすべきこと」に集中できるようになったんですね!
はい、組織全体を見たり、エンジニアの採用に集中できるようになりました。
ーー:今回採用できた皆さんは、御社のどの部分に惹かれたのでしょうか?やはり医療や介護などの社会貢献性でしょうか?
そうですね!社会課題(医療分野)の解決に興味があった、という方もいらっしゃいます。私達のプロダクトは大学病院などで利用されるSaaSです。細かい機能改善など山積みですし、ミスは許されません。責任は伴いますが、その分エンジニアとして培ってきた技術力が医療の最前線で貢献できる醍醐味はあります。
それに私達は時間や場所に制約されない働き方を推奨しているので、そういった「働きやすさ」であったり、技術スキルよりも候補者様の「パーソナリティを重視した面談」が好印象だったという声もいただいています。
ーー:業務を依頼する際、「決まったタスクを渡す」場合と「課題だけ渡す場合」があるかと思います。御社ではいかがでしょうか?
両方のパターンがあります。仕様まで用意して「あとは作ってください!」と依頼する場合もありますし、「こんなものを作りたい、仕様はない」という状態から一緒に考えていく場合もあります。
私達はまだまだ小さなスタートアップなので、このあたりの進め方は模索中ですね。人数はいつも変わるので、とにかく柔軟に今必要なことをやっています。
ーー:ドメイン知識はどうやって養っていくのでしょうか?
実務を通じて私が教えていきます。こういった知識を英語で言うと、tribe knowledge(部族の知識)と呼ばれ、属人化にもつながるので、一般的にあまり良くは受け止められない傾向があります。
でも私達はまだ人数の少ない組織ですので、逆に属人化を生かした方がいいと思ってます。もちろん組織やプロダクトの規模が大きくなったときには属人化を避けるべきではありますが。
ーー:「スタートアップ ✕ バーティカル」ならではですね。
はい、私達のプロダクトは本当に複雑なので、1人ではプロダクト全ての仕様を把握することはできません。とにかく一人ひとりが集中できる領域を決めていくことが大事です。
単にフロントエンドとバックエンドだけ分けるのではなく、さらに細分化していくイメージですね。私達のプロダクトには看護師のシフト機能があるのですが、その機能しかやっていないエンジニアもいます。
自立できるエンジニアを採用し、「信頼」していくことが大事
ーー:業務委託の方への依頼方法やタスク管理、メンバー間のコミュニケーションなどで気をつけていることを教えてください。
タスク管理はTrelloを使ったり、コードはGitLab/GitHubで管理しています。リリースについては誰かがコードを書いたら必ず別の人がレビューするなど、特に品質を維持するやり方をしています。Slackによる非同期コミュニケーションをしているので、書いた文字の意味を大事にし、どんな内容でも慎重に書いています。
ーー:業務委託が増えるとマネジメント工数も大変になるのではないでしょうか?
基本的には細かいタスク管理をせず、メンバーの経験や知恵を信頼して、様々な判断を任せています。フルリモートワークですので、何よりも重要なことは「互いの信頼」です。そのため採用では自立できる人、自分で意思決定できる人を採用しているので、マネジメントは大変ではありませんよ。
Offersには経験が豊富で、能動的に意思決定できる優秀なエンジニアが多く登録しているので、私達のマネジメント方針ともマッチしていますね。
ーー:なるほど、だからこそ最初の面談は重要なポイントにもなりそうですね。
そうです、面談では「品質にこだわれるか」を判断基準の一つにしています。
先日面談した人で、私達の技術ブログを読んでくれた方がいらっしゃいました。コード衛生(https://blog.epigno.jp/blog/coding-hygiene)という記事があるのですが、これを読んで弊社の品質に対する考えに共感してジョインいただいた方もいらっしゃいます。
ちなみに「コード衛生」とは私が作った言葉で、コーディングでは衛生を保とうという意味です。
ーー:今後、開発組織はどのような体制に?
私達はSaaSを運営しているので、取引件数を増やしながら機能を強化していくこと。そしてお客様のさらなるニーズに応えるために新機能を開発し続けることが大前提です。そういったなかで、今後はプロダクトごとの開発がどんどん複雑になっていくので、ドメイン知識を増やしながら各エンジニアには特定の領域をどんどん担当していってほしいと考えています。
だからこそ今後も増員は必要不可欠なため、特に今後はフロントエンドとバックエンドエンジニアの採用を進めていきます。今後もOffersを通じて開発チームのメンバーを構築できればと思います。
ーー:ありがとうございました。