独立の準備で必要なお金の想定

事業を継続する上で直面する問題の多くは『お金』に関することでしょう。どのようなことに気を付ければよいか、しっかりと確認しておくことが大切です。
売上や経費などの資金計画
開業資金を十分に用意していたとしても、いざ起業してみると思うように事業が回らず、早い段階から資金繰りに苦しむ可能性は大いにあります。
家賃や光熱費、人件費といった運転資金が足りなくなると、あっという間に自転車操業のような状態に陥ってしまい、予定していた事業計画も早々と下方修正せざるを得なくなるでしょう。
開業時のコストに加え、月々の運転資金は前もって必ず算出し、先々まで見越した余裕のある資金準備が必要です。
税金も頭に入れておく
独立後、問題になりやすいのが税金や社会保険に関することです。
個人事業主であっても、5人以上の従業員を雇う場合は、原則として社会保険への加入義務が課されます。起業前の段階で確認し、どの段階で加入すべきかを検討する必要があるでしょう。
また、事業が拡大するにつれて、事業所税や消費税の納税義務が発生する可能性があります。早い段階で条件や金額を確認し、時期が来て慌てることのないように準備しておきましょう。
準備期間に必要なその他のこと

独立する前の準備が充実していると、独立後もスムーズに業務に取り掛かれます。時間をかければかけるほど質の良い準備ができるので、事前に済ことは早い段階で済ませておくべきです。
事務手続き
独立前の事務手続きとしては、退職後の社会保険の手続きが重要となります。退職前の社会保険をそのまま任意継続するのであれば、退職日翌日から20日以内の手続きが必要です。
国民健康保険に加入する場合でも、社会保険の資格喪失に関する書類を会社からもらう必要がある場合は、前もって意識していなければいつまでも手に入らないという状況に陥る場合があります。
引越しや住宅ローンの申し込みも、検討している場合は退職前にしておくべき事務手続きです。
リサーチや人脈作り
会社に在籍しているからこそできるリサーチを、退職まで意欲的に行う意識を持ちましょう。取引先に自分が起業する分野の人がいれば話を聞いたり、同業者を視察し独立後の参考になるようなポイントがないか探ったりできます。
同僚や取引先をはじめ、セミナーや交流会で会う人とは、独立を見据えて挨拶をしておくとよいでしょう。
起業後に協力者として力になってくれそうな人や、会社在籍時に付き合いのある専門家の人にも、自然な形で根回しをしておきましょう。
スキルアップやマインド
独立前の空いた時間にスキルアップを図りましょう。起業に関して足りないスキルは何かを把握し、必要なら資格を取得する手もあります。
起業におけるマインドセットも重要です。会社を辞め独立することは、ほとんどの人にとって大きな変化をもたらします。その中でも、悪い方への変化に打ち勝つ気持ちを強く持つことが大切です。
多くの成功者に共通する、起業家として持つべきマインドを紹介します。
- 自分の仕事を愛し、楽しみ、全力投球する
- 誰よりも努力する
- 自分の仕事に理念とビジョンを持つ
- 失敗を恐れず次に活かす
- 決断力・行動力・実行力・忍耐力を持つ
独立前にしておいた方が良いこと

必須ではありませんが、独立前にしておくと便利な事項を二つ紹介します。
クレジットカード作成
クレジットカードがあるとビジネスにおいて有利ですが、独立後は新規のクレジットカード審査が通りにくくなります。
個人用のクレジットカードをビジネスで使用すると帳簿が複雑になり面倒なので、法人用クレジットカードを事前に複数枚作成しておくとよいでしょう。
別の収益ルートの用意
事業の柱を複数考えておくことは、リスク管理の上でも重要です。起業前に別の収入源について考えておきましょう。
例えば、収入の一部を投資に運用したり、事業の販売ルートを増やしたりする方法があります。それぞれの効果が小さくても、メインの事業が失敗し収入が突然ゼロになるという、最悪のリスクは回避できるでしょう。
会社員時代に副業をする感覚で考えれば、小さな柱を増やすイメージがつかみやすくなります。独立後は基本的に全ての時間を自由に使えるようになるので、自分の裁量で本業と副業を分けて考えるとよいでしょう。
まとめ
独立の準備において最も重要なのはお金に関することです。資金計画や税金対策などをしっかりと考える必要があります。
事務手続きや人脈作り、複数の収入源について考えることも、準備段階で重要視すべきことでしょう。起業家として成功するマインドを強く意識し、万全の状態で事業をスタートできるように準備することが大切です。