独立に向いた仕事の特徴とは

独立に向いた仕事にはいくつかの共通点があります。それぞれについて解説します。
低予算で場所を必要としない
低予算で始められる仕事は、独立に向いた仕事だといえます。開業時にまとまった資金が必要であれば、資金集めに時間がかかりスタートが遅れる可能性があるでしょう。事業を失敗したときのリスクも高くなります。
初期費用だけでなく、継続して発生するコストにも注意しましょう。事業運営全体を通して費用を抑えられる仕事が理想的です。
また、場所を必要としない仕事も独立に向いています。事務所や店舗などが必要な仕事は、場所代として初期費用や固定費がかかり、特に開業初期の段階で経営を圧迫する可能性があるでしょう。
最も費用を抑えられる仕事場は自宅です。自宅での仕事なら交通費も削減でき、家賃の一部を経費計上できるメリットもあります。
ニーズや見込みがある
好きなことを仕事にしたいと考えても、ニーズがなければ仕事にすることは難しいでしょう。日頃から世の中の動向にアンテナを張り、ニーズを察知する意識を持つことが大事です。
どんな仕事を選択するとしても、大前提としてお金が入ってこなければ仕事としては成り立ちません。人はニーズに対してお金を払うものであり、ニーズが大きいほど入るお金も大きくなります。
また、継続的に収入が見込めるものを扱う仕事は、独立に向いています。有料のメールマガジン配信や月額制のサロン運営など、定期的に収入が入る仕組みがあると経営が安定するでしょう。
売り切りタイプの商品など、継続的な売り上げの見込みを立てることが難しい仕事は、リスクが高く独立には向いていないといえます。
独立に向いた仕事の種類

世の中にある様々な仕事の中から、独立に向いた仕事を紹介します。
ブログやアフィリエイト
個人でブログを立ち上げ、広告を出してアフィリエイト報酬を得る仕事は、独立に向いた様々な要素を満たしています。
- 自宅で作業できるため、初期費用やランニングコストを極限まで抑えられる
- 特別なスキルが不要で、誰でもすぐに始められる
- 現物の商品を扱う要素がなく、在庫を抱える必要がない
- やり方次第ですぐに収益化できる
- 労働集約型の仕事ではないので、軌道に乗ると自由な時間が増える
成功者も多いビジネスモデルで、ノウハウがネット上から入手しやすく、独立前から副業として稼動できるメリットもあります。
コンサルティングや代行業務
コンサルティング業は身一つで可能な仕事なので独立に向いています。発生した問題に対し解決策を提案するという業務で、経営や集客などに関する自分のビジネス経験を活かせる仕事です。
基本的に開業資金がかからず、自宅を拠点とした業務ができます。案件によっては高単価の契約を取ることも可能です。スキルと行動力が中心の仕事であり、経験に比例した収入増が期待できます。
また、代行業も開業資金を抑えられるため独立に向いた仕事です。世の中には様々な代行サービスがありますが、個人で代行できることは基本的に代行業の対象になり得ます。
ベビーシッターや運転代行、家事代行などは、よく知られている代行サービスでしょう。また、最近では宿題代行やお墓の掃除代行、退職代行といったサービスにもニーズが集まっています。
集客さえできれば、アイデアひとつで仕事になるジャンルだといえるでしょう。
フランチャイズ
コンビニやネットカフェ、学習塾などのフランチャイズビジネスは、独立開業したい人向けのシステムです。企業の看板の元で経営できる上に、開業や運営のマニュアルが既に用意されているので、仕組みに沿って動くだけで事業経営を開始できます。
成功事例が多い企業の一員として、他のフランチャイズ店を参考にした経営が可能です。他店舗のデータが本部に蓄積されているので、集客・販売・仕入・出店場所などに関して、最適と考えられるデータが適用され、結果を出しやすい状態でビジネスを開始できます。
既にブランド力のあるグループばかりなので、認知度や信用力がある状態でスタートできる点もメリットといえます。
独立に役立つおすすめの資格

独立を目指すなら、資格を持っていることは大きなアドバンテージになります。独立に役立つおすすめの資格とはどのようなものでしょうか。
士業
士業の資格は、独立開業に向いた資格として有名です。主な士業には、公認会計士・税理士・弁護士・司法書士・社会保険労務士などがあります。
多くの士業には、それぞれの資格を持つ人だけができる『独占業務』があります。例えば、公認会計士なら監査業務、税理士なら税理業務が独占業務です。
士業の資格を取るためには、試験に合格する必要があります。一定の条件を満たさなければ受験できない資格もあり、仕事をする上で競合が少ないことはメリットです。
それぞれの士業には一定の需要があるため、独立開業後も比較的安定した収入を期待できる仕事といえます。
IT関係
IT業界は近年最も成長している分野で、IT関係の資格保有者に対する業界からのニーズは、今後ますます増えると予想できます。
エンジニアやWebデザイナーなどIT関係の仕事は、自宅でPCとネット環境さえあれば開業できます。スモールビジネスともいわれ、独立後の仕事に向いたビジネススタイルといえるでしょう。
IT関係の資格は数多く存在しますが、ITストラテジストやプロジェクトマネージャ、エンベデッドシステムスペシャリストといった国家資格は、専門性が高く独立に向く資格です。
士業の資格と異なり、独占業務を行える資格はほとんどありません。しかし、保有することで専門的な知識や技術を証明できる資格が多く、IT関係の案件を獲得する際に有利です。
独立後の仕事の取り方

集客や営業は、独立後の収入を安定させるために重要な業務です。仕事を獲得しやすくなる主な方法を紹介します。
ホームページやブログでの集客
ホームページやブログの利用は、情報発信の手段として価値の高い方法です。ホームページやブログから発信した情報は多くの人の目に留まる可能性があります。
特に、IT関係の仕事を展開しようとする場合は、ホームページやブログを営業におけるひとつの手段として利用できます。デザイナーやエンジニアなら実績などを公開し、ポートフォリオとして利用すると効果的です。
Facebook・Twitter・InstagramといったSNSも、集客の手段として有効です。場所を問わず全国を対象にした仕事の場合は、インターネットを利用したあらゆる集客方法により、隅々からニーズをキャッチしようとする意識を持つべきでしょう。
クラウドソーシング
クラウドソーシングサービスに登録すると、サービス内でクライアントが募集している案件に応募できるため、積極的な営業が可能となります。大手のクラウドソーシングサービスでは常に数多くの案件が募集されているため、継続して獲得できると仕事が途切れにくいのがメリットです。
クラウドソーシングサービスで募集されている案件は、IT関係に限らず様々なジャンルがあります。単発の案件も多く、副業感覚で取り組めば業務に厚みを加えられるでしょう。
また、エンジニア・デザイナー・ディレクターなど専門性の高い仕事であれば、エージェントの利用も効果的です。スキルや実績などを登録しておけば、需要が合致するクライアントを紹介してくれます。
ホームページやブログの利用が『待ちの営業』なのに対し、クラウドソーシングやエージェントの利用は『攻めの営業』です。それぞれ同時に利用することで仕事が途切れにくくなり、さらなる収入の安定につながるでしょう。
展示会などへの参加や人脈
インターネットでの集客や営業以外に、対面で仕事を得る方法も効果的です。例えば、各地で定期的に行われるフリーランス向けの展示会に参加すると、数日間で数万人規模のクライアントが集まる場で自分をアピールできます。
スキルや実績を可視化できる資料を用意し、特定分野のスペシャリストに仕事を依頼したいクライアントとつながりを持てるため、企業向けのサービスで独立する場合には有効な手段といえます。
また、普段から良好な人脈作りを意識することも重要です。人脈が多ければ、思いがけない方面から仕事の依頼が舞い込む可能性もあります。仕事を獲得するためだけの人脈ではなく、相互に助け合えるような人脈が理想といえるでしょう。
仕事がないときのポイント

独立した直後は、仕事がない状態の時間も多いでしょう。集客や営業以外に、仕事がない時間を有効に使うためのポイントを解説します。
スキルや知識を蓄える
独立後に身につけておくべきスキルや知識は、大きく二つの種類に分けられます。
一つは、それぞれの仕事に特化したスキルや知識です。ライターなら執筆時によく利用するツールの使い方、デザイナーならデザインで利用するソフトの使い方など、専門性を高められる技術を磨きましょう。資格の勉強も、専門的な知識の習得に効果的です。
もう一つは、仕事自体を効率化できるスキルや知識です。例えば、時間管理ツールを使えるようになると、時給の計算など作業にかかる時間を視覚化でき、生活にメリハリを与え業務の効率化に役立ちます。
また、確定申告や経費についての知識を得ることも重要です。サラリーマン時代にはあまり気にならなかったような税金に関する知識も、独立後はしっかりと覚える必要があります。確定申告時に慌てることがないよう、日頃から勉強しておきましょう。
プロフィールやポートフォリオの充実
クラウドソーシングやエージェントでの営業活動には、クライアントが判断材料として見るプロフィールやポートフォリオの充実が欠かせません。
登録時に入力したプロフィールやポートフォリオは、積み上げた実績を書き加えることで、より強いアピールができる資料になります。新たに取得した資格も忘れずに付け足しましょう。
単価は安易に下げない
仕事がない時に単価を下げて案件を獲得しようとする考え方は避けましょう。一度下げてしまった単価は、そう簡単に元には戻せません。
単価を下げて得た仕事が、その後に通常の単価で得た仕事を、時間的に圧迫してしまう可能性もあります。低単価の仕事はモチベーションも上がりにくく非効率的です。
自分を安売りしてまで仕事をするくらいなら、スキルアップや勉強に時間をあてたほうが将来のためになるでしょう。単価は下げるものでなく、スキルを積み立てながら上げるものだと心得ましょう。
まとめ
低予算で場所を必要とせず、ニーズや見込みがある仕事は、独立に向いた仕事といえます。独立後に仕事を安定させるため、資格を取得するのも有効的です。
独立後は、ホームページやブログで集客したり、クラウドソーシングサービスで営業しながら仕事を探しましょう。仕事がない時間を有効活用する意識を持つことも大事なことです。