法人化の手続き方法。流れや必要書類など大事な要点を抑えておこう

法人化の手続きは自分1人でも行うことができます。ただし、定款認証や会社登記に必要な書類は多岐にわたるため、余裕をもって準備をしましょう。士業に代行を依頼した時の相場や、手続きにかかる手数料の合計も説明します。

Offers」は、時代の変化や環境にあわせてスキルを磨きたい、そんな人にぴったりのサービスです。「副業・複業」で、本業では経験できない、新しい環境/開発スタイルを経験しよう!

→「Offers」をもっと詳しくみる! かんたん60秒で副業を始めてみる

法人化の流れと期間

個人事業主やフリーランス、または副業を行っているサラリーマンなどが、法人を設立することを『法人化』といいます。

法人化すると、信用度が増して仕事がしやすくなるほか、節税対策になる、社会保険に加入できるなどのメリットがあります。法人化する流れや手続きにかかる期間について紹介していきます。

新会社の基本事項を決める

法人化するにあたって、新会社の柱となる『基本事項』を決めていきましょう。基本事項には主に以下が挙げられます。

  • 会社名(商号)
  • 会社住所(法人として登記される住所)
  • 事業内容(目的)
  • 資本金
  • 決算日

官公署の許認可が必要な業種をはじめる場合、該当する『住所』で許認可が取得可能かどうかをあらかじめ調べておきましょう。

『資本金』は、会社が事業を行う上での元手で会社の『信用度』に直結するものです。新会社法の施行により、株式会社および合同会社は『資本金』が1円以上であれば設立できますが、最低資金を採用するのは現実的ではありません。

なお、資本金が1000万円未満の会社について、2013年施行の改正消費税法では、1期目が消費税免除、2期目も条件次第で免除となっています。

平成25年から改正消費税法が施行され、資本金が1000万円未満の場合の消費税免除は1期目のみとなりました。2期目も免除になる場合、資本金1000万円未満という要件に加え①特定期間の課税売上高が1000万円以下②特定期間の給与等支払額の合計額が1000万円以下③設立1期目が7ヶ月以下のいずれかの条件を満たす場合のみとなります。

『決算日』は会社設立日から1年以内なら自由に決められますが、最も長く免税の期間がとれる日に設定するのがおすすめです。

書類作成や定款の認証

会社の基本情報を決定した後は、発起人による定款の作成および認証を行います。

『定款』は、資本金、事業目的などを記載した『基本原則』のことで、作成後は公証役場で認証を受けます。ネットなどで検索すると定款の書き方やひな型が公開されているので、参考にするとよいでしょう。

作成した定款は『公証人による定款認証』が必要です。『定款認証』は定款の記載方法や内容が正しく記載されているかをチェックする行為で、所在地を管轄する公証役場又は地方法務局の所属公証人が行います。

なお、合同会社の場合は、設立時の定款認証手続きは不要です。

法務局への登記

会社の本店所在地を管轄する『法務局』で登記申請を行います。登記申請時には『登録免許税』を納める必要があります。登録免許税は『資本金額×0.7%』で、下限は株式会社が15万円、合同会社が6万円です。

郵便局などで、登録免許税分の収入印紙を購入し、A4サイズのコピー用紙に貼り付けて提出しましょう。

会社登記に必要な書類は多岐にわたり、はじめての人は作成に時間がかかる可能性があります。余裕を持って準備をはじめましょう。

榎本希

法人化の流れを順番にまとめると下記のようになります。

①会社に基本事項、定款に記載する事項を決める

②印鑑等の作成

③定款作成

④定款の認証(合同会社の場合は不要)

⑤資本金の払い込み

⑥登記書類の作成

⑦会社設立登記

⑧印鑑証明書の交付

⑨税務署への届出及び申告

⑩社会保険関連の手続

法人化の際に準備するもの

法人化する際は、会社に関するさまざまな書類を準備しなければなりません。『定款認証』と『法人登記』に必要なものをチェックしてみましょう。

法人用の印鑑を用意

会社設立の書類を作るにあたり、最初にすべきなのが『法人用の印鑑』の作成です。印鑑には以下の4種類があります。

  • 法人実印:会社の正式な印鑑でサイズは1cm超3cm以内の正方形
  • 社印:領収書や請求書、見積書などの実務に使用
  • 銀行印:銀行の法人口座開設、手形や小切手などに使用
  • ゴム印:会社名・所在地・電話番号・代表者名が記載した印鑑で、各契約書で会社情報や署名を省くために使用

最も重要なのが『法人実印』です。これだけでも登記は可能ですが、今後の業務を考えてほかの印鑑も作っておきましょう。

定款認証の際に必要なもの

株式会社設立時の『公証人による定款認証』では以下の書類を準備しておきましょう。なお、『電子定款』の場合は定款の収入印紙代は不要です。

  • 定款(公証役場保存用・会社保存用・登記用の3通を準備、発起人個人の印鑑で押印・割印をする)
  • 発起人全員の印鑑証明書(印鑑登録をした役場で発行したもの)
  • 収入印紙(郵便局で事前に購入)
  • 定款の認証の費用
  • 謄本交付料(1枚250円×定款の枚数)
  • 委任状:発起人が公証役場に行けない場合のみ

そのほか、発起人(出資者)の実印と、身分証明書も持参しましょう。

登記に必要な書類

以下は、1人が発起人になり全額の出資を行う場合(発起設立)の会社設立に必要な書類です。

  • 登記申請書登録免許税分の収入印紙を貼り付けた用紙
  • 定款
  • 資本金の払い込み証明書(自分で作成可)
  • 発起人・取締役の印鑑証明書(発行後3カ月以内)
  • 発起人の決定書
  • 取締役・代表取締役・監査役の就任承諾書(必要に応じて準備)
  • 会社実印
  • 印鑑届出書(法務局のHPでダウンロード可)
  • 印鑑カード交付申請書(法務局のHPでダウンロード可)

榎本希

法人化をする際に必要なものを箇条書きでまとめると以下のようになります。

・法人実印

・銀行印

・社印

・ゴム印

《定款認証時》

・発起人(出資者)の実印

・身分証明書

・公証人に支払う手数料

・定款の写し交付料

・収入印紙(電子定款の場合不要)

《登記時》

・登記申請書

・登記免税分の収入印紙を貼ったA4用紙

・定款

・発起人の決定書(株式会社の場合)

・取締役の就任承諾書(株式会社の場合)

・代表取締役の就任承諾書(株式会社の場合)

・監査役の就任承諾書(監査役を置く場合)

・取締役の印鑑証明書(株式会社の場合)

・代表社員の印鑑証明書(合同会社の場合)

・代表社員就任承諾書(合同会社の場合)

・資本金の払い込みを証明する書類

・印鑑届出書

・登記すべき事項を保存したCD-RまたはFD

・本店所在地及び資本金決定書(合同会社の場合)

法人化にかかる費用は?

定款認定、会社登記と一連の流れを説明しましたが、法人化にかかるトータル費用はどのくらいになるのでしょうか?手続きを自分で行う場合と、代行業者(仕業)に依頼する場合に分けて説明します。

自分で手続きを行う場合

株式会社の場合、定款認証および登記には以下の費用が必要です。謄本交付料と登録免許税は会社形態で異なりますが最低でも20万円以上はかかるとみてよいでしょう。

  • 定款に貼る収入印紙代:4万円(電子定款は0円)
  • 定款の認証手数料:5万円
  • 謄本交付料:2000円前後(1枚250円×定款の枚数)
  • 登録免許税:15万円または資本金の額の0.7%のうち高い方

なお、『合同会社』の場合は『定款の謄本手数料』および『定款の認定手数料』は不要で、登録免許税は6万円または資本金の額の0.7%のうちの高い方です。トータルすると、費用は最低でも6万円ということになるでしょう。

手続きにかかる期間は順調に進めば2〜3週間ですが、不備があると1カ月以上かかる場合があります。余裕を持って準備をはじめましょう。

士業に頼む場合

士業に依頼する場合、手続き費用のほかに代行手続きの手数料が発生します。士業といっても税理士・司法書士・行政書士などさまざまですから、費用相場も異なります。報酬は5~10万円程度とみておきましょう。

なお、『定款認証』を『電子定款』にすると収入印紙代の4万円がかかりません。電子定款だけをプロに依頼するという手もあり、電子定款作成の代行費用は5000~1万5000円程度です。

榎本希

会社設立をすべて自分で行う場合には合同会社の場合には概ね6万円(電子定款の場合)から、株式会社の場合には概ね15万円(電子定款の場合)からとなります。

士業に依頼した場合、定款作成のみを依頼する場合・登記のみを依頼する場合・定款作成から登記までを依頼する場合には行政書士または司法書士への報酬(事務所により報酬額は異なる)が発生します。

登記については司法書士のみが行う事ができ、定款認証の代行は行政書士又は司法書士のみが行う事ができます。

その他社会保険等の手続も士業に依頼する場合にはこちらは社会保険労務士に依頼することになります。

まとめ

法人化するにはある程度の費用がかかりますが、現在は資本金がそれほど多くなくても設立できるので、ハードルはそれほど高くないといえるでしょう。会社を設立するとビジネス上でのメリットが増え、節税対策にもなります。

一方、初心者が会社設立の手続きを全て自分でやろうとすると時間がかかる可能性があります。必要に応じて士業に代行をお願いする方法も検討しましょう。

榎本希 [監修]

医療機関・医大の研究室にて長年勤務をした後、行政書士試験を受験。医療系許認可をメインに扱う行政書士として、行政書士のぞみ事務所を開業。再生医療関係の許認可・診療所開設・医療広告ガイドラインに基づく医療広告のチェック等の他、任意後見・契約書作成・起業支援を扱う。

Offers」は、時代の変化や環境にあわせてスキルを磨きたい、そんな人にぴったりのサービスです。

いくつもの転職媒体を使って、企業を探し回るのはもう終わり。「副業」から始まる新しい働き方を実現します!

本業では経験できない、新しい環境/開発スタイルを経験しよう!



この記事をシェア

関連記事


副業・フリーランス

プログラミング

インタビュー

シニアレベルを2名採用!現場の負荷を軽減した採用活動、その打ち手がOffersだった

700万ダウンロードを突破し、コスメの口コミアプリとして急成長を続ける「LIPS」。これまで正社員や業務委託問わず、各専門性をもったエンジニアが集うことでグロースを続けてきた。そんな同社のハイス...

インフラとフロントエンドの3名を採用! Hotspringが考える採用方針と旅行サービスの未来とは

旅行予約サービス『こころから』を運営するHotspringは、今後の旅行業界の変化を見据えたプロダクト開発を推進している。これまでリファラルやTwitter採用を行ってきた同社が、なぜOffer...

フロントエンジニアの採用に成功!複業採用の秘訣はコンシェルジュの伴走と、独特な1on1にあった

AIチャットボット市場で圧倒的なシェアを誇る「HiTTO(ヒット)」を展開するHiTTO株式会社。今後さらなる顧客満足の向上に向けて、自社プロダクトの強化を加速していく。そこで重要になるのが開発...

専任CSメンバーがサポート。わずか1ヶ月半で、採用難易度の高いリードクラス2名の採用に成功!

女性限定コミュニティに注力する株式会社SHEでは女性の「自分らしい生き方」の実現を目指し、クリエイティブスクール「SHElikes」に加え、美容領域「SHEbeauty」や金融領域「SHEmon...

デザイン

お金

採用・組織

グルメ