個人事業主が法人化するタイミングは?適切な時期と法人化のメリット

個人事業の業績が順調に伸びると、法人化が視野に入ってくるものです。法人化することにより得られるメリットもあります。そこで、収入面からみた法人化に適したタイミングや手続きについて解説します。

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個人事業主が法人化するメリット

はじめに個人事業主が法人化するメリットを解説します。主なメリットは次の3つです。

売上によっては節税になる

個人事業主が支払う所得税は累進課税となっており、所得が増えるほど税率が高くなります。195万円以下の5%からはじまり、最高税率は45%です

所得税の他に、所得に対して住民税が課税されます。税率は多くの場合10%です。所得税率と住民税率の10%を合計して年間の税金が決まります。

法人の税率も、所得が増えるほど高くなりますが、ある時点で、法人税の税率の方が低くなるのです。つまり売り上げが増えて、所得が大きくなるほど、法人税の税率の方が低くなる可能性があります。

具体的な利益の目安については、後述していますので参考にしてください。

社会保険に加入できる

個人事業主が社会保険に加入できるのは、特定の業種において5名以上の従業員を雇用している場合だけです。しかし、法人化すると雇用人数に関係なく強制的に加入することになります。

法人化した後に経営者や家族が加入すると保険料の負担が変わるので注意が必要です。しかし、国民年金や国民健康保険よりは保証が手厚いため、法人化して社会保険に加入することはメリットになります。

クライアントの信用を得やすい

多くの場合、個人事業主よりも法人の方が信頼を得やすいです。中には法人に限定して取引を行う企業もありますので、法人化することでクライアントからの信頼は得やすくなるでしょう。

クライアントの信頼を得やすくなれば、業績の安定にもつながります。クライアントだけではなく、従業員を募集するときにも応募が集まりやすくなるでしょう。

加えて、銀行から融資を得る際も有利にはたらきやすいです。このように、法人化すると事業規模などから信頼度の向上につながります。

榎本希

個人事業主が法人化するメリットとデメリットを箇条書きでまとめると下記のようになります。

メリット

・収入によっては節税になる

・社会保険に加入できる

・社会的信用が上がる

・融資等が受けやすくなる

デメリット

・手続が複雑

・法人化に費用がかかる

・社会保険料の負担が大きくなる場合がある

法人化に適したタイミングとは

法人化のメリットを最大限に活かすには、適したタイミングがあります。目安となるのは利益と売上です。

利益が500万円前後

先ほど解説したように、個人事業主の所得税は所得に応じた累進課税です。法人の税率と比べて税率が高くなってしまう利益の目安は『500万円前後』となります。

個人事業主の利益が500万円を超えると、法人の税率よりも税率が高くなる可能性があります。利益が500万円前後になった段階を目安に法人化を考え、節税を検討しましょう。

売上が1000万円前後

法人化する売上の目安は『1000万円前後』です。利益や所得ではなく、あくまでも『売上』という点に注意してください。これは消費税を考慮した場合の目安です。

売上高が1000万円を超えると、消費税を納める義務が発生します。そのまま個人事業を続けてしまうと納税しなければなりませんが、このタイミングで法人化すると、条件を満たせば設立1期目と2期目は消費税が免除されるのです。

消費税の納税は金額が高くなりがちです。売上高1000万円を目安に法人化を行って、節税を意識してみてください。

法人化のタイミングを見極める際には売上高だけでなく社会保険料の負担分も考慮して検討するようにしましょう。従業員が4人の場合などは売上高によっては法人化しない方が従業員の社会保険料の負担がない分トータルでの収入は高いというケースがあります。

榎本希

法人化というと節税のイメージが強いですが、社会保険料の負担を念頭に入れるように注意しましょう。

法人化した場合には社会保険には強制加入となるため、従業員がいる場合には従業員の社会保険料の半分は会社が負担することになります。その分経費が増えるのです。

社会保険の加入要件を満たす従業員が4人の場合、個人事業主では社会保険の加入は必要ありませんが、法人化した場合には加入しなければなりません。

社会保険料の負担を踏まえて法人化すべきか迷った際には専門家に相談するようにしましょう。

法人化への手続き方法

利益や売上高の目安から法人化を意識したら、手続きの方法も事前に覚えておきましょう。

法人の設立

まずは法人の設立を行います。

定款や登記書類の作成、資本金の払い込みなどの手続きを行うことで設立になります。株式会社の他にも合同会社での設立も可能です。

個人事業から法人化(法人成り)するとはいえ、法人を一から設立する場合と手続きは変わりません。法人の設立にあたっては、司法書士などの専門家に相談するといいでしょう。

個人事業の廃業

法人の設立が完了したら、個人事業を廃業する手続きに移りましょう。都道府県税事務所や、所轄する税務署に書類を提出します。

  • 個人事業の開業届出・廃業届出(廃業届)
  • 青色申告の取りやめ届出書(青色申告をしていた場合)
  • 事業廃止届出書(消費税を納めていた場合)
  • 給与支払い事務所等の開設・移転・廃止の届出書(従業員を雇い、給与を支払っていた場合)

業種によっては、以上の他にも関係する機関に提出するべき書類があります。滞りなく手続きを進めましょう。

資産の移行

個人事業から法人化するにあたり、事業内容だけではなく『資産の移行』も必要です。プラスの資産も負債も法人化した会社に移すことが可能になります。財産の移行方法は3種類です。

  • 売買契約(個人事業主から会社に財産の売却を行う)
  • 現物出資(個人事業主から会社に金銭以外の資産を出資する)
  • 賃貸借契約(個人事業主と会社が賃貸借契約を結ぶ)

様々な資産を新会社に移行する際は、事前に試算してどの方法で移すか検討しましょう。資産ごとに適した移行方法を考え、試算することがポイントです。

いずれの移行でも時価の計算が必要になるため、税理士などの専門家に相談してみましょう。

榎本希

法人化する場合、まずは株式会社にするか持分会社(合同会社など)にするかを決めます。

その後、定款を作成・認証を、資本金の振り込み、登記書類の作成・登記を行います。

法人が設立した後は個人事業主の廃業届を税務署や地方自治体に提出し、個人事業主を廃業します。

設立手続を自分で行うのが難しい場合は行政書士(登記は司法書士業務になります)や司法書士へ、税務関係の相談は税理士に行うようにしましょう。

まとめ

個人事業主として売上や利益が伸びてきたら法人化を検討してみましょう。500万円前後の利益か1000万円前後の売上が、法人化するタイミングとして適しています。法人化は、法人の設立・個人事業の廃業・資産の移行の順番に取り組んでください。

榎本希 [監修]

医療機関・医大の研究室にて長年勤務をした後、行政書士試験を受験。医療系許認可をメインに扱う行政書士として、行政書士のぞみ事務所を開業。再生医療関係の許認可・診療所開設・医療広告ガイドラインに基づく医療広告のチェック等の他、任意後見・契約書作成・起業支援を扱う。

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