ショートカットキーとは

ショートカットキーとは、エクセルなどで作業をしているときに特定のキーを組み合わせて操作することで、作業を簡単にするための機能です。
キーの組み合わせで操作ができる
一つ試してもらいたいショートカットキーがあります。今、画面にたくさんのウィンドウを開いているとして、『Altキー』を押しながら『Tabキー』を押すと、開いているウィンドウの一覧が表示されます。
そして、『Altキー』を押したまま『Tabキー』を押すと、ウィンドウをセレクトできるようになります。このような便利な機能が、何十個と存在しているのです。
ショートカットキーを覚えるメリット

では、ショートカットキーを覚えるとどのようなメリットがあるのでしょうか?大きく分けると、三つの観点から説明できます。
時間短縮ができる
まずは、作業時間の短縮です。必要なショートカットをマスターするだけでも、毎日の作業が何分レベルではなく何時間レベルで短くなります。
ショートカットを1回使うだけでは数秒の時間短縮にしかなりませんが、これが積み重なると何分、何時間の短縮につながります。
そのため、ショートカットを使っているときにはその効果はあまり感じられませんが、ショートカットをまったく使わない人と使った人では、労働時間は想像以上に違っているものです。
疲れを抑えられる
時間が短縮できるということは、パソコンに向かっている時間が短くなるということです。作業時間が短くなることで、体の疲れも少なくなります。肩や腰の痛みも、和らいでいくでしょう。
また、目を使う時間も短くなるので、眼精疲労も少なくなることが期待されます。同時に、ショートカットキーを使うことでパソコンの画面の端から端までを目で追う必要がなくなるので、目の動きも少なくなり疲労がたまりにくくなると考えられます。
ほかのソフトでも応用できる
実はエクセルで使うショートカットはワードやパワーポイントなどにも応用できます。そのため、ほかのソフトを使用するときの時間短縮にもつながるのです。
結果的に大きく作業時間を減らすことができるので、覚えておいて損はないでしょう。
基本的なエクセルのショートカットキー

それでは、エクセルで使用する基本的なショートカットキーを紹介していきます。
便利なショートカットキー
まずは『操作』に関するショートカットキーを見ていきましょう。
- 『Ctrlキー』+『H』:置換ダイアログボックスを表示
- 『Altキー』+『F4』:エクセルのソフトを終了
- 『Altキー』+『Enterキー』:セル内で改行
同じ言葉を少し修正したいとき、1カ所ごとに手入力で修正していくのは時間がかかります。そんなとき『Ctrlキー+H』を使ってみましょう。
検索する文字列と置換後の文字列を入力することで、選択している部分の文字や数値を一括で書き換えられます。表記ゆれや固有名詞の修正が一気にできるので、校正ツールとしても有効です。
『Altキー+Enterキー』は、セルが横長になりすぎないようにするときに使います。
ショートカットキーで保存や削除
続いて、ショートカットキーを使った保存や削除の方法です。全て『Ctrlキー』を使用しており、左手で完結する使いやすい配置が魅力です。
- 『Ctrlキー』+『C』:選択したセルをコピー
- 『Ctrlキー』+『S』:作業中のファイルを上書き保存
- 『Ctrlキー』+『V』:コピーしたセルの内容を任意のセルに貼り付ける
- 『Ctrlキー』+『X』:選択したセルを切り取る
- 『Ctrlキー』+『Y』:直前の操作を繰り返す
- 『Ctrlキー』+『Z』:直前の操作を元に戻す
コピー『Ctrlキー+C』や、切り取り『Ctrlキー+X』は、複数のセルの選択も可能です。『Shift+矢印』を使用して範囲を選択してから、ショートカットキーを押すことで、コピーや切り取りができます。
書式設定のショートカットキー
書式設定にもショートカットキーを使用することで、作業時間が短縮できます。
- 『Altキー』+『Shiftキー』+『7』:ダイアログボックスのスタイルを表示する
- 『Ctrlキー』+『1』:セルの書式設定のダイアログボックスを表示する
- 『Ctrlキー』+『B』:太字の書式設定と解除を切り替え
- 『Ctrlキー』+『I』:斜体の書式設定と解除を切り替え
- 『Ctrlキー』+『U』:下線の設定と解除を切り替え
- 『Ctrlキー』+『5』:取り消し線の設定と解除
- 『Ctrlキー』+『Shiftキー』+『6』:セルに外枠罫線を適用
- 『Ctrlキー』+『Shiftキー』+『_』:セルの外枠罫線を削除
- 『Ctrlキー』+『Shiftキー』+『F』:ダイアログボックスのフォントを表示する
太字・斜体・下線の設定と解除は、上記のショートカット以外にもそれぞれ『Ctrlキー+2・3・4』でも行えます。
また、ダイヤログボックスのフォントに関しても『Ctrlキー』+『Shiftキー』+『P』という方法もあります。
ファンクションを使ったショートカットキー

ファンクションキーとは、キーボードの上の方に 『F1』『F2』『F3』というように表記されている『F』と数字を組み合わせたキーのことです。
実は、このキーにはさまざまなショートカットが隠されています。
ファンクションキーの役割
ファンクションキーには、あらかじめ便利に利用できるショートカットが設定されています。簡単で活用しやすいものばかりです。
- 『F1』:エクセルのヘルプを作業ウィンドウ内に表示する
- 『F2』:選択しているセルの内容の末尾にカーソルを移動する
- 『F3』:名前の貼り付けダイアログを表示する
- 『F4』:直前のコマンドを繰り返す
- 『F5』:ジャンプのダイアログを表示する
- 『F6』:ワークシート・リボン・作業ウィンドウ・ズームコントロール間で切り替える
- 『F7』:ダイアログを表示してスペルチェックを行う
- 『F8』:拡張選択モードを切り替える
- 『F9』:開いているブックの全てのシートを計算する
- 『F10』:キーヒントのオンとオフを切り替える
- 『F11』:現在選択している範囲からグラフを作成する
- 『F12』:ファイルに名前を付けて保存する
ファンクションキーはそれ自体でショートカットキーとして作動します。ほかのキーとの2ボタン同時押しをする必要がないので、とても手軽に利用できるショートカットキーといえます。
Ctrlキーとの組み合わせ
ファンクションキーは単体でもショートカットの役割を果たしますが、Ctrlキー(Macの場合はcommandキー)と組み合わせることで、また別の動作を行うことが可能です。
Ctrlキーとファンクションキーの組み合わせでは、主にブックに関する操作のショートカットが搭載されています。
- 『Ctrlキー』+『F4』:選択しているブックを閉じる
- 『Ctrlキー』+『F6』:複数のブックが開いているときにほかのブックに移動する
- 『Ctrlキー』+『F9』:ブックを最小化する
- 『Ctrlキー』+『F10』:選択しているブックを最大化、もしくは元に戻す
Altキーとの組み合わせ
Altキー(Macの場合はoptionキー)とファンクションキーの組み合わせでは、グラフや図表の作成に活用したいショートカットが搭載されています。
- 『Altキー』+『F1』:現在の範囲からグラフを作成し、シートに表示する
- 『Altキー』+『F8』:ダイアログでマクロを表示する
Shiftキーとの組み合わせ
Shiftキーとファンクションキーの組み合わせは、普段からよく使用する操作が多くあるので覚えておきたいところです。
- 『Shiftキー』+『F2』:セルのコメントを追加・編集する
- 『Shiftキー』+『F10』:選択アイテムのショートカットメニューを表示する
- 『Shiftキー』+『F11』:ワークシートを挿入する
そのほかエクセルでの便利な知識

このようにショートカットキーはたくさんあるので、すべてを覚えるのはなかなか至難の業です。そこで、最低限押さえておきたいショートカットキーと、そのショートカットキーを利用するポイントを紹介します。
Altキーを押すとコマンドが表示される
エクセルでショートカットキーをマスターするポイントは、『Altキーの使い方を押さえること』が重要です。
エクセルの作業中にAltキーを押すと『タブ』メニューに英字が表示されるので、Altキーを押したまま英字を押すとそのメニューが実行されます。
クイックアクセスツールバーに追加
よく利用する操作は『クイックアクセスツールバーに追加すること』をおすすめします。このバーに追加すると、『Altキー』+『数字キー』でショートカットが利用できます。
『リボン』に表示されているコマンドをキーボードで行うと、キー操作は最低でも2回以上必要になりますが、クイックアクセスツールバーに登録しておけば1回の操作で作業が終わります。
ショートカットメニューを利用する
マウスを右クリックすると『ショートカットメニュー』が表示されるので、有効に活用しましょう。キーボードによっては右下にあるアプリケーションキーでも同じ動作をします。
このアプリケーションキーがない場合は、『Shiftキー』+『F10』のショートカットキーを利用してショートカットを表示しましょう。
まとめ
ショートカットキーを有効に活用することで作業時間はスピードアップし短縮できます。慣れるまでは難しく感じますが、一度慣れてしまうとこんなに便利なものはありません。
まずは、いろいろなショートカットを試してみて、体に覚えさせましょう。