仕事で使える資料作成の基本とコツ

いくつかのポイントをおさえるだけで、資料の出来上がりは良くなります。基本的な考え方を確認し、良い資料を作るためのコツも紹介します。
資料作成の原則を守る
資料作成には常に意識しておきたい五つの原則があります。
- 一つのページには一つの主張のみを盛り込む
- ページ内の文字数は少なめにする
- イメージを多用し、興味関心を促す見せ方を工夫する
- 余計な情報を省略し、伝えたいことのみを書く
- 聞き手側に立って考え、分かりにくそうな内容は説明を加える
目的を整理して構成を考える
会議やプレゼンなどでの資料を作る際は、目的を整理することが大事です。資料はあくまでもゴールへ向けての補足的な存在であり、議題の内容をより分かりやすくするものとして作成しましょう。
例えば、文字が多すぎる資料は、参加者に目を通してもらうだけで十分です。表やグラフなどを多用し、発表者が伝えきれないことを補う資料になるよう意識して作成しましょう。
準備もせずいきなり資料作成に着手してしまうと、手直しなどで余計な手間がかかる場合があります。会議やプレゼンの目的を確認し全体の流れをイメージできれば、どのような構成で資料を作ればよいのかが見えてきます。
レイアウトの基本を守る
レイアウトが悪ければ見た目が悪くなり、また理解の妨げにもなりかねません。以下に挙げる五つの基本を守ることが重要です。
- Zの法則(物を見る人の視線はZの形に動きやすい)を意識する
- 全体を通して統一のルールを作る
- 色の種類を少なくする
- 詰め込みすぎず適度に隙間を作る
- 各要素をバラバラに置かず整列させる
フォーマットをつくって効率化を図る
構成とレイアウトは、資料作成において最も手間や時間がかかる要素です。一度作った構成やレイアウトをテンプレート化しておくと、次回以降の資料作成にかかる作業時間を大幅に短縮できます。
また、フォーマットを作っておくと参加者の理解が早まり、目的までの時間短縮にもつながります。
資料作成に役立つツールや本を紹介

会議やプレゼンの資料作成時におすすめのサービスと、参考になる本を紹介します。
お役立ちソフトやアプリ
場所を選ばず手軽に資料作成できるツールとして、クラウド型の『Zoho One(ゾーホーワン)』がおすすめです。40種類ものビジネス系アプリが揃っており、文書や表計算、プレゼンなど、資料の種類に合わせてそれぞれ自由に利用できます。
作成した資料はウェブ上に保存可能な上、複数人での共同作業もできます。30日間無料でお試し利用できるので、使い勝手を確かめてから購入できるのもポイントです。
Zoho One - ビジネスオペーレーションシステムスイート
魅力的なスライド資料を作成したい場合におすすめのアプリが『Keynote(キーノート)』です。Apple社製のアプリですがWindows製の端末からもアクセスできます。
テンプレートが30種類以上用意されており、レイアウトに悩む必要がありません。さらにエフェクト機能やアニメーション機能などスライドの演出を引き立てる機能が充実しています。
- アプリ名:Keynote
- 価格:無料
- App Store:ダウンロードページ
本を読んで資料をレベルアップ
会社内で会議やプレゼンなどの機会が多い人におすすめの本が、『社内プレゼンの資料作成術』です。著者はソフトバンクの社内プレゼン講師を担当する前田鎌利氏で、孫正義社長の一発OKを連発したといわれるテクニックが本書で学べます。
色や配置に関するテクニック、表やグラフのわかりやすい使い方など、基本から徹底して解説されています。シンプルかつ論理的な資料作成を目的とした内容で、資料作成本での学習が初めてという人にもおすすめの一冊です。
- 商品名:社内プレゼンの資料作成術
- 価格:1728円(税込)
- Amazon:商品ページ
数字やグラフの見せ方に自信を持ちたいプレゼン初心者向けの本が『外資系投資銀行の資料作成ルール66』です。著者が外資系投資銀行で培った、数字を重点に置く資料作りのノウハウがわかりやすく学習できます。
資料作成に必要な66のルールにより、短時間で見栄えのよい資料を作る方法がわかります。パワーポイントの使い方だけにとどまらず、数字を扱う上で重要なエクセルの使い方や効果的な見せ方の解説もあり、普段の業務にも活かせる内容です。
- 商品名:外資系投資銀行の資料作成ルール66
- 価格:1728円(税込)
- Amazon:商品ページ
資料作成代行サービスとは

最近は代行サービス業者に資料作成をアウトソーシングする企業が増えています。代行サービスへの主な依頼内容、依頼することによるメリットやデメリットについて解説します。資料作成代行の副業を検討している場合も参考にしましょう。
資料作成代行に依頼できること
資料は業界や職種などで様々な内容のものがありますが、社内業務において資料と呼べるものは、ほとんどが資料作成代行に依頼できるでしょう。
資料作成の代行案件としては、プレゼン資料・事業計画書・企画書・パンフレット・各種マニュアル・経理関係書類といったものがあります。
使用するソフトは、パワーポイントが最も多く、ワードやエクセルと続きます。依頼される側としてはこれらのソフトを一定レベル以上使いこなせることが必須といえるでしょう。
代行サービスのメリット
資料作成を専門としている代行サービスに依頼する一番のメリットは、ハイクオリティの資料を作成してもらえる可能性が高いことです。
社内で資料を作成する場合は、従業員が業務の合間を縫って行うことがほとんどでしょう。また、資料作成を専門としているわけではないため、出来栄えの良さも期待しにくくなります。
代行サービスに資料作成を依頼するもうひとつの大きなメリットは、従業員の時間と手間を失わずに済む点が挙げられます。もちろん代行費用はかかりますが、それ以上に従業員が資料作成に時間や手間を奪われることなく、本来の業務に集中できるメリットは企業にとっても大きいはずです。
代行サービスのデメリット
代行サービスのデメリットとして、資料のクオリティが納品されるまで分からないリスクが挙げられます。従業員の仕事ならいくらでもやり直しがきくでしょうが、代行サービスを依頼する場合は修正の範囲にも限界があるでしょう。
また、個人代行への単発依頼の場合、契約を交わさずに発注した後、納期が守られなかったりキャンセルされたりする可能性もあります。クラウドサービスなどを通した依頼で稀に起こるケースです。
これらのことを踏まえた上で、代行サービスの副業を検討する際は、できるだけクオリティの高い資料を作成できるレベルにまで、自分のスキルを上げる必要があるでしょう。また、クライアントからの信頼を失わないよう、約束事はしっかりと守り、できれば毎回契約書を交わすくらいの意識を持つことも大事です。
資料作成を仕事にする

前章でも触れたように、資料作成の代行サービスは近年需要が高まっています。そこで、副業として資料作成を仕事にするためのポイントについて解説します。
資料作成の副業を始めるには
資料作成代行の副業を始めるためには、クラウドソーシングサービスに登録するとよいでしょう。常時多くのクライアントが、様々な案件の募集をしています。
報酬の約20%を手数料としてシステム側に支払う必要がありますが、自分で営業し顧客を獲得する手間を考えると決して高くはないでしょう。案件の内容も多岐に渡り、自分のスキルに合った募集を見つけやすいメリットもあります。
資料作成に使えるアプリ
現在はスマホやタブレットのアプリでも、PC並みのクオリティで資料作成の作業ができます。また、アプリなら場所に縛られることもありません。
プレゼン資料作成アプリでは『Google スライド』がおすすめです。PowerPointと比べテンプレートが豊富に揃い、見た目のよい資料を手際よく作成できます。各Googleアプリとの連動もでき便利です。
Androidなら『Docs To Go』も便利なアプリです。老舗のオフィス文書編集ツールで、Officeファイル全ての編集や保存ができ、古いバージョンにも対応しています。また、PDFファイルも閲覧可能です。
資料作成の副業のコツとは
副業での作業は時間との勝負です。短い時間でも伝わりやすい資料を作れるよう、具体的で実践的なコツを紹介します。
- 1枚の資料に使う色は3色まで
- 基本の文字色は黒ではなく、スッキリ見えるグレーを使う
- フォントはwindowsなら『メイリオ』、Macなら『ヒラギノ』
- フォントサイズは最低でも18とする
- 行間を広く開け読みやすくする
- アイコンを適度に入れ文章にアクセントをつける
- 表は罫線を使わず1行ごとに薄く色をつける
- 表は項目が多い方を縦軸にする
- 表の中の強調したい数字は色をつけ太字にする
- グラフは注目してほしいラインのみ色をつける
- 資料の全体像を1枚作成し、途中何度も見せる
まとめ
資料作成を仕事にする場合は、一定レベル以上の能力が求められます。スキルを上げるためには、目的を整理したり構成を考えたりして、基本をしっかりと守ることが大切です。アプリなどのサービスも上手に利用しましょう。