ティール組織とは?新時代の組織モデルを分かりやすく解説

ビジネスにおいて、多くの企業にとって大きな課題となっているのが『組織の作り方』です。最近は、日本でも『働き方改革』が提唱されていますが、その中で注目を集めている『ティール組織』について解説していきましょう。

Offers」は、時代の変化や環境にあわせてスキルを磨きたい、そんな人にぴったりのサービスです。「副業・複業」で、本業では経験できない、新しい環境/開発スタイルを経験しよう!

→「Offers」をもっと詳しくみる! かんたん60秒で副業を始めてみる

ティール組織とは新しい組織モデル

2014年、ベルギー出身のコンサルタントであるフレデリック・ラルーによって書かれた『Reinventing Organizations』の中で紹介されたのがティール組織です。

この著書の中で、ラルーはこれまでのマネジメント手法は正解だと思われているものの、組織に悪影響を与えるかもしれないと指摘したことが話題を集めました。

今話題の新しい組織モデル

ティール組織は、これまでの組織モデルが生みかねない副作用を解決するために生まれた組織モデルで、概念としては新しいものです。

旧来の方法におけるマネジメントや上司・部下の関係というものについて、正解だと思われていたものが実は組織にとっては良くない方向に進む可能性を指摘し、ティール組織によって解決しようという試みです。

ティール組織の意味

ラルーは、ティール組織において組織フェーズを5段階の『色』に分けています。この色の基本になっているのは、アメリカ生まれの現代思想家であるケン・ウィルバーが提唱した『インテグラル理論』の『意識のスペクトラム』です。

この『意識のスペクトラム』では、赤・琥珀・オレンジ・緑・青緑の順番で世界を捉えようと試みました。この『意識のスペクトラム』で示された5色を踏襲したのが、ティール理論となっています。

ティール組織の5つのフェーズ

それでは、ティール理論における組織フェーズを5段階で示した5色はどのような意味を持っているのでしょうか。それぞれを詳しくみていきましょう。

レッド

組織の形としては、最も古いものとして考えられているレッド(赤)組織は、『衝動型組織』とも呼ばれます。レッド組織における思考はシンプルで、自己中心的とも言えるものです。自分以外の存在を脅威として扱うため、力による支配を進めます。

レッド組織のリーダーは、恐怖を与えることで服従を誓わせます。レッドの組織は戦略性が低いために短期的な行動による組織運営を行うため、あくまで対処療法に近いものがあります。長期的な展望を組み立てることは難しい組織と言えるでしょう。

アンバー

アンバー(琥珀)組織は『順応型組織』とも呼ばれます。組織に権力・階級・秩序・統制などを持ち込んだもので、政府機関や学校・軍隊、宗教団体などがこの組織に当たります。

対象が個人だけでなく集団に拡大しましたが、その対象が組織外にまで及ぶことはないため、アンバー組織のリーダーは権威主義的な存在として位置づけられます。

組織内部に規律やルールができ、長期的な視野で組織を運営することが可能となりましたが、世の中は不変なものという大前提があるため、大きな変化にはついていけないという欠点があります。

オレンジ

オレンジは『達成型組織』とも呼ばれます。最終目標を『社会的な成功』と位置づけ、プロセス・プロジェクト・マーケティングなどの概念を組織に持ち込みました。

このオレンジは、世界的視野を持つグローバル企業によくみられる組織です。興味の対象が組織内部から世界全体にまで拡大することで、組織と自分自身が社会的成功を達成するためにはどのようなすべきかを考え行動するようになりました。

長期的な展望に立ったビジョンの実現のために、あらゆる可能性を探る柔軟性はあるものの、メンバーを機械のように扱う面もあるため、人間関係を軽視する傾向にあります。

とはいえ、社会的成功に向かってトライアンドエラーを繰り返すことで、マーケットに感動・衝撃を与える発明を行える組織とも言えるでしょう。

グリーン

グリーンは『多元型組織』とも呼ばれます。ピラミッド型の組織に、多様性を意味するダイバーシティのような新たな概念を加え、独自の組織文化を作り出したのがグリーンの特徴です。

人種・性別・思想などといった制限は排除し、どのメンバーに対しても平等な機会を与える組織運営を目指し、メンバーを家族としてとらえ、お互いを支えあいながら組織なので、組織の意思決定は全メンバーに分け与えられます。

この組織運営の方法は理想的と考えられる一方で、合意形成の間にビジネスチャンスを失ったり、レッドやアンバーの段階にいるメンバーから理解を得られなかったりするデメリットが発生するケースもあるようです。

ティール

最後にティールです。ティールは『進化型組織』とも呼ばれます。この組織にはマネージャーやリーダーといった管理職的な役職は存在しません。上司・部下といった概念すらありません。

全メンバーが平等な権限と責任を持つことになり、組織の創設者であっても新しいメンバーと平等な位置にいると考えられています。

メンバーは常に、組織としての社会的な使命を意識しながら組織を運営することになります。そのため、全メンバーのコンセンサスを得ることよりも、目の前にある課題を解決することに注力します。

また、権限と責任を全メンバーが持つことになるので、レッドやアンバーの段階にいるメンバーも権利を乱用できず、逆にメンバー同士が刺激しあい組織が進化していく可能性も秘めているのです。

従来の達成型組織モデルの課題点

従来の組織のことを、フレデリック・ラルーは『達成型組織』と位置付けています。現代の民間企業の多くがこの達成型組織だと考えられていますが、ティール組織ではこの組織の課題を指摘しています。では、この課題点はどのようなものがあるのでしょうか。

恐怖によるマネジメント

メンバーが頑張ることで会社が存続する、そうでなければ会社が倒産してしまうというプレッシャーは、達成型組織の特徴としてまず挙げられることです。実際に、有名な企業の多くでは、このプレッシャーによるメンバーマネジメントが行われてきました。

しかし、この恐怖によるマネジメントは、油断をしたら滅びてしまうという精神的な恐れが先にあることと、近い領域で仕事をしているにもかかわらず同業他社のメンバーを『敵』とみなしてしまうという副作用を生み出します。

その副作用は、売り上げ・利益の確保を最優先することで最終的に組織内のメンバーをも『敵』とみなしてしまいかねません。

階級制度による疲弊

達成型組織においては、組織図に基づく階級制度が重要視されます。誰がどんな役割を果たすのかという肩書によって、上位の職種にいるメンバーが人事・予算・長期計画などの意思決定権限を持つことになります。

この肩書によって、メンバーは自分自身のすべきことを把握し、社内のリソースを効率的に配分できます。こう考えると、副作用など起こらないような気がしますが、ラルーは以下の副作用を指摘しています。

まず、肩書をつけることで多くのメンバーに対して説得する必要が生じてしまうことです。部下に対して仕事をやってもらうにあたり、説得する・納得させるという作業が発生し管理者が疲弊してしまう原因となるでしょう。

そして、説得を受けた部下が納得しなければいけないという点です。素直に納得できれば良いですが、嫌な仕事を甘んじて受け入れるとなると、悩みながら業務に取り組むことになるでしょう。

本来の自分を出せない

そして、達成型組織の最後の特徴としては、仕事を成功させるためにメンバー同士の能力を高め、その成果によって評価・昇進を行う点にあります。この繰り返しにより、メンバーは成長し組織も大きくなると考えると、何が問題なのかが分かりません。

しかしラルーは、仕事で必要とされている人格のみを組織のために使うことで、それ以外の個性を閉じ込めてしまうことが欠点だと指摘しています。つまり、本来の自分が持っている個性を出せない組織だと考えたのです。

ティール組織の特徴

達成型組織の特徴から分かることは、さまざまな副作用をはらんでいるということです。この副作用により、組織のメンバーが疲弊してしまうリスクを抱えているため、最終的には組織の崩壊に繋がりかねません。

ではこの達成型組織の副作用を起こさないために、ティール組織ではどのような考え方でこの課題に立ち向かっていこうとしているのでしょうか。

組織の存在目的を定める

達成型組織においては、メンバーに対して恐怖を植え付けるというマネジメントが行われてきました。組織が生き残るためには、メンバーを恐怖で突き動かすという仕組みです。

この状況に対して、ティール組織では組織において個人がどんな役割を果たす必要があるのかを重視します。この組織に所属している・存在している目的を明確にすることで、その目的に対してメンバーがどう貢献できるかという部分で労働意欲を高めます。

自主的にシェアして助言を求める

達成型組織においては組織図が重要な役割を果たし、上位の肩書を持つものによる決裁でリソースが分配される仕組みでした。

しかし、ティール組織には肩書や上司・部下といった概念がないので、メンバー同士の助言や助け合いにより成果を求めていくでしょう。

ありのままをさらけだす

達成型組織の中でメンバーの個性において、仕事で必要な部分のみを組織は重視します。これは、会社の業績への貢献という意味においては効率的ですが、メンバーの人となりや個性を無視してしまう結果になりかねません。

そこでティール組織では、メンバー同士がありのままの自分という個性を前面に押し出したとしても、お互いに受け止められるような組織内に安心感のある環境を作ることを目指します。

個性をさらけ出すことで、仕事に対する意欲やモチベーションも最大化されると考えて、入社時期からありのままの自分でいてもらう流れを作っていきます。

ティール組織に関する正しい知識

ティール組織はここ数年に世に生まれた新しい組織モデルです。そのため、多くの誤解が存在していることも事実です。誤解による先入観があると、正しい理解にはつながりません。そして、その誤解のために正しい形のティール組織の実現から遠のいてしまいます。

業種や規模を問わない

ティール組織について誤解されやすいのが、大規模な組織には向かないという考えです。実は、ティール組織の提唱者であるフレデリック・ラルーもこのような予想をしていたと言います。

しかし、実際に調査を進めると組織の規模を問わずティール組織が実現していることが分かりました。また、さまざまな業種でティール組織が構築されていたことから、規模だけではなく業種も問わないことも分かっています。

ホラクラシー組織と同義ではない

ホラクラシーという、上下関係のないフラットな組織を意味する概念があります。そのため、ホラクラシー組織とティール組織を同一視する考え方があります。

しかし、ホラクラシーはセルフマネジメントを重視していることから、組織の全体性を重視するティール組織とは一線を画しています。『ティール組織=ホラクラシー型組織』ではないのです。

リーダー自身の意識改革が必要

現場で働くメンバーがティール組織的思想である組織の存在目的を意識しながら業務に取り組んでいたとしても、旧来の組織におけるリーダーがその存在目的を意識していなければ、ティール組織への移行は難しくなります。

組織というものは、リーダーの意識改革により進化します。そのため、リーダーが自らティール組織への変化を望み、肩書や権限を手放す意識を持つことが重要です。

ティール組織を学ぶための本

このようなティール組織を学ぶためには、正確な知識を得るためには専門書の熟読をおすすめします。以下に紹介する2冊を読めば、より深くティール組織を理解できるでしょう。

ティール組織:マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

フレデリック・ラルーがティール組織を紹介した『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』は、ティール組織を学ぶ教科書といってもよいでしょう。

ティール組織の構築・運営が丁寧にまとめられたこの本には、ティール組織のリーダーたちがどのようにして旧来のマネジメントで解決できなかった課題に対して向かっていったというような、実践的なエッセンスが詰め込まれています。

  • 商品名:ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
  • 価格:2500円
  • Amazon:商品ページ

実務でつかむ! ティール組織

日本初のホラクラシー認定ファシリテーターである吉原史郎の著書『実務でつかむ! ティール組織 “成果も人も大切にする”次世代型組織へのアプローチ』です

旧来の組織の取り組みを振り返りながら、次世代型組織へ変化するための仕掛けを、日本のさまざまな企業・NPOを例にとって解説しています。

  • 商品名:実務でつかむ! ティール組織 “成果も人も大切にする”次世代型組織へのアプローチ
  • 価格:1599円
  • Amazon:商品ページ

まとめ

このように、ティール組織とは旧来の組織とは大きく異なる独自の発想を持った組織です。これまでの組織モデルで発生していたさまざまな問題点を解決し、より円滑な組織運営を行うことができる可能性を秘めています。

ティール組織という概念に対して正しい理解をして、今の組織でリーダーと呼ばれている人たちがティールの発達段階へ成長することが、ティール組織に近づく一歩といえるでしょう。

Offers」は、時代の変化や環境にあわせてスキルを磨きたい、そんな人にぴったりのサービスです。

いくつもの転職媒体を使って、企業を探し回るのはもう終わり。「副業」から始まる新しい働き方を実現します!

本業では経験できない、新しい環境/開発スタイルを経験しよう!



この記事をシェア

関連記事


副業・フリーランス

プログラミング

インタビュー

シニアレベルを2名採用!現場の負荷を軽減した採用活動、その打ち手がOffersだった

700万ダウンロードを突破し、コスメの口コミアプリとして急成長を続ける「LIPS」。これまで正社員や業務委託問わず、各専門性をもったエンジニアが集うことでグロースを続けてきた。そんな同社のハイス...

インフラとフロントエンドの3名を採用! Hotspringが考える採用方針と旅行サービスの未来とは

旅行予約サービス『こころから』を運営するHotspringは、今後の旅行業界の変化を見据えたプロダクト開発を推進している。これまでリファラルやTwitter採用を行ってきた同社が、なぜOffer...

フロントエンジニアの採用に成功!複業採用の秘訣はコンシェルジュの伴走と、独特な1on1にあった

AIチャットボット市場で圧倒的なシェアを誇る「HiTTO(ヒット)」を展開するHiTTO株式会社。今後さらなる顧客満足の向上に向けて、自社プロダクトの強化を加速していく。そこで重要になるのが開発...

専任CSメンバーがサポート。わずか1ヶ月半で、採用難易度の高いリードクラス2名の採用に成功!

女性限定コミュニティに注力する株式会社SHEでは女性の「自分らしい生き方」の実現を目指し、クリエイティブスクール「SHElikes」に加え、美容領域「SHEbeauty」や金融領域「SHEmon...

デザイン

お金

採用・組織

グルメ