ネットショップ構築で気をつけたいこと

収益の上がるネットショップを構築するには、注意しておくべきいくつかのポイントがあります。
売上に結びつくネットショップは、どのように構築すればよいのでしょうか。
売上に繋がるUIUX
ネットショップの売り上げを左右する要素として、『UI(ユーザーインターフェース)』『UX(ユーザーエクスペリエンス)』が上げられます。
UIの『インターフェース』とは『境界、接触点』という意味で、Webサイト上のデザインやアイコン、フォントなどすべての情報を指します。ユーザーはUIを介してWebサイト上のサービスや製品にアクセスするため、UIは『ユーザーとWebサイトを繋ぐ窓口』と考えればよいでしょう。
一方、UXの『エクスペリエンス』とは『体験』という意味で、Webサイトを訪れたユーザーが抱いた印象や感想を指します。例えば、サイトを訪れて「デザインがよい」「綺麗」と感じれば、それらはすべてUXです。
ショップの売り上げ増加には、より良いUXが必要になります。そのためにはいかに質の高いUIを設置できるかが、カギとなるでしょう。
セキュリティ対策
ネットショップ構築で重要なのが、サイトの脆弱性にかかわるセキュリティ対策です。脆弱性があると、以下のような脅威が懸念されます。
- 個人情報漏洩
- 偽情報の表示
- データベース上の情報の改ざん、消去
- ウィルス感染サイト化
脆弱性は、CGI(Common Gateway Interface)プログラムなど、システムの作り方や設定ミスに多く見られます。サイトへの攻撃者は脆弱性をついて悪意のあるコマンドやリクエストを与えてくるため、つけいる隙をあたえないことが重要です。
ただし、脆弱性への対策は、一度で終わりというわけではありません。システムの安全性は時間とともに劣化するため、定期的にメンテナンスが必要です。
ネットショップ構築の相場

ネットショップを構築する場合、どんな構築方法を選ぶかで金額は大きく異なります。主な構築方法は以下のとおりで、下に行くほど構築費用は高額になるでしょう。
- ASP(Application Service Provider)
- オープンソース
- パッケージ
- フルスクラッチ
ただし、構築時に注意したいのが、構築後のランニングコストです。初期費用が安くても月々のコストが高くつく可能性があるため、構築方法はランニングコストを含めたうえでの検討をおすすめします。
また、この項で記載している金額については、『初期費用』部分のみと心得てください。
無料〜10万円程度で構築可能
ASP型の構築ツールを利用した場合、無料~10万円程度で構築が可能です。
ASPとはアプリケーションソフトをネット上のサービスとして提供すること、またはその事業者のことを指します。この方法を選択した場合、インターネットを介した『レンタル』という形で構築することになるため、PCへのインストールは不要です。構築後もサーバやソフトウェア管理の必要はなく、自動更新で常に最新バージョンを利用できるというメリットがあります。
ただし、既存のシステムを利用するため、カスタマイズやデザインの自由度は物足りないことも考えられます。
相場は50万円前後
企業ではなく個人でネットショップを構築する場合、相場は50万円前後です。構築方法としては前述のASPや、誰でも無料で利用、改変できる『オープンソース』が用いられることが多く、『カラーミーショップ』や『EC-CUBE』といった構築パッケージが使われます。
個人でも『パッケージ』『フルスクラッチ』で構築することは可能ですが、かかる費用を考えると現実的ではありません。
構築だけで数百万かかるケースもあり、年商規模が1億円を超える程度でなければ、割に合わないでしょう。
費用が高いほど製作期間も長い
ショップの仕様が複雑になるほど費用はかさみますが、同時に制作にかかる時間も長期になります。
まず、最も低価格で構築できるASPを選択した場合、制作期間は早ければ1週間、遅くとも1カ月程度です。また、ASPよりやや複雑なオープンソースの場合は1~2カ月ほど見る必要があるでしょう。
一方、制作費が100万円を超えるパッケージやフルスクラッチを選択した場合、制作には2カ月以上かかります。規模が大きく本格的なサイトを構築する場合は半年以上かかるケースもあるため、余裕のある構築計画を立てることが必要です。
出典:ECサイト制作の平均費用と料金相場|おすすめの制作会社もご紹介【2019年度最新版】
自社サイト以外の選択肢もある

ネットショップを開く場合、独自で構築する以外に、『インスタントEC』『モール』『個人ショップ』という方法もあります。それぞれどのようなものなのか見てみましょう。
インスタントEC
インスタントECとは、無料でオンラインショップを開設できるネット上のサービスです。開設にかかる費用は不要のため、ネットショップが初めてという人でも負担なく始められます。
利用できるサービスとしては『STORES.jp』『BASE』がありますが、集客は個人で行うしかありません。売上を上げるには、SNSやブログを使った販促活動が必須でしょう。
ECモール
ECモールとは、ネット上の商店街のようなものです。『楽天』『Amazon』がその代表と言えばわかりやすいでしょうか。
モール自体に集客力があるため、個人ショップよりは顧客にアピールしやすいというメリットがあります。ただし、競合ショップが多いので、価格やサービスは他店と比較される場合が多いです。
モールで販売を伸ばすには、価格競争や広告競争に勝つ必要があるでしょう。
C2Cサービス
ヤフオクやメルカリ、ラクマなどを利用した個人間の取引が、『C2C・CtoC(Consumer to Consumer)』です。登録さえすればすぐに商品を販売できるため、敷居の低さでは一番でしょう。
品物やサービスを売り上げると手数料は引かれますが、運営コストゼロなのは魅力的です。ただし、保守・運営にかかるコストが無いぶん、サポート体制はやや弱い印象です。
まとめ
どのような方法でネットショップを構築するかによって、かかる費用は大きく異なります。ネットショップの目的や規模によって、機能やデザイン、コストパフォーマンスを複合的に検討することが重要です。
また、コストを抑えたい場合は既存のプラットフォームを活用するという方法もあります。ネットショップ初心者や小規模事業の場合は、こうしたサイトで様子見をしてみてはいかがでしょうか。