そもそもSlackとはどんなツール?

世界中で800万人以上ものユーザー数を誇るSlackは、今や海外のビジネスの現場では欠かせないコミュニケーションツールです。日本でもダウンロード数が50万を突破し(2018年6月時点)、IT企業を中心にあらゆるビジネスシーンでSlackが使われています。
そもそもSlackとはどんなツールなのか解説します。
業務用のチャットツール
Slackは業務用のチャットツールとして、主に会社内のプロジェクトを進める際に利用するケースが多く見られます。3人以上の複数人との業務のやりとりに使うことが多く、グループ内で活発にコミュケーションをとることができます。
ある特定のサービスを開発する過程において、複数人での作業や対話のほか、様々な資料などを共有しながらプロジェクトを進める必要がある場合に、Slackが役立つのです。
PC、スマホで使える
Slackは、Web版とSP版、PC版の3種類のソフトウェアを提供しています。PC版ではWindows、Mac、そしてLinuxと幅広く対応しており、その開発力の高さをうかがい知ることができます。
またアプリ版はAndroidとiOSの両方に対応しています。オフィスではパソコンでSlackを利用し、外出先や移動中はスマホでSlackを利用することで、大切な資料や重要な発言を見逃すことなく、常にグループに参加できるのです。
Slackの導入方法

Slackは、パソコンかスマホがあれば簡単に導入できます。無料コースと有料コースが用意されていますが、無料コースでも最大10000件のメッセージが保存されますので、まずは無料コースで体験してみるとよいでしょう。
パソコンでの導入とスマホでの導入の流れは、さほど大きな違いはありません。ここでは、両者のSlackの導入方法について、具体的に解説します。
Web版
パソコンでSlackを利用する手段として、Web版を利用する方法とPC版を利用する方法の2つがあります。ここではダウンロード作業を必要としないWeb版での導入方法について紹介します。
- Slackのホームページにアクセス
- メールアドレスの認証
- 作成したいチーム名を決めて入力
- サブドメイン名を入力
最後に名前を入力することでワークスペースの完成となり、一緒に使う人を招待すれば早速Slackを始めることができます。
アプリ版
アプリ版はAndroidとiOSのどちらにも対応しているので、まずはSlackを利用するスマホを用意しましょう。導入は数分で完了するので、簡単に使い始めることができます。
以下、アプリ版の導入の流れを解説します。
- 最初にSlackアプリをダウンロードする
- 『新しいSlackチームを作成する』をタップ
- 任意のアドレスを入力
- メールボックスを開き、メール認証を完了
- ワークスペースの名前を入力
- 名前とパスワードを入力
最後に『同意する』のボタンをタップすれば登録とワークスペースの作成は完了です。ログイン画面からログインし、早速Slackを始めましょう。
Slackを使う際に覚えておきたい単語名

Slackは比較的新しいサービスなので、聞き慣れていない単語がいくつか登場します。今後ストレスなくSlackを使うためにも、覚えておくべき単語をいくつか紹介します。
ワークスペース
Slackを利用するにあたり、互いにやりとりしたいメンバーを集めてグループを作ります。そのグループがコミュニケーションする場所を『ワークスペース』と呼び、アドレスのサブドメイン名にもなります。
何かプロジェクトを行う際、管理者からワークスペースに招待されます。送られてきたメールをクリックするとログインすることができ、ワークスペースに参加することができるのです。
チャンネル
ワークスペースの中で、さらに業務や部署ごとにグループを作りコミュニケーションできる場を『チャンネル』と呼びます。管理者だけでなく、ワークスペースに参加しているメンバーなら誰でもチャンネルを作成することができます。
チャンネルは公開設定することも非公開にしておくことも可能です。招待されるだけでなく、参加したいという意思表示もできるので、様々なチャンネルに積極的に関わることが可能なのです。
Slackの使い方、初級編

多くのビジネスシーンのプロジェクト進行に活用されているSlackですが、利用できる機能は多岐に渡るので、初めてSlackを使う人にとって分かりにくい側面もあります。
複雑なサービスは段階ごとに徐々にレベルをあげて使用することが、そのサービスをマスターする近道です。ここでは、初心者がSlackを使う際に覚えておくべき基本的な使い方を紹介します。
チャンネルの作成と招待
チャンネルはメンバーがコミュニケーションを取ることができるグループの名称です。部署やプロジェクトごとに頻繁に作成するものになりますので、手順はしっかり把握しましょう。
サイドバーの上部にある文字『チャンネル』の右上にあるプラスのマークをクリックし、『名前』『目的』『招待の送信先』をそれぞれ入力することで、簡単に作成することができます。入力した名前がそのままチャンネル名となりますので、分かりやすい名称をつけましょう。
チャンネルは非公開設定である『プライベートチャンネル』を作成することも可能です。プライベートチャンネルを作るには、チャンネルを作成する際に、『パブリック』ではなく『プライベート』を選択します。あとは前述のように、表示されている3つの項目を入力してチャンネルを作成します。
ファイル共有
Slackでは、ファイルをアップロードしてチームメンバーとその内容を共有することが可能です。同じファイルを共有することでコミュニケーションが取りやすくなり、スムーズにプロジェクトを進めることができるようになります。
共有したいファイルをそのままSlackにドラッグ&ドロップすることで共有できます。また、メッセージフィールドの横にある『+』ボタンからファイルを共有することも可能です。
名前の変更
Slackでは、自分のプロフィールを作成できます。『名前』や『担当業務』『電話番号』『タイムゾーン』を入力することで、同じチームメイトに自分のことをアピールできるのです。
プロフィールの名前を変更するには、以下のような操作をします。
- デスクトップ画面の左にあるワークスペース名をクリック
- プロフィール&アカウントを選択し、プロフィールを開く
- 名前を変更して変更を保存
Slackの使い方、中級編

Slackの使い方にある程度慣れてきたら、徐々に他の機能を使いこなしていきましょう。メンバーのそれぞれが機能の存在や活用の仕方を理解すれば、互いのやりとりが一層スムーズになります。
ここでは中級編として、Slackのおすすめの使い方をいくつか紹介します。
引用を使って返信
Slackはチャットツールなので、会話形式で互いのやりとりが進んでいきます。過去の発言や会話を引用したい場合は、引用を活用して返信することで効率よくコミュニケーションを進めることができます。
会話の中のメッセージには、それぞれURLが設定されています。引用したいメッセージにカーソルを合わせると、リンクのアイコンが表示されるので、それをクリックすることで簡単にコピーできます。
コピーしたものを引用したい箇所に貼り付ければ、引用が完了します。引用を活用すれば、わざわざスクロールせずとも過去の発言を参照することが可能になるのです。
メンション付きメッセージを送る
Slackでは、メッセージをグループメンバー全体に送ることや、特定のメンバーにむけて送ることも可能です。このメッセージの宛先を追加する機能は『メンション』と呼ばれ、便利な機能として活用されています。
メンションが付属されたメッセージは他のメッセージと同様にチャンネル内に表示されますが、宛先となった人物にはチャンネルごとの通知設定にかかわらず通知が送信されることが特徴です。
特定の相手に向けてメッセージを送る場合は、『@◯◯』と表記して送信します。一般的には宛先としてメッセージの前に記載されますが、文中や文末に挿入されている場合もメンションとして機能し、宛先になっている相手に通知を送信することが可能です。
他にも、チャンネルにアサインしているオンラインのメンバー全員にメッセージを送る場合は『@here』、チャンネルにいるメンバー全員にメッセージする場合は『@channel』と表記するなど、メッセージの内容に合わせたメンションを活用しましょう。
これらメンション付きのメッセージの方法をマスターすることで、より円滑かつ柔軟にコミュニケーションが取れるようになるのです。
メッセージを編集する
Slackは、一度送信したメッセージを編集することができます。誤った内容のメッセージを送ってしまった場合に内容を正しく編集することで、より精度の高いコミュニケーションを取ることができるのです。
メッセージを編集する場合、編集したいメッセージにカーソルを合わせます。『…』と表示された箇所をクリックすると、『編集する』の表示が現れますので、ここをクリックして編集します。
Slackからの通知設定
Slackには通知設定機能があります。これは、チャンネルに自分宛てのメッセージが投稿された場合などに、パソコンやスマホに知らせてくれる便利な機能です。
パソコンの場合は、ワークスペース名をクリックするとメニューが表示されるので、『環境設定』『通知』の順にクリックして、任意の通知設定を行います。スマホでも同様にメニューから環境設定を開き、通知をタップすることで設定できます。
プライベートチャンネルを使い分ける
Slackで作成できるチャンネルは、パブリックチャンネルとプライベートチャンネルの2種類があります。パブリックチャンネルはチーム参加者全員が閲覧できるのに対し、プラベートチャンネルはチャンネルに所属する特定のメンバーしか閲覧することができません。
それぞれを上手に使い分けることで、より業務を円滑に進めることができるのです。
Slackの使い方、上級編

これまで紹介した初級編や中級編の機能の他にも、Slackには使い勝手のよい機能がいくつも搭載されています。これらの機能を上手に使いこなすことができれば、あなたやチームの業務効率はさらに改善されるでしょう。
ここではSlackの使い方の上級編として、いくつかの機能を紹介します。
リマインダーでスケジュール管理
Slackには『リマインダー』の機能があります。日時と予定の詳細をあらかじめ入力しておくことで通知を送信し、スケジュールを忘れないよう管理できるのです。
リマインダーの設定は自分宛だけでなく、Slackを利用している他のメンバーに通知を送信することもできます。リマインダーは簡単に設定できるので、積極的に活用してスケジュール管理に役立てましょう。
Slack botで業務効率を上げる
Slack botとは、Slack上で動くボットプログラムのことを言います。自動で動くようプログラムされたボットを活用することで、さらに業務の効率を上げることができるのです。
このボットは自在にカスタマイズすることが可能です。多くの企業が自社の業務に沿った独自のボットを作成し、業務のサポート役として活用しているのです。
Slack botをオフィスの入口にある来客システムと連動させ、システムが受け取った来客通知をSlackに表示させることも可能です。
スラッシュコマンドを使いこなす
『スラッシュコマンド』とは、Slack内でのショートカットの機能の中の一つです。
具体的には『/(スラッシュ)+探している内容』を入力することで、自分が探している内容に関連するものがすぐに表示されます。
スラッシュコマンドではチャンネルをこえて内容の検索ができるので、非常に便利な機能であると言えるでしょう。
ビデオ通話
Slackにはビデオ通話機能が搭載されています。個人間での通話はもちろん、最大15人まで同時にビデオ通話に参加してグループ内でやりとりできるようになっています。
Slackのダイレクトメッセージやチャンネル上部にあるカメラアイコンをクリックするだけで簡単にスタートできるので、インターネットに接続されていれば、いつでも気軽にビデオ通話でコミュニケ―ションができるのです。
文字加工、装飾方法

Slackのようなシステムは、一般にビジネス向けのインターフェイスが使用されているのでシンプルなデザインです。一見すると温かみがなく冷たく感じる人もいるでしょう。
企業内のコミュニケーションに使用するツールですから、できれば使っていて落ち着きや楽しさを感じたいものです。
Slackにはカスタマイズ機能があり、さまざまなスタイルの文字加工や装飾ができるようになっています。ここでは、具体的な文字加工の方法や顔文字の使い方などをお伝えします。
赤字、太字などの文字加工
Slackには文字を加工する機能が搭載されています。ここでは代表的な文字加工をいくつか紹介します。
- 背景に囲いをつけ、文字を赤色で表示させたい場合は、文字の前後を『’』で囲む
- 文字を太文字で表示させたい場合は、文字の前後を『*』で囲む
- 文字を斜体で表示させたい場合は、文字の前後を『_』で囲む
- 文字に取り消し線をつけたい場合は、文字の前後を『~』で囲む
文字加工によってテキストにメリハリをつけることができるので、相手に読みやすいメッセージになるでしょう。
顔文字を使うには
メッセージ入力欄の右端にある絵文字マークをクリックすることで、豊富な顔文字を使用することができます。文章だけでコミュニケーションをとる場合、顔文字を使ってニュアンスを表現することも大切です。
Slackには、喜怒哀楽を表現した様々な顔文字が用意されています。テキストの中に上手に絵文字を取り入れて、メンバーとのコミュニケーションを深めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
Slackにはビジネスを効率的に進めるのに役立つ機能が豊富に用意されています。Slackを活用して、メンバーの意見を交わしながらプロジェクトを進めることで手軽に意思統一ができますので、作業効率も格段に上がります。
ビジネスの現場で積極的に取り入れられているSlackを使いこなし、より円滑な業務の効率化を図りましょう。