働き方を選ぶポイント

現代人の働き方は多様化しています。従来の『正社員とフリーター』という2つのカテゴリーではなく、インターネットを使って自宅で働く人などさまざまです。
副業をして、一つの働き先に依存しない人も増えています。そのような状況で、ライフスタイルや性格に合った働き方を選ぶにはどのようなことを意識すればよいのでしょうか?
キャリアプランを実現できるか
キャリアプランを実現できるかどうかが、働き方を考えるうえで重要なポイントです。自分のやりたいことや、年収・資産運用なども含めて最終的にどうなりたいかを計画し、それを実現するために役立つ働き方かどうかは、大切な要素です。
貯蓄目的や、家計の補助のために働く場合もあるでしょう。現状でどのぐらい収入が得られるかという視点も大切ですが、将来を見据えて最終的なキャリアを意識し、それに向けたスキルアップや情報収集を行うことを重要視しましょう。
ライフスタイルや性格に合っているか
ライフスタイルや性格に合っている働き方かどうかも、重要なポイントです。
決められた時間に会社で働くのではなく、時間や場所が自由な仕事も増えています。本業の仕事が終わってから家に帰り、在宅ワークを行っている人も少なくありません。
「小さな子供の面倒を見ながら働きたい」「他人と頻繁に顔を合わせるのが苦手」などの理由で、在宅の仕事をメインにするという働き方もあります。ライフスタイルや性格を考えた上で働き方を選びましょう。

榎本希
自分自身にあった働き方を選ぶ上で意識すべきポイントは下記の通りです。
- 自分自身のキャリアプランについてしっかり考える。
- 自分はどうなりたいのか?何がやりたいのか?どのような形で自己実現したいのか?について考える。
- 現在だけでなく将来を見据えたプランを立てる。
- 自分の性格や得意なこと、苦手なことなど自己分析を行う。
- ライフスタイルに合った働き方を考える。
業務委託とは

フリーランスや個人事業主として働く場合、働き方は大きく2つに分けられます。『業務委託』と『労働派遣』です。この二つの特徴を知り、自分に合った働き方を探す一助としましょう。
まずは業務委託について、概要や特徴を解説します。
請負契約と委任契約
業務委託とは『会社から作業や成果物の制作を委任される』という仕事です。大きく二つの契約形態があります。
一つめは『請負契約』です。エンジニアであればソフトウェアやシステム、デザイナーであればデザインなど、成果物の完成を委託され、それを提出することで報酬を得られます。
二つめは『委任契約』(準委任契約)です。こちらはシステムの運用業務など、業務や作業そのものに対する報酬をもらえる契約です。公正証書の作成などの法律行為に関する業務については『委任契約』、それ以外を『準委任契約』という分け方をします。
メリット
業務委託のメリットは『請け負う仕事を選べる』という点でしょう。業種や仕事内容を選ぶことができます。どのように仕事を進めるかも自分で決められます。
仕事の時間も、ある程度は自分で割り振ることが可能です。専門的なスキルがあれば、高い報酬を得られる可能性もあります。自分のライフスタイルに重点を置いた働き方と言えるでしょう。
また、自身のスキルが報酬に影響する場面も多いので、スキルアップのためのモチベーションも上がりやすくなります。
デメリット
業務委託の仕事は、労働基準法の適用外となります。そのため、1日の労働時間に定めはありませんし、時間外手当や深夜手当がないなどのデメリットがあります。そのため、ライフスタイルの管理が重要です。
仕事を獲得するために営業をかける必要があるというのも、苦手な人にとってはデメリットです。また請負契約の場合、成果物に対する責任を負うことが必要で、過失や不備があると判断されれば、損害賠償や補償を請求されるリスクがあります。
労災保険等もないため、業務中の怪我などについても労災が使えず自己負担となります。
また、近年では業務委託での在宅勤務を希望する人が増えてきている事もあり、専門的なスキルの必要がない業務については報酬が低いものも多く、労働時間の割に報酬が低いという事もあります。

榎本希
業務委託の働き方の特徴
- 請負契約か委任契約(準委任契約)という契約に基づいて働く。
- 依頼主に成果物を納品して報酬を得る(請負契約)
- 依頼主から依頼された事務処理を行うことで報酬を得る(委任・準委任契約)
- 法律行為に関する事務を受任して業務を行う(委任契約)
- 保守管理など法律行為以外の事務を受任して業務を行う(準委任契約)
- 事業主と事業主という対等な立場で働く。
業務委託のメリット
- 自分のスキルや強みを生かして働くことができる。
- 時間や場所に縛られない。
- 自分で仕事を選ぶことができる。
- 自分のペースで仕事をすることができる。
- スキル次第で高い報酬が得られる。
業務委託のデメリット
- 自分で仕事を獲得しなければならない。
- 収入が安定しにくい。
- 仕事がなければ無収入になってしまう。
- 労災や雇用保険などがない。
- 最低賃金が保証されない。
- 交渉から契約・トラブル対処まで自分でやらなければならない。
派遣契約とは

一方の労働派遣についても、働き方の概要やメリット・デメリットを見ていきましょう。
派遣会社に雇用され派遣先で働く
労働派遣は、派遣会社と雇用契約を結びます。雇用契約に従いつつ、派遣先の指揮命令に従って業務に従事するのが労働派遣です。
業務委託と同じように、仕事をしている会社の社員ではありませんが、派遣会社との『雇用関係』があるということを押さえておきましょう。
メリット
派遣契約のメリットは、仕事の斡旋や条件面の交渉を派遣会社がやってくれるという点です。時間や労力を労働に集中して割くことができます。
業務委託とは違い『雇用関係』のある労働者ですから、労働法によって守られているという点もメリットでしょう。1日あたりに働く時間が決められていて、それ以上働くと残業手当や深夜手当がつきます。
失業保険や労災保険に入れるのも大きなメリットです。派遣会社によっては厚生年金や社会保険にも加入出来ます。
デメリット
デメリットは、請負契約などの業務委託と比較すると、仕事の内容や時間に関して自由度が低いという点でしょう。場所と内容は派遣先によって決められていて、それに従います。
報酬は安定しますが、業務委託と比べて高額報酬を得るのがなかなか難しい点もデメリットです。仕事内容や職場が短期間で変わることもあり、最大でも3年しか同じ職場にいることができません。環境が変化しやすいのもデメリットです。
また、交通費が出ないものが多いので、派遣先が自宅から離れているような場合には交通費がかかり思ったよりも収入が得られないという場合もあります。

榎本希
労働派遣の働き方の特徴
- 派遣会社と雇用契約を締結。
- 派遣先で実際の就労を行う。
- 派遣先の指揮命令を受ける。
労働派遣のメリット
- 派遣会社によっては研修がある。
- 派遣会社の仕事の斡旋をしてもらえるの。
- 派遣先との顔合わせにも派遣会社のスタッフが同席してフォローしてもらえる。
- 労災や雇用保険に加入できる。
- 最低賃金が保証されている。
- 派遣会社によっては社会保険や厚生年金に加入できる。
労働派遣のデメリット
- 必ずしも希望する派遣先に就業できるとは限らない。
- 紹介された派遣先が遠方で交通費が支給されない場合などは手取り金額が少なくなる場合もある。
- 期間の上限がある。
- 派遣先の指揮命令を受ける。
- 環境が変化しやすい。
まとめ
副業の推進やインターネットの普及で、ワークスタイルが多様化しています。
フリーランスや、副業として仕事をする場合は、業務委託と労働派遣の違いについて知っておきましょう。それぞれの特徴をしっかりと把握し、キャリアやライフスタイルに合った仕事を見つけることが重要です。