AWSエンジニアの副業のリアル。案件の内容や獲得の仕方について

はじめまして。 freee 株式会社に勤めているエンジニアの坂井と言います。普段の仕事は SRE (Site Reliability Engineering) として「会計 freee」や「人事労務 freee」をはじめとしたクラウドサービスのインフラを支えています。

私は本業の傍ら、個人事業主として AWS を中心とした技術支援の副業をやっています。

最近はテレビや雑誌などのメディアでも、副業というキーワードを目にすることが多くなってきました。みなさんの中にも、興味を持っている方は多いのではないでしょうか。

でも、副業というとなんだか難しそうな感じがして二の足を踏んでいませんか? そこで今回は、この場を借りて私のリアルな体験談をご紹介したいと思います。

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副業のモチベーションは本業へのさらなる貢献

個人事業主になって自社プロダクトをドッグフーディング

私が個人事業主として開業したのは 2017 年 1 月のことです。それまでは、ずっと会社員として働いてきました。転職経験は何度かあるものの、まさか自分で開業して副業を始めるなんて夢にも思っていませんでした。

では、なぜ個人事業主として開業したのでしょうか?

それは freee が提供するプロダクトをドッグフーディングしてみたいと思ったからです。ドッグフーディングとは、自社で開発したプロダクトをユーザーとして日常的に利用することです。freee のミッションは「スモールビジネスを、世界の主役に。」です。

このミッションに強く共感して入社することを決めましたが、社会人になってから会社員の経験しかないため、経理や財務といったいわゆるバックオフィスのことをまったく知りません。どちらかと言えば苦手意識さえ持っていました。身をもって経験したことがなく、ユーザーと同じ目線で考えられないことに危機感を抱いていました。

個人事業主として自社のプロダクトを使い倒した上で自ら改善していく。これが実現できれば、プロダクトの成長にさらに貢献できるエンジニアになれますし、何より自分の仕事が今より楽しくなりそうだと考えたのです。

収入や勉強といった、よく聞く理由とは少し異なっていますが、こうして私の会社員と個人事業主の二足のわらじを履いたキャリアが始まりました。

AWSエンジニアとしての副業案件は?

スタートアップへの技術支援

副業の主な仕事内容は、エンジニア数名から十数名規模のスタートアップへの技術支援です。初期プロダクトをリリースして PMF (Product Market Fit) の到達を目指しているアーリーステージが多いです。支援するプロダクトとしては B to B 向けの SaaS がほとんどです。

技術領域としては AWS を中心に、今後のプロダクトの成長を見据えたアーキテクチャ改善やセキュリティまで担当することがあります。

AWS の専門スキルを持ったエンジニアを雇う余裕がないスタートアップに対して、スポットで利用してもらうことを想定しています。イメージとしては、かかりつけ医といった感じでしょうか。

副業案件の事例

実際に副業で支援した事例をご紹介します。

1.インフラのコード化 (Infrastructure as Code)

  • 創業メンバーしか知らない暗黙知をコード化することで属人性を減らし、その後の開発生産性を改善
  • ただコード化するだけでなく CI/CD のパイプラインまで含めて設計

2.リリースサイクルを改善するための Kubernetes 導入

  • デプロイの複雑化によって低下したリリースサイクルをコンテナ化と Kubernetes (Amazon EKS) 導入によって改善
  • 運用保守が自分たちでできるようにアプリケーション開発者へのトレーニングも実施

3.セキュリティ対策

  • セキュアなインフラ構成へのリデザインやマイグレーション
  • IAM や SSH ユーザーなどの一元管理や証跡ログの自動取得

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案件はどう見つけているのか?

主に 2 つのルートから仕事を見つけています。

ブログを育て問い合わせ経由で獲得

1 つ目は、私の個人ブログからの問い合わせです。ブログは 2012 年から続けていて、普段の仕事で疑問に思ったことやハマったことをまとめています。

ブログを読んだ方から「××の技術についてサポートしてもらえませんか?」といった具体的な問い合わせをいただくことがあります。問い合わせしてくる段階で課題がはっきりしていることが多いので、私の方からもスムーズに回答することができます。

このブログは趣味で書いていますが、こんな形で副業の役に立つとは思ってもみませんでした。

共感できるスタートアップに直接問い合わせ

2 つ目は、私のスキルを生かせそうなスタートアップを探して、こちらからアプローチする方法です。と言っても、特別な営業スキルがあるわけではありません。

私は AWS のスキルを強みにしています。多くのスタートアップがインフラに AWS を採用していますが、AWS の専門スキルを持つエンジニアを雇う余裕がない、または雇いたくても見つからないところは数多く存在するようです。

そういった企業に対して、ウェブサイトや SNS 経由で問い合わせして仕事をいただいています。

AWSの副業案件を受けるときに気をつけていること

リモートワークに慣れた会社がオススメ

副業で関わる場合は本業と両立する必要があるので、時間の面で正社員のようには働けません。契約するときは、リモートワークや非同期コミュニケーションが前提になることを理解しておいてもらうと、そのあとの仕事がスムーズになります。

例えば、普段のやり取りは Slack や Messenger、ミーティングは Google Hangouts や Whereby といったコミュニケーションツールを活用しています。ちょっとした相談にいちいちメールを書くのは億劫ですし、コミュニケーションコストを下げておくことは業務の生産性に関わるので、最初に確認しておくと良いでしょう。

同じ時間や空間を共にしない分、オンライン上でのコミュニケーションには気を配っています。すぐに回答ができない場合は「××までに回答します」と伝えたり、作業途中の場合でも早めに共有して安心してもらう工夫をしています。

相手の期待値を超えるのは大変ですが、自分の成果に +1 することは今日からでもできます。

期待値コントロールには特に気をつける

私は副業に割く時間をあらかじめ決めています。今は本業に加えて育児もあるので、副業に割けるのは平均すると週 3 〜 4 時間ほどで、本業や育児がおろそかにならないように注意しています。

相手の期待値を達成するために週 8 時間必要であれば、正直にお伝えして断るようにしています。

また、私は契約の段階で「私がいつ抜けてもいいように社員の方にスキルを盗んでほしい」と伝えています。というのも、副業で関わるからにはさまざまな制約があり、私が抜けても破綻することのないように、表面的な作業をただ請け負うのではなく、スキルやノウハウを伝えることに重きを置いています。

とにかく行動してはじめよう

私のように会社員が個人事業主として副業を始めても、これといったデメリットは見当たりません。むしろ、自分の得意を活かしてより世の中に貢献ができるため、副業禁止などの制約がなければぜひチャレンジしてみてほしいです。副業を始めるにあたってスキルはもちろん必要ですが、それよりも大事なのは行動力です。

この記事を読んで、副業にチャレンジする方が一人でも増えれば嬉しいです。

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