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インタビュー

メガベンチャーのデザイナーが、「大人のインターン」を通して見つけた別角度の景色

2019年4月にローンチした「Extroom(エクストルーム)」は、「好きなことを極めたクリエーターによる、コミュニティ」として、今クリエイターの間で注目を集めている。その「Extroom」でプロダクトオーナー兼デザイナーを務める清水氏は、副業を経験したのちに同サービスを運営する株式会社blowoutに入社した経歴の持ち主。サイバーエージェントで、デザイナーでありながら事業立ち上げを経験してきた清水氏は、なぜ副業を経て、スタートアップ企業であるblowoutに入社したのか。そこには清水氏が抱えてきた危機感と、新しい価値観の発見があった。

株式会社blowout

清水 康秀 氏

2014年に株式会社サイバーエージェントに新卒入社。1年目から子会社の立ち上げにデザイナーとして参画し、AmebaFRESH!(現:FRESH LIVE)の立ち上げを経験。その後は株式会社AbemaTVに出向。副業経験を経て、2018年より株式会社blowout入社。現在は「Extroom」のプロダクトオーナー兼デザイナーを務める。

株式会社overflow

田中 慎

新卒でベンチャー企業に入社。1年半で100案件程の上場企業・中小企業のWebサイト開発・デザイン業務に従事。株式会社サイバーエージェントにエンジニアとして入社し、会員数1,300万人のポイントプラットフォーム事業、フィンテック(仮想通貨関連事業)新規事業等の立ち上げ・開発運用に従事。2017年6月、株式会社overflowを創業。

幾度の事業立ち上げ経験によって養われた、デザイン以外のスキル

overflow田中慎(以下、田中):まずは清水さんのこれまでのキャリアについて聞かせてください。サイバーエージェントに新卒入社し、いきなり子会社(株式会社WAVEST)の立ち上げに参画していましたよね?

清水 康秀氏(以下、清水氏):はい、株式会社WAVESTは新卒の同期5人で立ち上げた会社で、バイラルメディアの運営を事業の柱にしていました。当時は「0→1」の仕事ばかりでしたので、プロダクト開発や組織開発など、本当に入社1年目からたくさんの貴重な経験をさせていただきました。

特に、正社員やインターンなど合わせて30名ほどの組織になった時には、自分はデザイナーでありながら、人事関連の業務も手伝わせてもらいました。この時にデザイナーだけでは学べない「採用」や「組織開発」「マネジメント」にも興味を持つことができました。

ただ、WAVESTは最終的に営業組織に変更していく運びとなり、自分も含めた開発メンバーは本社のメディア事業へ異動することになったんです。

田中:それが新卒1年目の時ですよね。2年目はどんなことにチャレンジされたのでしょうか?

清水氏:2年目は『AmebaFRESH!』(現 FRESH LIVE)の立ち上げに参画しました。

田中:また立ち上げですね! 今度はどのような感じだったのでしょうか?

清水氏:とにかく必死で、当時は「洗練された生放送配信サービスを作る」というモチベーションでプロダクト開発に臨んでいました。

異動した4月の中旬頃にサービス名が『AmebaFRESH!』に決まったのですが、5月中旬にオープンするスタジオの名前にも使いたいという流れになり、サービスの世界観などまだ何も見えていない中、社内の大先輩たちにご協力いただきながら必死にロゴを作ったのを覚えています(笑)

「スタジオで利用すること」「Webサービスであること」の2つを満たさないといけないロゴだったので難しかったですね。

田中:ステークホルダーも多い中、それは大変でしたね(笑)

清水氏:そうですね、でも本当に良い経験になったと思います。でも結局、『AmebaFRESH!』に携わっていたのは、2年目と3年目の2年間だけで、4年目からは『AbemaTV』に異動になりました。

田中:そうだったんですね。『AbemaTV』は当時すでに立ち上がっていたと思いますが、どのような動きをしていたのですか?

清水氏:ちょうど『AbemaTV』が1周年を迎えるフェーズでジョインしました。その際は、WebのUIデザインや、新卒デザイナーのトレーナーを担当をしていましたね。

偶然が重なって出会った副業先、そして新たな価値観を発見

田中:では、副業を始めたきっかけについて聞かせてください。

清水氏: サイバーエージェント時代、よく業務外でサービス開発などをしていて、その延長で知人のベンチャー企業の仕事を少し手伝っていたんです。

あと、プライベートな話ですが、諸事情で引越しをしなきゃいけなかったので、金銭的にも何か副業を始めないとキツかったんです(笑)

田中:そうだったんですね(笑)どうやって副業先を探したんですか?

清水氏:起業をしている友人と飲んでいて「デザインの案件がある会社とかあったら紹介して!」と相談した結果、今の勤め先である株式会社blowoutを紹介してもらいました。

田中:blowoutで副業をやろうと思った理由は何ですか?

清水氏:blowout以外に候補がなかったというのもあったのですが、本業に影響が出ない範囲内でできる仕事だったので決めました。あと、お金も必要だったので(笑)

田中:『AbemaTV』でも働いていて忙しかったと思いますが、副業して感じたことってありますか?

清水氏:副業って「大人のインターン」みたいですよね。副業を通じて、スタートアップ企業の「人」や「環境」と触れ合うことで、本業の良いところや、弱いところを俯瞰して見れるようになりました。

田中:学生の場合はインターンシップというのがメジャーで、それを経て就職することも多いですよね。でも社会人になってしまうと、なかなか他社の中身を知れる機会は少ないのかなと。

清水氏:まさにその通りですね。引き出しを増やす意味でも「大人のインターン」は大事だし、この「大人のインターン」がもっと社会の中で増えてもいいなと思いました。その方がもし転職という流れになった場合も、人と企業のミスマッチが起きにくくなりますしね。

僕はおしゃべりで多少口達者な面があると思っているので、初めて会う人には評価されることもあるんですよね(笑)ただ、ちゃんと実力の部分でも評価されているのか不安もありました。それでもしっかり評価してくれて、必要としてくれていたので今こうしてblowoutにいるんだと思います。

熱中することで、予期せぬ道が拓かれる!?

田中:他に、副業をして新たに発見したことはありますか?

清水氏:大学時代の研究対象でもあったのですが、何かに極端に熱中している人に対して、さらに興味を持つようになりましたね。

blowoutで「Extroom」というサービスのプロダクトオーナーをやっているのですが、これは「好きなことを極めたクリエーターによる、コミュニティ」というもので、何かに突出したクリエーターたちと仕事と遊びの中間のような活動を通じて、新しい創作のきっかけや出会いなどのつながりを支援するサービスです。

僕自身も『AbemaTV』時代に趣味でドローンの学校に通っていたのですが、そこでは普段出会えないようなドローンカメラマンからドローン操作を学べたり、会社では出会うことのないさまざまなバックボーンを持った年上の方々との出会いなどがあり、非常に面白かったです。

田中:えっ、ドローンの学校ですか?

清水氏:ええ。僕自身なぜ学校に通ったかというと、もちろんドローンの機材やどうやって操縦するのかが気になって入りましたが、一緒に通う人との出会いが楽しかったというのが一番ですね。

田中:自分が何かを極めることによって出会える人、新しいチャレンジによって出会える人と交差したりするのって、仕事と趣味が曖昧になっていてすごく面白いですよね。

清水氏:そうですね。今もそうなのですが、仕事と趣味の境目がなくなってきていて、例えばこういうインタビューも仕事と言われればそうなのですが、そもそも田中さんとはサイバーエージェント時代からの知り合いですし、今日も久しぶりにお会いしたかったので趣味というか(笑)

メガベンチャーからスタートアップへの転職理由

田中:副業をして会社のことが色々わかって来たと思うのですが、「サイバーエージェント」という会社にいた中で、いつ頃から転職を考えるようになったのですか?

清水氏:そうですね、まず副業は5カ月くらいやっていました。具体的に転職を考え始めたのは、副業を始めて3ヶ月くらい経過した時ですかね。そこから2カ月くらい上司に相談したりして辞めることになりました。

田中:blowoutはどういうところがよかったのでしょうか?

清水氏:単純にワンルームでやっている開発環境にワクワクしました(笑)。あとは、自分の力でこの会社を大きくしたいと思いました。やっぱり男なので、ロマンが大事だと思います。

田中:とはいえ、スタートアップへの転職は怖くないですか?

清水氏:副業をやることによって、事業の数字やファイナンス状況まで気軽に聞けたのが大きかったのかなと思います。社長を中心とした仲間が本当に信用できる人だったので、決めることができました。

田中:なるほど、その辺の数字周りの共有は大事ですね。キャリア的な部分ではどういう思いがあったのですか?

清水氏:危機感がありましたね。サイバーエージェントは採用力が強いので、毎年優秀なデザイナーが増えていくんです。それで自分もデザイナーとして頑張っていたのですが、自分のやりたいことやスタンスを考えたときに、専門職としてのキャリアのイメージが湧かなくなっていきました。

強い組織は人が入れ替わっても簡単には崩れないし、変わらない組織だと思っています。とはいえ、必要とされている実感ももちろんあったんですが、小さくてもいいから「自分を必要とし、自分が影響を与えやすい組織」にいたいなと思うようになりました。

blowoutでは副業にも関わらず、気づいたらミーティングを仕切らせてもらってたり、大きな意思決定に関われることが楽しかったんですよね。

サイバーエージェントは本当に素晴らしい会社で、何もネガティブなことはなかったのですが、今後のキャリアなどを考えた決断でしたね。

デザイナーが副業によって得られること

田中:デザイナーの方に副業をおすすめする理由ってありますか?

清水氏:副業をおすすめするわけではないのですが、デザイナーの仕事内容は小さい案件から大きい案件まであると思うので、やりたいと思える案件があれば、やってみるとさまざまな気づきがあると思います。

僕の場合は転職してしまったのですが、「会社の良いところ」や「自分の強み」などに気がつくこともできるので、そういった面ではおすすめです。

田中:大手のクラウドサービスとかもありますが、特に副業未経験のデザイナーは、どのうように仕事を受注していけば良いと思いますか?

清水氏:やはり知り合い経由がおすすめですね。全くつながりがない所からスタートするよりは安心だと思います。

「新しい価値観」の創出と、コンテンツカンパニーとしての挑戦

田中:最後に、清水さんの今後の目標などあれば教えてください。

清水氏:これは大学時代から考えていたのですが、「新しい価値観」を作り、それを社会に広げていきたいですね。

例えば昨年、大好きなカメラマンのオンラインサロンに入会して、アシスタントとして働かせてもらったんですが、これがめちゃくちゃ楽しいんですよ! これって「お金を払って労働する」という、労働とお金の関係が逆転した「新しい価値観」だと考えています。

「Extroom」では、コミュニティの先頭を走っている人に対して、誰かがお金を払って一緒に企画したり活動しながら支援する。まさに労働とお金が逆転した「新しい価値観」が生まれているんじゃないかなと思います。

また、「Extroom」を運営する中で、多くのクリエイターさんとの接点が生まれてきましたが、彼らのものづくりを見ていて、憧れじゃないですけれど僕らもやってみたいなと。

以前は「自分たちじゃものづくりはできない」と勝手に思い込んでいましたが、「Extroom」を運営していると、実は僕らが手伝えることや必要とされる場面も多々あることが分かりました。

クリエイターさんからもblowoutと一緒にやりたいといった声もいただき、今はアイドルのPVを撮影している方と新しいアイドルグループを作ったり、映画監督とソーシャルフィルムを撮ったりしています。

今、blowoutが掲げているテーマは「一番面白いと思えることをやろう」です。

「Extroom」でクリエイターさんの支援をしつつ、コンテンツカンパニーとしての挑戦を続けていきたいですね。

田中:なるほど、ありがとうございました!

  • インタビュー/執筆:田中慎
  • 編集:佐藤剛史/新留一輝
  • 撮影:齋藤暁経

Updated : 2019-11-19

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