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業務委託契約とは?特徴と他の契約形態との違いを解説

2019-07-31

業務委託で働く人は、どんな契約を結んで働くのでしょうか。業務委託契約の特徴や概要を紹介します。また、業務委託で働く場合、そのほかの契約とは大きな違いがあります。どんな違いがあるのかについても、あわせて見てみましょう。

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この記事の目次

業務委託契約とは何か

業務委託とは、企業が雇用関係のない企業や個人に一定の業務を委託する業務形態です。業務の進め方や納期などについては双方で打ち合わせ、互いに了承すれば契約書を取り交わして契約を結びます。

この時に交わされる業務委託契約とは、どのようなものなのでしょうか。

準委任契約か請負契約を指すのが一般的

実務上は『業務委託契約』という言葉がよく聞かれるものの、民法上に業務委託契約なるものは存在しません。業務委託で取り交わす契約として民法で定められているのは、『委任契約』『請負契約』の2種類です。

このうち、委任契約にはもう一つ『準委任契約』があり、一般的な業務委託ではこちらの方が多く見られます。

準委任契約とは、法律行為以外の業務を一定期間行う契約を指します。業務行為そのものが報酬対象となるため、必ずしも成果物を納品する必要は無く、瑕疵担保責任もありません。

一方、請負契約は、納期までに成果物を納品することで報酬を得る契約です。報酬対象は成果物のため、成果物を納品しなければ報酬は得られず、瑕疵担保責任も課せられます。

法律行為は委任契約

『委任』『準委任』の違いは、業務内容に法律に関連した行為があるか無いかです。委任契約で働く人は、法律事務に携わるいわゆる『士業』がほとんどで、主な職業として税理士や弁護士などが挙げられます。

これ以外の業務委託では、準委任契約で働く人がほとんどです。

業務委託契約と雇用契約の違い

個人事業主やフリーランスが請負契約または準委任契約を結んで働く一方、会社員は企業と雇用契約を結んで働いています。会社員は雇用契約を結ぶことで『労働者』となり、業務受託者とはまったく異なる性質を持つのです。

業務委託をより深く知るには、雇用契約との比較は欠かせません。ここでは両者を比較して、その違いを考察してみましょう。

雇用契約とは

雇用契約とは、一方が相手に労働力を提供し、その見返りに報酬を受けるという契約です。一度雇用契約を取り交わせば、雇われた側は相手の指揮監督下に入り、業務上で指揮命令を受ける立場となります。

雇用契約では『雇う側・雇われる側』の関係が発生し、雇われる側の立場が弱くなりがちです。そのため、国では雇われた側を『労働者』と定義し、さまざまな法律上の保護を受けられるようにしています。

例えば、最低賃金や法定労働時間、法定休日などの取り決めは、労働者の権利を守るためのものです。

業務委託契約・派遣契約・雇用契約の違い

派遣契約では、派遣会社と派遣社員が雇用契約を結び、派遣会社と派遣先の企業が『労働者派遣契約』を結びます。派遣社員が実際に勤務し、指揮命令を受けるのは派遣先の企業ですが、実質的な雇用主は派遣会社です。

業務委託契約・派遣契約・雇用契約のうち、国が定める『労働者』になれるのは派遣契約と雇用契約です。労働時間や休日の規定があるため、残業手当や休日手当、有給休暇も支給されます。自由裁量の可能な部分は少ないものの、権利は国から保障されており、比較的安定して働けると言えます。

一方、『労働者』に該当しない業務委託は、上記のような国の保護が受けられません。報酬の交渉や労働時間の管理もすべて自身で行う必要がありますが、委託者とは対等なため、業務上の自由度は高いです。

偽装請負に注意

労働者としての保護が無い業務委託でも、偽装請負と判断されれば、労働者と同等の保護を受けられることがあります。

偽装請負とは、請負契約や準委任契約を結んで働いているにもかかわらず、実際は労働者のように働かされている状態のことです。近年増加している偽装請負は、相手企業に出向いて働く『常駐型』の案件に多く見られ、国が注意喚起を呼びかけています。

偽装請負かどうかの判断のポイントの一つは、常駐先の企業から指揮命令されているかどうかです。業務委託で働く人は、たとえ相手企業に常駐しても、委託者から指揮命令を受けることはありません。

契約外の業務をやらされたり勤怠管理までされたりするようなら、偽装請負が疑われるでしょう。実態が労働者と変わらない場合は、業務委託でも労働基準監督署への相談が可能です。心当たりのある人は、早めの相談をおすすめします。

業務委託の働き方の特徴

政府主導の『働き方改革』が進む中、企業や団体から離れて業務委託で働く人も増えています。これから業務委託で働こうと考えている人は、業務委託にはどんなメリット・デメリットがあるのかを把握しておくとよいでしょう。

メリット

業務委託には、自分に合った働き方ができるというメリットがあります。特に、請負契約では成果物さえ納品できればよく、業務方法や時間などは問われません。好きな時間や場所で働けるのは、業務委託ならではといえるでしょう。

加えて、会社員なら不得手な仕事でも引き受けなければなりませんが、業務委託なら『断る自由』があります。好きな仕事・割のよい仕事を選ぶことができ、仕事上でのストレスも少なくなるのです。

実力がはっきりと報酬単価に反映されるため、スキルがあれば、会社員よりも高額な収入を得ることができるでしょう。

デメリット

一方、デメリットとしては、個人にかかる責任が大きくなるという点です。会社員なら他の人がやってくれていたことも、自身で行わねばなりません。

まず、仕事を得るためには営業が必要です。いくらスキルがあっても、仕事を請けられなければ報酬には繋がらないでしょう。加えて、会計管理やスケジュール管理も自身で適切に行う必要があります。年度末には確定申告があるので、帳簿も作成しておかなければなりません。

また、業務委託で働く人は労働者に該当しないため、社会保険の支給も受けられません。雇用保険や失業保険のほか、出産手当なども無いことは承知しておきましょう。

業務委託で働く際の注意点

業務委託で働く場合、『企業に属していない』ということを常に頭に置いておく必要があります。実際にどのようなことに気をつけるべきか、詳細を見てみましょう。

業務内容をよく確認し、契約を締結する

業務委託では、事前に取り交わした契約が業務の根拠となります。ここで不利な条件を結ぶと後々トラブルのもとになるため、契約内容はきちんと確認しておきましょう。

特にトラブルになりやすいのは、納期・報酬・瑕疵担保責任の範囲・契約解除の条件などです。

例えば、瑕疵担保責任を曖昧に設定しておくと、賠償金額が際限なく広がるおそれがあります。契約書には賠償範囲の上限額や『間接被害にまで責任は負わない』旨の条項を盛り込むなど、万が一を考えた契約を結ぶことが重要です。

労働基準法が適用されない

業務上のトラブルは契約書で定めたとおりに解決されるべきですが、契約内容が不当な場合は法律事務所などに相談しましょう。

前述した偽装請負などの場合を除き、業務委託のトラブルについて労働基準監督署は動いてくれないことがほとんどです。業務委託で働くからには、相談できそうな場所をピックアップしておくことも必要でしょう。

頼れる専門家に心当たりが無い場合は、国の法律支援団体である『法テラス』を利用してみてはいかがでしょうか。こちらなら、条件を満たせば無料法律相談や裁判費用の立て替えを行ってくれます。

出典:日本司法支援センター『法テラス』

確定申告が必要になる場合もある

業務委託で1月1日~12月31日の間に課税所得が発生した場合は、自身で確定申告し、税金を納付しなければなりません。

税額は『年間総収入-経費-控除額』で出した金額をベースに算出されるため、できるだけ多くの経費を計上し、控除を適用できるかが節税のポイントです。

業務委託だけで収入をえている場合、年間所得が基礎控除分の38万円を超えると確定申告が必要です。副業として業務委託をしている場合でも、報酬が20万円を超えていれば、確定申告の義務が発生します。

確定申告の義務がないとしても、報酬から源泉徴収額として税金が引かれていた場合は、確定申告をすることで還付を受けられる場合もあります。報酬の内訳をよく確認しておきましょう。

必要な書類としては、提出する確定申告書だけでなく、保管の義務がある領収書や帳簿などもあります。事前に確認してきちんと準備しておきましょう。

まとめ

業務委託とは、会社員とは全く異なる働き方です。会社の規則や命令に縛られないので自由に働けますが、個人にかかる責任が重くなることも理解しておきましょう。

また、業務委託は労働基準法が適用されず、労働者の権利は享受できないということも注意しておくべきポイントです。万が一の時に頼れる法の専門家を見つけておくとよいでしょう。

業務委託で働くことはメリットも多いですが、デメリットもあります。さまざまな働き方と比較して、自身に合った働き方を選んでください。

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